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第七話

言って置くがこれ以上の作者の想像力は尽きている、

先ほどコンピューターのバグにより渾身込めて書き上げたおよそ1600字もの文字がたった5秒で消えてしまったからだ、


今の作者だったら九六式艦上攻撃機で空母を沈められる自信がある、

それもイラストリアス級の装甲空母をな!!


だがここで読者を満足させずに帰ったらそれこそ身勝手なので出来るだけやって見る、



泥臭い森の中を一両のポルシェティーガーが走り抜けていく、

まるで仲間に追いすがる如くに、


しかし、実際は違っていた、

前線の仲間が余りにも押されている為に前線に援護に向かっているのだ、


「クッソー、前線遠いなぁ...」

キューポラから双眼鏡を構えている青年はエルン、

我らがエルケンバルト歩兵員だ、


経歴内では、

歩兵としては珍しい戦車兵の経験もある、

ただ、悪い上官だったために結局その才能を開花させずに終わってしまった、


ここで、

漸く前線へたどり着いたようだ、

なんせ砲撃音がもうバカらしく思えてくるほど聞こえるのだ、


「ウッワー、バカスカ撃ってやがる、弾種もクソもないじゃないか...」

森が深すぎるため、

今丁度正午なのだがそれでも森は朝方の暗さである、

その為に、敵味方問わずに曳光弾をバカスカ撃っている状況である、

まるで夜戦だ...


「撤鋼弾装填しといてください、万が一が...」

『ガキーン!!』


「ウワ!!ヤッタ!!キャタピラが外れやがった!!」

戦線、それも最前線でのキャタピラの破損は命取り同然である、

しかし、不幸中の幸いなのがこれが流れ弾であったことだ、


「ラシルさん、チョッと頼みますね、」

そう言うと砲塔をキューポラから車体後部の広いエンジンルームの真上に降りる、

積んであった予備のキャタピラを一斤取り、

予備のシングルピンも何本か持っていく、

車体側面にかけてあったハンマーも例外ではない、


ボロボロに崩れたキャタピラ片を先ずは取り除き、

健全なキャタピラに持ってきた一斤のキャタピラをつけるが、


なにしろ、ポルシェティーガーのキャタピラは一斤でも30キロと言う重さがあるのだ、

それを18の青年が一人で持ち上げくっつけるのだ、

大人でもキツイこの作業を青年は黙々とやり続ける、

壊れたキャタピラ片をまるでつっかえ棒もようにして持ち上げ、

新品のキャタピラを健全なキャタピラに繋いでいく、


泥で汚れておらずおまけに脱色もしていない新品のキャタピラは何処か浮かれた存在に成ってしまったが、

今はそんなことを気にしている場合ではない、

キャタピラとキャタピラが合わさった途端、

シングルピンを双方の穴に素早く差し込む、

差し込んだらはい終わりと言う訳ではない、


せっかく持ってきたハンマー、何時使うの?『今でしょ!』


差し込まれたシングルピンはまだ殆どが飛び出た状態である、

それをハンマーを使い丁寧に奥へ奥へと差し込んでいくのだ、


「流れ弾が半端ないな!(カーン!カーン!カーン!)、曳光弾だから良かったけどな!(カーン!カーン!カーン!)」

ちなみにだが、


ここはアーパ山脈の麓周辺の森林盆地地帯であり、

真っ平らな土地が結構続いているのだ、


アーパ山脈を挟んで北側が新生エルベニア、南側が大八洲国だ、その更に南海上にはダッチラント共和国が居る、

アーパ山脈の西側の最終到達地にはもう一つの8000m級の山脈があり、

その向こうは半島になっていて、

険しい8000m級の峯峰が人々の生活経路などを邪魔する為、

全くの無人地帯になっているのだ、

その8000m級の峯峰はボーラ山脈と呼ばれている、

最も分かりやすく説明すれば、

例えば無人半島をインドだとする、

それを囲むヒマラヤ山脈が(ありえないが、説明なので)90度の直角で内陸に突っ込んでいる、

といえば分かりやすいだろうか?


話が大変ずれた、

戻そう、


「!!、ラシル!!10時方向敵戦車!!見えるか!?」

『すみません!ここからは見えません!!』


ここでも作者の無駄知識発動、

当時のティーガー戦車などの戦車の視界の悪さを知りたい方、

霜のついた車の窓ガラスを指で一つの長方形を作ってやる、

勿論長方形の大きさは当時の戦車の操縦主の座席の窓のサイズで、

これで車を運転してみてください、


※実際にアニメ映画監督の宮崎駿は好奇心でやって警察に『あんた何をやっている』と怒られたエピソードがある、本人曰く『コワイゾ』らしい、


おっと、話が脱線しまくりだ、


「砲塔を旋回させて撃て!基本だ!!命令を速く伝えろ!!俺は今忙しい!!」

『デニン!シトシ!!とにかく10時方向へ!!』

『りょうかーい!』『了解した、』

「クッソー、なんでティーガー系戦車ってこんなにも砲塔の回転が遅いんだ!?(カーン!カーン!カーン!)、この!!早く入れ!!(カーン!カーン!カキーン!!)、よし!」

ハンマーを車体側面のフックに戻し、

キューポラーに必死に這いずり込む、


「敵戦車、まだ動いてないな、撃てぇ!」

『ボウッ!!』


『グワッ』


敵戦車の砲塔が爆発の力で上空へ跳ね上げられる、


「曳光弾いい具合に照明になってくれてる、今のうちに敵戦車をやるぞ、」

「「「「「「はい!」」」」」」


この言葉、

つまり宣言通りに、エルンはこの戦いでトップスコアの38両を叩き出した、

敵の技量が確かになかったこともあるが、

それだけではこの数字をたったの4時間の間には出せないであろう、

後のこの戦いは『アーパ山脈周辺森林盆地遭遇会戦』と呼ばれるようになった、

ちなみに最後は、

ダッチランと共和国の駐留軍の重戦車が駆けつけ、

片っ端からエルベニアの戦車を駆逐して行った、

いわゆる、『サーチ・アンド・デストロイ』だ、


帰ってからも休暇がもらえるわけでもなく、

車庫入りして直ぐに修理にかかる、


前にも言ったが砲塔は後ろを向いている、

※もう一つの理由は前席の上部ハッチがないために砲塔のハッチ、キューポラではないもう一方のハッチ、から乗り降りする為でもあるのだ、


今回の修理は意外と時間がかかりそうだ、





次回へ...



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