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第十話


この日、

ポルシェティーガーとその乗員達は、

南平原の中央演習場に居た、


理由はいたって簡単、

国防軍元帥に御呼ばれされた事は前々回で話したと、思う、

万が一の為にもう一度言うと、

今回の会戦の活躍とポルシェティーガーの見物会だ、

元帥はもちろんの事、技師や貴族も来るのだ、


「久しゅうのう、そちらの活躍は報告でも聞いておる、朕は嬉しゅうぞ」

何と到着して見ると、

天皇陛下まで居るではないか、


これには流石に一同緊張する、

特に元帥、汗が半端ない…。


「こ、この前の様なダックインはやめてくれよ。」

「わ、わかってます、此方でも一昨日は整備に費やして居ますから。」

「じゃ、此方から発動機の専門家を送ろうか?」

「いいんですか?」

「いや、何しろ結構ご年輩だが腕は確かだ、しかしどうも頑固でな、指揮官達から白い目で見られておる」

「…厄介払いですか?」

「いや、人材の避難だ、」

「とりあえず、わかりました、で、ご本人は?」

「後で来る、」

そう言い終わると、

元帥はウィンクを一つし、

足速に特設テントにもどっていった、


その特設テントには天皇陛下も鎮座して居る、


「ら、ラシルさん、絶対に急発進しないで下さいね、」

「は、はい、」

此方では別の意味で気まずい雰囲気が漂う、

初々しいなぁ、


ちなみに、他の乗員は全くこの事について知らない、

当たり前か、


間もなくして、

ポルシェティーガーの空冷式のエンジンが後部換気口から轟音を吹き出す、

そろそろ、魚雷用の流用モーターと本物の大出力モーターとを取り換えたい…


頭の中でそうやって愚痴愚痴とエルンは愚痴る、

不安定な演習場の地面を踏みしめ、

ポルシェティーガーはノンビリと動き出した、


わざわざ走行見物である、

ポルシェティーガーの速度はお世辞にも速いとは言えない、

機動力も結構ノンビリした方だと思う、

軽戦車の機動力が羨ましいと言ったところだ、

しかし、こうやって愚痴愚痴と愚痴る事もまた集中力が発生する為、

あっという間砲射撃訓練場に着く、


射撃訓練場でやる事はただ一つ、

主砲を撃つのみ、


「シトシさん、ど真ん中にやっちゃって下さい、」

「分かってる、任せろ」

そう言うと、

照準器を覗き込み、

主砲の微調整をして行く、


『ボウッ!!』


発砲音と共に、

砲弾が吸い込まれる様に的に当たる、


特設テントからはどよめきが聞こえて来た、

エルンは車内で誰にも気付かれずに微笑し、

心の中でガッツポーズをとった、






次回へ…



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