椅子と小鳥のぴー子さん
部活中に思いつた作品です。
色々と突っ込みどころがあるかもしれませんが、まぁ、
気にしないでくださいw
僕は椅子だ。
製品番号01527番○×△社オリジナルの椅子とはこの僕のことだ!
背もたれには高級カシミヤを使ったカバーが掛けられている。
そして、なんと!座る部分にはふっかふかの高級ソファー生地を使用!
僕の名は肘掛け付き座椅子!略して座椅子!旅館にしかいない最高級の座椅子である。
そんな僕は旅館の人気者だ、来る日も来る日も僕がいる部屋にはお客がたくさん泊まりに来る。
ここにはなんと芸能人のDAI●Oも泊まりに来たことがあるんだ!生でウィッシュを見たんだ!
そして僕に座ってゆったりリラックスして帰って行ったんだ。
…だけどそんな人気者の僕はある人に恋をしているんだ。
そう、それは小鳥のぴー子さん!あの温かい日だまりのように優しい色をしている茶色の羽!
そして黒曜石のように意志の強そうなキリッとした瞳!
小さいけれど近くで見ると以外と鋭い形をしたあのくちばし!
僕は一目で恋に落ちたんだ……
だけどぴー子さんは僕の前でいつも他の椅子に座っているんだ!
しかも!男連れで!|(それも小鳥です)
だからこそ!このふっかふかな高級ソファー生地の部分に座ってもらいたかったんだ!
でも、ぴー子さんは目もくれずに肘掛けに止まったんだ…
そんなわざわざ堅い部分に座らなくてもこっちのふっかふかな部分に座ってくれればいいのに!
あぁ、貴女のきれいな御御足が疲れてしまうじゃないですか!!
え?信用してる椅子の上じゃなきゃ寛ぐことなんてできない?
そんな!僕は信用できる椅子ですよ!!
一番座り心地がいいのはロビーに置いてある「こうとーり社」のソファーだって!?
あんなちっぽけな会社のほうがこの僕より座り心地がいいだって!?
……そんな馬鹿な………!!!!
僕はあの○×△社で1527番目に作られた最高級の座椅子だぞ!
折りたたみをすればコンパクトになって収納も楽だし、なんといっても肘掛けがあるんだ!
…え?
「こうとーり社」のあいつは全部ハンドメイドで作られた世界に一つしかないソファーだって!?
まさか、あんなしょぼい奴がハンドメイド製だって!?
しかもすべてが国内産のもので造られた生粋の日本産だと!
くっ……僕が外国産でできているから信用ができないのか!?
違う?性格が悪すぎるだって?
僕のどこが悪いって言うんだ!ブランド製の僕は確かに格好いいからモテるけど、
それは昔の話で今はぴー子さん一筋だよ!
その証拠にほら!
一切座った後がついていないだろう?
僕は君に一目惚れした日から誰にも座らせていない!
だからさぁ!
僕の上においでよ!!
…そんなこと望んでいないって?
じゃあ、僕は何をすればいいんだ!?
これ以上僕には何もすることができない……!
ソファーは疲れていることを癒してあげることが生き甲斐?
それは老若男女構わずに、それこそお金持ちだろうが貧乏だろうが関係なしに座らせてくれる…
そんな、僕にはできない…
僕はお金持ちのために造られたんだから。
……わかった、君の事は諦めるよ。
僕は君が望むような椅子になることはできないからね。
あぁ、僕は誰でも気軽に座らせることはできないんだ。たとえ僕が望んでいても。
だから僕は僕なりに精一杯やってみるよ、君があの時振らなきゃ良かったって思ってもらえる座椅子にさ。
だから、だからさ?
僕の前でわざわざ男連れてきていちゃいちゃしないで!!