第四話
夜通しの整備が功をなしたのか、
ポルシェティーガーは未だ駄々をこねていなかった、
先日の戦闘は明らかに大八洲国内での戦闘であり、
隣国の新生エルベニア皇国の戦車隊であることも判明、
町はこの話題で今持ちっきりだ、
何時また第9地区や第8地区で戦闘が起こってもおかしくないぐらいに現在両国はピリピリしている、
通りで昨日は大通りを使用してまで戦力を集めたのかと思えば昨日の大通りの状況に納得が出来る、
そして俺たちは空き家の二階に今いるが、
「戦車整備よりこっちを優先すべきだったな、」
今頃後悔したってもう遅い、
蜘蛛の巣の天国となっているこの二階の掃除は何故か女子たちが怖がるので無理矢理押し付けられた仕事だ、
※女子は基本的に虫が嫌いです、分かってあげて!
蜘蛛の巣を愚痴愚痴居ながら木の棒で巻き取る、
全て巻き取った頃には綿菓子のようになって居たが、
そうやって黙々と掃除を続けた事およそ3時間、
何も無い部屋が漸く綺麗になり、家具の搬入を始める、
この家具はいつも明るい商店街の家具屋から貰った物らしいが、
「ちっとばかし高級すぎないか?」
漆塗りの表面が光沢を放つ、
程よく焼けた茶色であり、
その高級感溢れた家具を一つ一つ二階に運ぶ、
漸く、
家具の設置も終わり、
第675特別戦闘組の旧設備から持ち込んだ通信機材も設置が終わる、
ここは、エルケンバルトの住む場所と同時に、第675特別戦闘組の本部ともなっている、
そして、
作業が一通り終わると何処の国でも同じである、
全員で買出しに出かけ、今夜の打ち上げの準備をする、
陽気な商店街で、個々の店から実に様々な呼び声が聞こえる
『ヤスイヨ!ヤスイヨ!オ魚一匹125シャンダヨ!』
『リンゴハイカガ!一つ50シャン!』
『オクサン!御似合イデスヨ!ドウデス?御一つ?』
『コレハ南ノ浜カラ直送シテモラッタ蟹ダヨ!』
『御客サン中々目付ケガ良イネ!』
日本の商店街以上に盛り上がっていた、
客が往来し、店主が懸命に呼び込みをする姿は何処か懐かしさも感じる、
「とりあえず、こんなもんか、」
ここからは、
料理駄目駄目な作者のため、
料理解説は申し訳ありませんが省かせてもらいます...
『ブーブー!!』
部外者はだまらっしゃい!!!
「...なぁ、外で乱闘が起きている気がするんだが?」
「あれは絶対作者ね、気にしないほうが良いよ、」
コンコン、
と扉が鳴り響く、
「はい、あ、元帥!?」
ラシルが素っ頓狂な声を上げる、
なお、その後方では作者と一般市民が死闘を繰り広げてるのは別の話だ、
「全く、君の組にはいつも肝を抜かされる、エンペラーからの手紙だ、じっくり読めよ?間もなく相手が本気で此方を攻めようとしているのだからな、」
そう言って、
ブルース・ウィリス似の元帥は懐から手紙を出し、
その場を離れた、
「ん?」
エルケンバルトが気になったのはその後ろの人物だ、
決してその後方で一般市民相手に死闘を繰り広げてる作者ではない、
「...何処かで見たことがあるなぁ、」
気になる人物は、
元帥の後ろを付いていき、
漆黒の高級感溢れんばかりの大型自動車に乗り込む
「さて、始めようか?」
「「「「「イエ~イ!!!」」」」」
ここで漸くエルン(エルケンバルトを略して『エルン』)は組の全員の名前を知ることとなった
ラシルがそれぞれを丁寧に紹介していく
「彼女が私の参謀、アニン、組の第一戦闘員よ、階級は兵長、」
「宜しく、」
「その隣、アニンの妹で、組の第二戦闘員のデニンよ、階級は上等兵」
「お願いしまーす!」
「その横、狙撃の名手のシトシ、第三戦闘員で上等兵、」
「始めまして、」
「我が組の情報屋、第四戦闘員のクチン上等兵、」
「ウィース!」
「そして、第五戦闘員、チョッと謎な彼女はミオシ上等兵、」
「...」
と、
総勢6名の女子と一人の男子がコタツを囲んでいる、
「良く6名で頑張ってこれましたね...」
「運が良かっただけです、それに少人数ですと動きやすいんです」
その後は予想通りとも言うべきか、
笑談が花開いたり、世間話だったりと、
たいそう盛り上がったのは言うまでも無い、
それに比べて、未だに路地で一般市民相手に本気で死闘する作者は一体何がしたいのか、
この日も、
平和に夕暮れを迎えれたエルンだった。
次回へ...