0.プロローグ
ゆっくり更新で一話ごと短めになる予定です。
よろしくお願いします。
江島七海は二十五歳のごく平凡な普通のOLだ。取り立てて目立つ美貌でも無く、さりとて不細工でも無い。仕事もバリバリ出来るという言う訳でも無いが、さりとて愚鈍と言う訳でも無い。
中の上の大学を卒業し、業界で十五~二十番手付近をウロウロしているお菓子メーカーの総務人事に採用され三年。最初は右も左も分からなかったが、今では仕事にも慣れ忙しい時期とそうでない時期を頭に入れつつ予定を組む事もできるようになった。
高校の友人はもう彼氏とエンゲージリングを買いに行ったと言うのに、七海には全く浮いた話は無い。生まれてこのかた四半世紀、モテたと言う記憶が無い。男性とお付き合いしたのも、高校一年生の時二週間だけ―――あれを『お付き合い』と言って良いのか分からないけれど。
そんな彼女が最近水面下で密かに『魔性の女』と呼ばれつつある事に―――
―――本人は全く気が付いていなかった。
※これまでのお話と違い、七海を取りまくヒーロー達が本田のような爽やか誠実系ではありません。拗らせ系の男性を不快に思われる方は回避をご検討下さい。よろしくお願いしますm(_ _)m