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第十三話


この日、

爺さんを引き連れて、

俺たちは町の祭りにやってきた、

懐かしさ込み上げる田園風景を、

貨物運搬用の側車付き自転車改装式サイドカーで走り抜ける、

勿論、漕ぐのはエルンで、

側車に乗れなかった4人(デニン、シトシ、クチン、ミオシ)が乗ったリヤカーも繋いで居る為、

結構重労働だ、

なんせ、自分も含めて合計8人も乗せて居るのだから、

泣くしか無い、


「つ、着きました…」

そして、

彼は燃え尽きた、


「だ、大丈夫ですか?」

「燃えたよ…燃え尽きた…真っ白にな…」

「若造ーッ!!死ぬなーッ!!」

ここで、

この『無名歩兵員異世界奮戦記』が、

終わるわけが無い、

とりあえず、作者の権限で復活させておく、


今回持参した芝刈り機は工場の近くに置いてあった、

さびた旧式芝刈り機、

外見は小さなトラクターの様な感じ、


ちなみに爺さんはこれをたった3時間で直し、

半日で改造した、


やっぱり爺さんは凄かった…


「よし、おいエルン!エンジン掛けるから手伝ってくれ!」

芝刈り機の座席でガソリンタンクの開閉レバーを引く、

残念ながらこのエンジンは手回し式だ、

回す為のハンドルを、エンジン側面の穴に突っ込む、

爺さんの『今だ回せぃ!』の合図で力一杯回す、

ボンと言う音と共に、エンジンは元気に回り出した、

しかし、爺さんは、


「…うむぅ~、やはり二番のプラグか、少々心配だな…」

と、

早速凄技を発揮、

これには周りに居た人が全員びっくり仰天、そんな事つゆ知らずに爺さんはエンジンを止め、

プラグを交換し始める、


ちなみに今回のレースは爺さんがのる、

と、言うよりも、五月蝿かったので許可した、


しかし、

この判断は正しかったと後で認識する、


愈々レースの幕がおろされた、

見張り櫓の鐘が鳴らされ全員一斉にスタート、

爺さんの芝刈り機は前輪駆動式なので、

前輪が泥をまるで船が作る波の様にはね、勢い良く走り出す、

ここでただ平凡なレース実況しても視聴者受けが悪いかもしれないので、

とりあえず、爺さんが一番苦労した泥道の状況を話す、


既に前輪は半分が泥に埋まり、

後輪は姿が見えなかった、

そんな状況を、エンジンはうねりを上げながらもひたすらゆっくりと誰もが突き進む、

既に操縦技術は要らなかった、

気持ちの半分は既に根性が占拠して居た、

まさに、泥まみれの爺、

埋れた後輪を前輪駆動で引きづりながら、

ゴールの紅いテープを目指した、誰の為でも無い、

自分プライドとエンジンちゃんの為に!!


「爺さん!!爺さん!!」

「う、うぅ、勝ったのか……?」

「勝ったも何も、金賞だ!」

「そうか、……………良かった、(ガク)」

「爺さーん!!」


こうして、

爺さんは慣れないれレースの疲労に倒れた、

表彰式はエルンが代理として出た、






次回へ…



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