第二話
泥道を進む一両の戦車、
未だにそのサスペンションなどは悲鳴を上げていないのは奇跡なのか?
いや、
エレファント重駆逐戦車の例を見てもらえば分かると思うが、
エレファントは65t、ポルシェティーガーはそれよりも軽い57~59t(戦闘重量)である、
一昔前まではこのエレファント重駆逐戦車は戦場では全く役に立たなかったと言っているが、
つい最近は資料が見つかり、大奮戦していたことが判明、
壊れた理由も、地雷、歩兵による襲撃、その襲撃で壊せた車両も一両のみ、
以下ウィキペディア引用、
『用兵側からの評価は大変高かった。7月17日のグデーリアンの作成書類では、多大の損失を出しつつも常に目標を達成したと述べられている。3線陣地を5km進出し突破したものの、歩兵が砲撃に阻まれ後続できず、突破をさらに拡大する予備戦車もなかった。7月25日、大隊所属の指揮官の評価では突撃砲に並び、最高かつ最強の兵器であると報告されている。
反面、足回りのゴム部品や履帯の消耗が早く、発電用エンジンの出力不足と寿命の短さ、エンジングリルから飛び込んでくる弾片や泥などが原因で電気系がショートして炎上する問題が報告されている。7月25日のフェルディナント・ポルシェあての報告では、500kmを走行して懸架装置のトラブルは見られず、壊れたものは地雷による破損であると述べられている。ただしエンジンの故障は多く、バルブ破損、ピストン粉砕、亀裂が入るなどがみられた。これはエンジン出力に余裕がないためであった。
装甲と火力によって敵中深く進出し、地雷・砲撃等で孤立した車輛は、機銃を標準装備していなかったために歩兵の肉迫攻撃を受けやすかったが、動けなくなった物をKS式手投げ弾(手投げ焼夷弾)で炎上させるならまだしも、生きているフェルディナントを肉迫攻撃だけで倒したケースは、わずかに夜間に奇襲された1件のみである。ただし、車体機銃や同軸機銃といった対歩兵武装の欠如は問題視されたようで、「エレファント」では車体前部に機銃が増設されている。
特に、地雷などによる足回りへの被害で行動不能になると大重量から回収が困難となり、むざむざ修理可能な車輛を自爆・放棄することとなり、ポヌイリ駅周辺の戦闘では地雷原により第654大隊の所属車輌多数が失われた。にもかかわらず敵戦車との戦闘で損傷したものは、近距離から7輌のT-34と4門のZIS-3野砲の集中射撃で車体下部側面を撃ち抜かれた1輌(車内で爆発していないので修理可能であったが、結局放棄された)以外記録されていない。』
と、
高評価であり、
モーター駆動も意外と調子はかなり良かったらしい、
そのエレファントより10t程軽いポルシェティーガーは勿論のこと、
意外にも故障は少なかったのだ、
「...何でだ、こうも故障が少ないと不安なんだが...。」
説明しただろうが、
ちゃんと人の話を聞け、
「以外とスピード出るんだね、」
何しろ現在は最大速度目一杯の35kmで森林を走っているのだ、
ドイツ軍主力のIV号戦車は38kmは出せる、
おまけに今回のポルシェティーガーの砲塔天井部には、
恐らく改装の際につけたのであろう、
内装型の近接防御兵器が後付けされて居たのだ、
元々所持していた第653重駆逐戦車大隊には悪いが、
この機能を使わせてもらおうと思っている、
おまけに、
男臭い戦車に今女子が一名乗っているのだ、
おっと、紹介が遅れた、
彼女はラシル、年は俺と同じ18、
俺は徴兵少年兵でベルリンの戦場で死んだのは記憶に新しい...
ちなみに彼女は軍属で『第675特別戦闘組』の組長をしているらしい、
組は軍隊の中でも最小の単位であることをここに記す、
階級は伍長、バリバリの下士官である、
しかもその下士官の中でも下のほう、
下士官には三つの階級があり、
曹長、軍曹、伍長の順で、
曹長が一番下士官の中ではえらいのだ
※ちなみにお前は少尉だ、
「ここよ、止めて」
ブレーキをゆっくり踏み込む、
そうでもしないとブレーキが摩擦で擦り切れて、
いつか取り替えなきゃならなくなるのだ、
これが実に面倒である、
おまけに消耗品のため、そんなには安易には壊したくない、
「皆!出てきていいよ!」
大きな頑丈な石造りの家、廃墟に向かって叫ぶ
『駄目です、組長、敵の戦車隊が直ぐ傍を通っているんです、』
「車種は?」
『リエンカン中戦車です、』
調達したヘッドギア(戦車兵仕様)を使い大きな廃屋の向こう側の様子を、
懸命に聞き取る
「ねぇねぇ、写真ある?」
すかさずエルが聞く
「これよ、」
そう言って差し出されたその写真には見覚えがあった
「...T-24、赤の野郎のじゃねぇか...。」
装甲は厚くても20mm、
こんな奴の為に56口径8.8cmKwK36は使いたくない、
おまけに速度も25.4kmとお世辞にも速いとはいえない、
「隠れてやり過ごすか...」
「ねぇ、あなた確か戦車で戦った経験あるよねぇ?」
「あぁ、III号戦車だったが、少年兵に戦車任せて、撃破されたら責任を取って歩兵に、正直キツかったな、」
「じゃ、貴方、戦車長って、出来る?」
「出来る出来る、経験済みだもん」
「じゃあ、頼むね、皆、廃墟の裏側に私が乗った戦車が居るから速く気付かれずに降りて来て」
『了解しました、おい、速くここを出るよ!』
ヘッドギアの向こうでドタバタと言う音が聞こえる、
「どうする、車内の突撃銃を使うか?小銃じゃ心もとないだろ?」
「そうさせていただくわ」
そう言って、
座席の突撃銃をラシルに渡す
砲塔には二つのハッチが有る、
一つはキューポラ、いわゆる戦車長の座る座席で、
周りの状況を確認できるようになっている、
もう一つは、乗員が乗り降りするハッチで、
今はこれが開かれ、キューポラから身を乗り出し、
エルケンバルトが相手にもわかるように大げさに手招きをする
「こっちこっち!!早く!!」
第675特別戦闘組の残りの女子、
5名が砲塔内に消える、
急いで操縦席のラシルがエンジンを掛けようとするがこれを一声で制する、
「まて、包囲された、今動いたら集中砲火を受ける」
車内の全員が黙り込む、
外では歩兵がなにやら筒状の物、手榴弾を持ち此方を包囲する、
『ヤイ!出テ来イ!蛮族メ!』
メガホンのような物、
拡声器で投稿を呼びかけるデブな相手の司令官、
「嫌なこった、おい、合図と共にエンジンを掛けろ、」
エルケンバルトが内装型の近接防御兵器にS-マインを装填する、
打撃機構をコッキングし、引き金に手をかける、
「3秒待つ、それでも撤退しない場合は、...」
呟くと同時に心の中でカウントダウンを始める、
「(3、2、1、)、」
カチリと引き金は引かれた、
ポンと飛び出したS-マインが空中で勢い良く弾ける、
すかさずもう一発装填しコッキング、そのまま引き金を引く、
『オノレ!ヤリヤガッタナ!ウテ!』
その周りに居た歩兵が筒状の物を構える
「ありゃぁ、アメリカの60mmバズーカだ!!」
『バスッ』
発射音と共に、
正面装甲に衝撃が走った
「そんなもん効かんよ!正面装甲200mmだからな!!」
キイイっとモーターが唸り、
ポルシェティーガーの非常に重い車体を動かし始める
「前方に石橋!組長!!」
「落ち着いて、エルンさん!!」
「...、このまま行け、石橋に乗ったら、合図を出す、」
キューポラからは後ろを敵戦車が追いかけて来ているのがよく分かった、
ガッと衝撃が伝わり、
石橋に乗ったのもよく分かった、
「今だ、急発進しろ!」
この一言を合図に、
ラシルは操作レバーを思いっきり前方に倒す、
エンジン音とモーター音が交じり合った不思議な音を後部の喚起口からエンジンの熱気と共に吐き出す、
音は『ガルパン』を参考に、
ガガガッと言う音が車体の底から伝わってくる、
「よし、うまく崩れたな」
ガラガラと石橋は要石をなくし崩れていく、
相手の戦車隊は無駄と分かっていても、
その45mm砲をバカスカ撃ってくる、
「石橋直るまでこれ以上は来れないな」
そう言うと、エルケンバルトがキューポラのハッチに中に潜り込み、
砲塔に潜り込み、ハッチを閉める、
これからの道のりは、
現在居る第9地区より、南の首都が存在する第1地区に向かわなきゃならないそうで、
途中、第6地区を横切りことになるのだ、
ってか、そんなことは気にしてない、
その首都に着いてからの俺の運命が、
非常に不安だ、
次回へ...