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フェルナンドと帝国の秘密  作者: 宙道
シーズン1
7/15

第六話 へリーネさん



絶対絶命、そんなときだっら。


破壊された塀からとてつもない光が放たれていた。


見てみるとそこには、大きな魔方陣を構える魔法使いがいたのだ。


「精霊よ、我が全てをこの一撃に込めよ。ランサディアマンテ」





辺りの音が一瞬で静まり返った瞬間、魔法使いの一撃が放たれた。


放たれた光の槍は空気を震わせ、凄まじい轟音とともに衝撃波を巻き起こした。周囲の建物の窓ガラスが音を立てて粉々になり、閃光がゴーレムの盾を貫通する。その直後、ゴーレムの巨体は崩れ落ち、地面に激突する音が静寂を引き裂いた。




ゴーレムは、盾を構えて耐える体制を取ったが、ゴーレムごと貫通して行った。


ゴーレムはうごきを止め、ゆっくりと倒れた。





「今度こそやったのか?」


コメルが息を切らせて言った。


生き残っていたのか?僕は自分が今生きているのか、そもそも何が起きているのか分からない。


魔法使いがこちらに走ってきた。


駆け足で駆け寄ってくる音......。


「なんだろう?目の前が暗くなってきてるよう...な」


バタン


俺は倒れてしまった。


「フェルナンド!大丈夫か?おい」


隣にいたコメルの声が遠くなっていく、気づけば無の空間にいた。


真っ暗な中、僕はどうにか我を保とうとした。


「ルナとミレア大丈夫かな?」





……「ここはあの世なのか?」にしては暗すぎる気が


周りを見渡してもただの暗闇が広がっている。


僕は目を細めてもう一度見渡した。


「...ルナ!ミレア!」


二人はなぜか離れていく。


「待ってくれ」


動けない。


突然腹痛が襲った。


「なんかお腹ら辺に圧を感じる...ウッ」





このままだと二人においていかれる。


おきないと!早く...おきないと。





「うわー。...ハア、ハア、夢...だったのか?」





僕は目を覚ました時、暗い空間ではなく病院にいた。


辺りは夕日の光でオレンジに照らされていた。





目が覚めても腹の違和感は取れず何かを感じる。


手を使って体を少し起すと、その正体が分かった。


なんやらルナが僕の腹に頭を乗せて寝ていた。


他の人が来る前にどいておこう。





「あれ?フェルナンド君おきたのかい?」


ルナが眠たそうに話した。





「ルナ!聞きたいことがある、あの後何があったんだ?」


「あの後?わかんない、壁にぶち当てられてから私も記憶がないの」


そういえばそうだった。


家に練り込んでたからね。


今平気にしているのが逆におかしいのだ。


「コメルが言うには、兵士に背負ってもらってこの病院へ運んでもらったとか」


「そういうことだったのか...ミレアは!?」


「隣のベットにいるよ。その包帯まみれになったのがミレアだ。包帯まみれなのは早く治療するためらしい。包帯には治癒の術式が入れ込まれているんだって。しかもあの魔法使いの強力なね」


隣をみるとそこには、本当に顔が見えないくらいに包帯巻きにされたミレアがいた。


「生きていてよかった」


「そうだね、一応私が一番ひどい怪我だったけど1日でなおったんだよ。あの魔法使いに本当に人間ですかっていわれた。ついでに検査する必要があると真面目な顔で言ってきたんだよ。酷くない?」


「僕も検査するのに同意見だ」


「で...しょ...え!なんでそうなる?」


「120杯ビール飲んだ奴が何いってんだ」(大型樽1個分)


「フェルナンドひどい、パーティー抜けちゃうぞ」


「困るのはどっちだ?」


「うっ!...何も言い返せない」


「何をそんなに熱心にかたってるんだ?」





タイミングのいいところでコメルの登場で、ルナの頬は真っ赤なった。


「コメルが来てたの!」


「え!」と僕らは声を合わせて驚いた。


ミレアが喋ったのだ。


実はミレアは起きていたのだ。








トントントン





驚いているのもつかの間、ドアを誰かがノックして入ってきた。


「失礼します、皆さんご無事で何よりです。ルナさんコメルさん、昨日はお世話になりました。申し遅れたのでここ自己紹介をさせていただきます。私はウルティレジス街の大魔法使いヘリーネ・シュミットというものです。よろしくお願いします」


見に覚えがあるなと思えば、昨日の魔法使いだった。


隣にいたコメルが慌てて話す。


「大魔法使いヘリーネ様だと!」


「知ってるのかコメル?」


「知ってるもこうも、この街でその名を知らぬものはいないほどの有名人だぞ。この世にいる最強の魔法使い20人に数えられるほどの腕の持ち主だ」


そんなお偉いさんがなぜここにいるんだ。






「ではでは、本題に移ります。見せたいものがあるので事件近くの兵舎まで皆さんご同行お願いします。」


どういうことだ?。


同行しろと言われたけど、何かやらかした記憶はない。


もしやルナがゴーレムと戦ったことについての調査なのだろう。


戦闘のせいで家がかなり壊されてたからな。


「承知いたしました、すぐ用意しますのでちょっと待ってください」


ルナはそういいつつ。


ヘリーネさんを追い出すように外へ案内した。





「言われたからには仕方ない、それでは準備を始めるか」


そういって僕らは準備に取り掛かった。





ルナが俺に話しかけてきた。


「逮捕しにきたんだよ絶対」


「ルナだから、脱出できるでしょ、あと俺は戦ってないから責任をなすりつけても無駄からね。」


「そんなー」


「冗談だって、それよりルナ。早く準備しろ」





5分が経過した頃であった。




「服とお金を袋にいれてと」


準備完了っと。




パリーン(ガラスが割れる音)





コメルが肩を叩く。


「なんかルナがガラス割って飛び出したぞ」


僕は目を疑った。


ルナはベッドを窓に投げつけ、ワインボトルを両手に握りしめたまま3階から飛び降りたのだ。


「……何してるんだ、あの人?」


「さあな。だが、あいつが無事に着地する方に全財産を賭けるね」とコメルが冷静に答えた。賭け事してる場合か?


「ぎゃー....ワインが~」




コメルの予想通り、無事ではなかった。


衝撃に耐えきれず、ワインボトルは割れてしまったのだ。


運が悪いことに落ちた箇所にヘリーネが待っており、逃げ出そうとしたことがわかり、ルナは縄で縛かれてどこかに連れていかれた。





そんなやつのことは無視して僕、コメル、ミレアでヘリーネさんから伝えられた場所へ行った。


昨日の事件があったところに近づくにつれてたくさんの魔法使いが調査を進めているのが見えた。


荷物を空中に浮かせて運んだり、紙でチェックしていた人もいた。


目的地に迫ると大きな倉にヘリーネさんと縄でしばかれたルナが扉で待っていた。


「助けてーフェルナンド」とルナは叫ぶ


「どちら様でしたっけ?」


つい本音が出てしまった。


「フェルナンドひどい。コメルは助けてくれるよな」


「......バカなことばっかりするけど、かわいそうだからな...今回だけは助けてあげる」


「ありがとう」


そう言ってコメルは縄をほどいた。





解き終わりみんな揃ったら、へリーネさんがしゃべりだした。


「今日きていただいたのこの倉庫にあるものを見てもらうためです。どうぞこちらに」


中に入ると、僕らは手足が鉄のように固まった。


隣にいたルナでさえ足が震える。


僕は恐る恐るその物体を見た。


「昨日のゴーレムだー」


なぜ、ここに!いやそれよりここにいて大丈夫なのか?。


「解析中なの、起動しない程度に復元したんだ」


とへリーネは言う。






ヘリーネさんが扉を閉めようとすると秘書がやってきた。


「ゴーレムの件についてなのですが...少々話があります」


ヘリーネさんは真剣な表情で尋ねた。


「何か分かったかね?」


「それが...術式の痕跡がないのです」


「術式がない?どういうことだ?」


「あくまで推測ですが、このゴーレムは術式ではない何かで動いているようです。我々の技術で再現どころか解析すら困難なものです。どうしますか?」


ヘリーネは慌てて指示を出した。


「このことを上層部にすぐさま連絡して」


「御意。ただちに」

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