22, Is Angel Number.(2)
櫨田 暁。
僕は普通の人間だ。
運動神経も普通。
性格も特段陽気である訳でもなく、内気である訳でもない。
どこにでもいる、普通の少年。
ただ、なんの個性も才能も無い、規律に従う事しか出来ない人間。
それでも、僕には特段好きになったものがあった。
それは、文藝だった。
作文は下手でも言葉で読み表せば分かりやすくなったり、話すと難しいが文章に示せば鮮明に理解できるようになったり。
同じ言葉でも、受け取る人のニュアンスが多少違っていたり。
書く人、読む人、話す人、聞く人によって顔色を変える。
僕らには分からないはずがない、ことば。
僕には才能がなかった。
それでも、才能があると錯覚させる。
そんな文藝が、僕は好きだった。
読み書き話し、1人でも十分楽しかった。
だが、人は同じ仲間を見つけたい性なのだ、中学では文藝部に入部した僕。
少しばかり部活に熱が入っている学校であった分、やはり1人ずつの成果は重視された。
そこで何人か同じ趣味を持つ者も見つけた。
読書や創作に熱を入れた時期もあった。
が、2年生の初めてのコンクール準備。
その時にはもう、僕しかいなかった。
若者の活字離れ。
そう実感するには、とても顕著な事だった。
コンクールは断念。
その後も、コンクールに作品を出したことは無かった。
──「お前さ、文章書くだけなのに、なんでマジになれんの?……すげーよ」
何処か凄いと思わせる口振りと表情。
だが、何処か馬鹿にしているようにも取れる。
同じ言葉でも、受け取る人のニュアンスが多少違う。
僕は後者を採った。
中学の3年間、熱を入れた文藝。
時間の無駄とは思っちゃいない。
でも少し、他のことに費やせば良かったと心から思った。
辛く感じる、読み書き話し。
作品は見てもらおうにも、誰の手にも収まらない。
見てもらっていても、理解はされなかった。
やっぱり、才能ではなく言葉が僕を才能であると錯覚させていたのだ。
僕は、文藝を諦めた。いや、嫌いになった。
僕は殺した。僕の大好きを。
中学3年生の3学期、受験、高校に上がったこと。
その後の事はよく覚えていない。
知りたくも無い。
疲れた。
このまま眠っていたい。
……日」〜、「東立日」〜。……』
「あっ、やっと起きた!」
目を擦る僕を見て喜ぶ少女。
陽射しが眩しい。
「ごめん、寝てたみたい」
「いいの!疲れてたみたいだし」
僕らを照らす夕陽は、今日の終わりを告げる。
「今日の景色、夕陽いつもより『綺麗』だったんだよっ!」
ドアが開く。
少女は元気よく降りる。
「じゃあね!」
僕にとって、夕陽はただの色が濃く着いた太陽に過ぎない。
しかし、人々は「綺麗」「儚い」などと、夕陽を過剰に美化する。
ただの太陽でしかないのにね。
青森弾丸旅行、楽しかったです。




