表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Crow in the dark 贖罪の山羊  作者: えむ
〇一〇
44/45

01

 報告。


 総務部庶務七課・多面担当シルベスタ・ガフ、同所属ロニ・ヴァルフォアが就いた失踪事件解明の任においての活動状況を報告する。


 容疑者確保メイソン・ジョーンズを確保。


 住民を山羊に変え、外壁を消耗させ、耐久年数を大幅に削っていたと思われる。


 同時に、バーミッドグロウ塗装、グランツハウス、ホームタイム・インクの三社の経営者も山羊に変え、建築業界に多大な損失を出しているものと思われる。


 また、山羊に変貌した者はもとに戻る術がなく、死亡するまでそのままであるとメイソン・ジョーンズは供述している。本人自身にも変身能力があり、人の身体を保ったまま獣の力を使う事ができるので監視の際は厳重な注意が必要と思われる。


 その他、余罪の余地があり、追って報告するものとする。


 追記、外壁補強の外部委託についても採用基準を見直す必要があると思われる。または廃止。


「はい、おつかれーおつかれーおつカレーパン」


 初老の小太り係長が、電波満載の報告書を読み終えて判を押す。


「おつカレーパンっす」


 ふざけた敬礼をしながらロニ。


 はす向かいの席にシルベスタはいない。


 シルベスタは現在入院中。ほぼ全身の骨を折っているとかで退院まで二ヶ月はかかるとロニは病院の主治医から聞いた。


「しかしロニ君、お手柄だね~」


「恐縮っす」


 だが後味は悪い。


 山羊にされた夫人と作業員のことだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ