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フェルナンドと帝国の秘密  作者: 宙道
シーズン2 新たな謎
11/15

第10章


「馬に餌あげとくねー」

コメルはそう言ってもう一つの馬車へ行った。


それにしても馬車の中で座りっぱなしだと、腰が痛くなるな。

まだ腰がいたい。

 ヘリーネさんが、少し首をかしげて俺を見た。

「フェルナンド君、彼女――ミレアとはどういった関係なの?」


 いきなりそんなことを聞かれるとは思わなかった。どうやらミレアのことを気にしているらしい。俺は軽く肩をすくめながら答える。

「二、三週間前に拾ったんですよ。家が見つかるまで保護してあげてるだけです。記憶を失ってるみたいで」


 ヘリーネさんはふむ、と頷くと、思い出したように口を開いた。

「そうか。ところで、彼女が“魔法使い”の称号を持っているのは知っているかな?」


「魔法使い? いや、そんな話は初耳ですが……」

 確かに、最初にミレアと会ったとき、魔法を使って狼を追い払っていたっけ。あれは何か特別な力だったのか? 俺は思わずミレアの横顔をうかがった。


 すると、ミレア本人がきょとんとした顔でつぶやく。

「え……私が魔法使い……なんですか?」


 ヘリーネさんはミレアの胸元に視線を向け、軽く指先で示した。

「魔法使いしか持たない『加護のネックレス』を身につけているからね。ちょっと魔力を注いでみるよ」


 そう言うと、ヘリーネさんはネックレスに手を当てて目を閉じた。次の瞬間、まばゆい光が辺りを包む。

「な、なんだ!?」


 思わず目を細めた俺の前に、天使のように輝く少女がふわりと姿を現した。

「おはようございます! いや~、太陽の光を浴びるのは久しぶりですねぇ。どういったご用で?」


 まるでミレアがもう一人増えたみたいな光景だ。普通の少女にしか見えないが、どうやらこれが“精霊”らしい。光が収まると、少女はにこやかに周囲を見回している。


「これは珍しいな……人間型精霊か」

 ヘリーネさんが感心したようにつぶやいた。


「人間型? それって何か問題があるんですか?」

 俺は気になって口を挟む。すると、ヘリーネさんは苦笑いを浮かべながら首を横に振った。


「問題というほどではない。ただ、人間型精霊はめったに見ないんだよ。普通の精霊は呼び出せば動き、命令すれば実行する……いわば動く機械みたいな存在でね」


 普通の精霊――そういえば、ルナがゴーレム戦で使っていたような記憶がある。

「ルナ! そういやお前も精霊を使ってなかったか?」

 俺がそう呼びかけると、少し離れたところにいたルナが面倒くさそうな顔をした。


「あれか? 折られた剣に付与されてたやつね。あんまり思い出したくないんだが……。あれは剣に仕込まれてた精霊で、私自身が使いこなしてたわけじゃないんだよ。嫌な記憶を掘り起こすな」


「精霊は、魔法使いでなくても扱えるものがあるんだ。高級武具に付与されているケースが多いね。動物やモンスターの形をしたものもあるし、変わり者が作った無機物の精霊なんて噂もある」

 ヘリーネさんが補足するように説明してくれる。


「でも、なぜミレアが人間型精霊を持っているのか……。私が見たところ、王族くらいしか所有していないはずなんだが」

 ヘリーネさんは、ミレアと精霊を交互に見比べながら、首をかしげている。


「つまり、ミレアって帝国の後継ぎだったりして?」

 俺は冗談めかして言ってみた。が、すかさずルナのツッコミが入る。


「なわけあるか、バカナルド。帝国は三百年以上、皇帝がいないんだぞ。『皇帝無き帝国』って呼ばれてるじゃん。代わりに法王が代々やってるらしいがな」


「バカナルドとはひどいな……後で痛い目に遭わせてやるから覚悟しとけよ」

 そう言い返してはみたものの、ルナはまったく動じない様子だ。まったく、いい性格してる。


 ともあれ、ミレアが持っている“人間型精霊”の謎は深まるばかり。王族しか持たないはずの加護を、どうして彼女が持っているのか――。

 俺はちらりとミレアを見るが、本人もわけがわからないようで、きょとんとした顔をしていた。まあ、記憶喪失だし仕方ないか。


パチパチパチ(拍手)


 「いやーそれは大変でしたねー。記憶喪失、大変大変」


ん?聞いたことない声だな。というかいつの間にいた!。思わず声のした方を振り向いた。黒いマントをした少年?剣士のような格好をしている。こんなに晴れているのになぜかフードを被っているのだろう?

しかし、やはり見覚えがない。


「そちら様でしょうか」

「失礼しました、いえ、すいませんでした。では自己紹介をさせていただきます」


フードをおろした瞬間、ヘリーネとルナが構えをとった。なんだこの妙な空気は!

背筋が凍るような悪寒が走った。理由はわからない。ただ、こいつと目が合った瞬間、理屈ではなく"ヤバい"と本能が叫んでいた。


「私は、帝国魔法省親衛隊のグラゼスと言います」


「聞いたことない部隊だな。それはさておき魔法省がなぜここに?」

ヘリーネは、言った。

精霊は耐えられなかったのか?ネックレスの加護に戻った。

しかし帝国魔法省親衛?なんだそれ


グラゼスは不気味に微笑んだ。


「ハハハ。では、私たちに与えられた命令を言いましょう」


なんだこの気持ち悪いやつ、こんなに気持ち悪く感じたのは初めてだ。


「では、言言います。魔法省議会の決定によりヘリーネ一行を排除せよ!とのことです」ニコ


...一行を排除?つまり俺ら全員を殺すと言うことか?なぜ俺ら全員を?いや、そもそも僕らが何をしたって言うんだ。


「ついでにお友達さんの...コメル?だったかな。感がいい人でした、こっそり忍びよろうとしたら、私に短刀で刺して来たんですよ。ひどくないですか?。だから私は、このように痛め付けました」


そう言って手に持っていた目玉を見せちらかした。それだけでなく目玉をなめ始めた、なめるのを止めたとおめば狂気染みた目でこちらを見る。

「これ誰のか?わかります~?」


先ほどからコメルを見ないと思ったら...嘘だろ。

まさか、あの野郎そんな残酷なことを...

思わず僕は怒りが沸いた。


「グラゼス!コメルになにをした?」


「コメル兄ちゃんを返して」


僕とミレアを見てグラゼスは微笑みながら言った。


「ご安心ください、一人だけ旅させるのは、かわいそうと思いまして。生かしておきました。後でご一緒に旅させて差し上げますがね。ダハハハ...まず君たち二人を」


次の瞬間



「アビサルショット」

グラゼスの横から魔法使いが魔法を放った。


とっさにルナは僕とミレアを蹴飛ばし、魔法を避けた。

そのあと馬車を直撃し、粉砕された。



「二人とも大丈夫か?」

「蹴った腹以外は大丈夫だ…いてて」


危なかった、あと10cmズレていたら俺とミレアは死んでいた。

このままだとマズイ、早めに逃げないと。



辺り全体を見渡すと、俺らは囲まれていた。

少なくとも30人入るぞ。


ルナは隙を作ろうと敵に突っ込んだ。


「えーい」


クロマントをかぶった5人を斬った。

続けてへリーネも火の魔法で攻撃した。

「ヴァルフレアス」

攻撃をくらったクロマントたちは跡形もなく消された。

「今だ、またか困れる前に逃げるぞ」

ルナの声で僕らは脱出した。


「逃げてどうするだろー?友達のコメル君は置いていくのか?。まーいいや、すぐに追いつくし別にいいけど」


しかしどうする、そもそもアイツはコメルをどこで拘束してるんだ。助け出そうにも助けれない。

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