少女に何が起こったか
ソファーなんかで寝ていると
比較的黒い犬のドイルと
比較的白いねこのアガサが
協力しあってわたしを起こそうとする
秋の夜長はどこへ行ったのやら
ホームズと冒険を楽しむこともなく
ポアロと迷宮をさまようこともなく
けれど凶悪な事件に遭遇しないでいられるのは
幸運で幸福と言っていいかもしれない
青いのをまいたつもりが
赤い花が咲いたこの夏の朝顔
それでも朝顔にちがいなく
しっかり種をつくってくれる
できたその種で
次の夏に咲くのは
赤い花か
それとも青い花か
あのときの女の子は
いちずに一生懸命で
一緒にいる男の子に
話しかけ続けていた
一生懸命な女の子は好きだ
報われてほしいとも思う
永遠ということはないにしても
一時的にでも
望む相手と
結ばれてほしい
がんばっても
できないものはできないし
出ないものは出ない
できないなりに
出ないなりに
なのかもしれない
不安はある
たくさんある
慣れればいい
そうかもしれない
慣れたからといって
スイスイできるわけでも
ないけれど
前とちがって
イライラがない
それはいい
なんだかいい
ちょっといい
つらさとか
不満とか
感情にこめないのもいい
こめると
なんか
おかしくなる
みっともなくって
ひたすら見苦しい
近くのお寺のたき火のにおい
わたしの鼻が
焼きいものにおいと
まちがえる
あのときの女の子
ちょっぴり
かわいそうだった
一緒にいた男の子
本ばっかり見てて
たぶん女の子のことより
ミステリイ小説に
ココロがいっていた
一生懸命な女の子には
報われてほしいのに
すこしだけ
いい気味
とも思ってしまう




