表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ありあけ幻奇譚  作者: 浜月まお
第十幕 星の乙女
37/51

「何やらどっと疲れたのう」


 このあと合流した清白と雲取は、もちろん、鵺を女性と勘違いした。

 彼らは鵺の頸を拝見する機会がなかったし、わざわざ教えると面倒なことになりそうな気配を察した葛葉が賢明にも口を閉ざしたため、仕方のないことである。


 夕刻になって物部の里から迎えの者が到着し、葛葉たちと親しげに言葉を交わすリッカの姿と、その懐から覗く瑞宝を見て盛大に頭を抱えていたが……こちらもまたやむを得ないことであろう。


「世の中にはいろんな者がおるのう」


「なぁに独り言なんか言ってるのよ?」


「いや何も。物部の里はまだかのう」


「もうすぐそこよ。ほら、見えてきた。ジジババどもが歓待の支度をしてるし、昔語りを聞きがてら、今夜は泊まっていくといいわ。湯浴みもできるわよ」


「……今度は土足で踏み込んでくれるなよ」


 多少恨みがましく言ってみたものの、鵺はちっとも悪びれることなく笑い声をたて、弾むような足取りで先に進んでいく。


「何やらどっと疲れたのう」


 諦めにも似た境地で呟きつつも、丁重に里へと迎え入れられる頃には、早くもこの風変わりな鵺の存在に馴染んでしまったことを自覚する葛葉であった。




続く




リッカ様登場の巻。


ちなみに葛葉の入浴中に踏み込んだのは、怒らせて戦いにもっていきやすくするためです。

プラス、美しいもの好きゆえに審美眼的視線で観察した、といったところでしょうか。決してノゾキ趣味ではありません(笑)


でも性自認は男性なんですよ一応。オネエにあらず!←

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ