第四章 コメルと歴史
次の日。
「フェルナンド起きて、パンケーキ食べたい」
「はい、はい」
朝はミレアにたたき起こされ起床。
宿を出て、とりあえず隣のカフェへ行く。
ミレアに手を繋がれながら、俺たちは隣のカフェへ行った。途中で辺りを見渡したが全てがぼやけた。
俺は本当に起きているのだろうか?そう疑問を抱くくらい、ぼーっとしていた。
「ミレア、ちょっと頼みがある」
「なに?」
「一回僕のほっぺたをたたいてくれ、眠気が取れないんだ」
「やだ」
「なんで、フェルナンドをたたくの嫌」
「頼む」
パチン
ミレアが優しくほっぺをたたいた。
なんか覚めないな。
「あとでルナに頼もうかな?」
「殺されるの?フェルナンド」
「なんでそんなこと言うの?ミレア」
「あの人手加減どころか常識知らない人だよ」
たしかにな、布団を焚火で乾かそうとしたからな。
ルナなら気絶させかねんから。
「お待たせしました」
店員さんが注文したフルーツホットケーキをもってきた。
イチゴと生クリームにシロップをかけた絶品、溶けるクリームに甘酸っぱいイチゴ。うまい。
おかげで目が覚めた。
「おいしーい」
会計を済ませ、宿へ戻る。
712号室ここだ。そっとドアを開ける。
「フェルナンド君、おはよう昨日は色々と迷惑をかけてすまない。今日も....」
ガチャリ
とりあえずドアを閉めてと、ついでに鍵もかけよっと。
「フェルナンド君!開けてって場開けて」とルナは部屋で叫んだ。
ミレアが苦い顔でみつめてきた。
「どうするミレア?閉じ込めとく?」
「ルナだからな、宿を破壊するかもしれないよ」
「それもそうだな、今のことはなしにして。一から始めいよう」
僕らは何事もなかったかのように作り笑顔で部屋へ入った。
「戻ったよ、元気にしてたー。ルナがいないとやっぱり寂しいな」
「お前ら急にどうした?毒でも飲んだか?」
ルナにドン引きされたけど、朝はこんな感じで終わった...いや、終わって欲しかった。ルナが市場で買って欲しい物があると言い出した。急に住所とお金を渡されたの僕は聞くことにした。
「なんで一人で行かないの?」
「さーてね」
「早く言ってくれこっちは忙しいから急いでくれ」
「フェルナンドに買って欲しいの」
「どうせ、ワインだろ。買わないからな」
「なわけないじゃん。ウォッカだよ」
アルコールをあげればいいて話ってじゃないんだよ。
「なおさらだめだ」
「フェルナンドに買って欲しいの」
「自分で買ってよ」
そんなことはさておき、昨日コメルと約束していたことがあったから市場へ行くことにした。
ウルティレジス街、別名商業の街。
シタナ街ほどの魅力的な機械はないが、数十万もの人が行き来する活気溢れる街であった、大陸西にある獣人国家の品や大陸北にある魔族国家の装備といった敵国のものだろうがある。
「白桜帝国の刀はいかがかね。世界最高の切れ味だよ」
ルナが買おうとしてるが、それはおいといて。
アイス3つ買おうか。
「まいどあり。」
「すいません、店主さんここら辺にコメルと言う方はどこにいるんですか。」
「コメル....コメルか!そうだな確かにこの先を進んだ交差点を左で店を構えたはずだ」
「ありがとうございます」
コメルは思ったより早く見つけそうだ。
「フェルナンド、そのアイスちょうだい」
「はいどうぞ」
「あまーい」
ミレアって妹みたいだな。そういえば元気にしてるかな?。
兄貴は今頃出世してるだろうな。
隊長とかに。
「フェルナンドやっときたか」と後ろからコメルが声をかけていた。
「探すのホントに大変ですね、店何個あるんですかここ?」
「ここは武器や装備が売られてるエリアだけど、ここだけで300はこえるな」
300って街3つ分の店舗数じゃん!。
ここで商売するの、本当にきつそうだ。
コメルはそんなところで勝負をしているから、しっかり教えてもらおう。
コメルは店に一度もどっていった
「リベラ!店の留守番頼んだ」
「はーい」
コメルの店をみた感じは武器とかは少なく地図とかをそれてる感じだった。
店から帰ってきたコメルは話し始めた。
「需要と供給?」
「その通りだ。例えば、フェルナンド君、ここに塩が足りない村があるとしよう。」
「塩?」
「ああ、塩だ。そこに大量の塩を運べばどうなる?」
「高く売れる……のかな?」
「その通り。だが、その反対に塩が余っている村ならどうだ?」
「……安く買える?」
「正解。これが商売の基本さ。」
「では質問する、このウルティレジス街に足りないものは何だ?」
「食料とか?」
「それもあるが違う。正解は目新しい物だ。物が溢れていると価格競争になる。勝ち抜いたからと言って値段をあげれない。ここは商業の街、隙があれば誰かが売る」
「言われてみればそうだ」
「しかし新しいものは違う。人気になれば独占状態が続く。仕入先や安全で安定したルートを作るのは時間がかかるからだ。真似する人がでる前に大きな商会にルートを売って別の物を探す。これがこのウルティレジス街での生き残り方だ」
ミレアは目が回っってしまった。
小さい子には難しい話だからな。
「お腹空いたから、何か食べようよ」とルナが提案する。
朝寝坊して、まだ何も食べていないらしい。
起こすのがめんどくさくてミレアとだけ行ったんだよね。
「いい店を知ってるんだ。レストランに行こうか。」
俺たちは西側の街外れへ向かった。
着いたときに僕は驚いた。そこには高さ20mはば15mほどの巨大な塀だったのだ。
塀の上には家や店もあった。
どうやらコメルの言う店はこの上らしい。
メニューが豊富過ぎてどれにするか悩む
「ウォッカに合う料理はあるかな?商人業の街だから取って置きなのがあるだろうな」
となりのルナはまた酒のことばっかり考える。
宿を出る前に水筒の水をワインにされたときはマジで焦ったよ。
「にしてもジャガイモの料理が多いね30はあるぞ」
「ジャガイモと麦はここの特産だからな、街の東側で生産されてるんだ。ジャガイモなどを推奨したのは旧帝なんだ。」
「なぜ農業を?」
「簡単な話さ。ウルティレジス町は元々要塞だったんだ。ここら辺は300年前、20年間に渡る戦争の最前線だったんだ。豊かな森は戦争でほとんど消え失せてしまった。戦争に勝ったのは良かったが、この地は20年間人が住めないほど荒れ果てていた。その後、戦争での食糧難や失業者の大量発生を防ぐために、この地を農業地帯に開拓したんだ。」
「へー、そういうことだったんだ」
コメルは笑顔で「特産品でできたから商人が来るようになり、気づけば商業の街になっていたって訳さ。」
ミレアが西にある遠いの山を指さして
「コメルさん、あの山はなんであんなに凸凹してるの?」と尋ねた。
「さっき言った戦争がここであったからだよ。君たちは300年前の大戦の伝説を知ってるか?」と問いかけた。
「伝説?」
僕とミレアは頭を傾げた。
「伝説によると、帝国軍1万が最大の共和国軍7万に対して戦い、勝利を収めたんだ。」
「それはすごい話だ。そんなに差があったのに、どうやって勝ったんだ?」
コメルは微笑みながら続けた。「当時の皇帝は非常に賢く、勇敢な人物だったと言われている。彼の指揮で兵士たちは一丸となり、巧妙な戦略で数で勝る敵を打ち破った。その伝説は今でも語り継がれている。」
ミレアも興味深そうに「その皇帝はどんな人だったんですか?」と尋ねた。
「彼は非常にカリスマ性のある人物で、兵士たちに絶大な信頼を持たれていた。その戦いの後、この町は帝国の要塞としての地位を確立したんだ」
「すごい人だったんだな」
「まーな」
「そんな皇帝にはいくつか噂がある。皇帝は普段は優しかったが、戦争になると性格が変わったと言われている。彼一人で7万のうち1万は倒したとされ、敵の指揮官を次々と倒していったという話もある。微笑みながら敵を討つ彼の姿は、味方にすら恐れられたという。」
ミレアは興味津々で聞いた
「本当の話なんですか?」
「まあ、あくまで噂だよ」
コメルは笑って言ったが、一瞬だけ彼の表情に何かを感じた。