表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フェルナンドと帝国の秘密  作者: 宙道
シーズン1
1/15

プロローグ

<銀帝歴736年>


俺の名前はフェルナンド・リベルゴ。

村長の次男として生まれた。

小さい頃から俺は商売に興味があり、店の経理や屋台の手伝いをしていた。

そんなことをしてきたのには理由がある。

それは大商人になるのが夢だからなのだ。

この国には産業がないから誇りに思えない。

隣国から引っ越してきた友達がいつも自国の自慢ばかりしてきた。




10階超えの建物が揃い、電気というエネルギーで動く電車があるだの現実にあるのかと疑うことを言っていた。

うざいから毎回、白目を向くくらい、こちょこちょして黙らせていた。

気づいたら気を失って泡がでていることもある。

流石にまずかったので手加減できるように練習し始めた。

だが私のいるこの国は馬車しか見かけない田舎だ。

新しいものが一つもないこの国は嫌だ。

僕は見たいのだ。

毎日新しい物ができる市場を!夜になっても明かりの消えない街も。

そんな事を長い間心の中でずっと思っていた。


  14歳になった俺は店の用事で隣国に行く機会ができたのだ。

 念願の隣国へ行ける!僕は楽しみで仕方なかった。

 目指すは隣国レナシータ共和国。


 「フェルナンド手伝ってくれ。1週間の旅は長い着替えを忘れるなよ」

 「了解です。店長」

 「これで最後か。よし、行くぞフェルナンド」

 「はい」

 店の馬車で僕らは出発した。

 山や河川をいくつも超えるもまだ着かない。

暇だったので途中でトカゲを追いかけたりした。

親トカゲが出てきて喰われそうになったが何とか馬車へ乗り込んだ。

6時間馬車を追い回され、引き離した後に店長ゲンコツを喰らうった、めっちゃ痛い。


 馬車で出発して一週間レナシータの首都シタナへついた。

 馬車の屋根を退けて外を見ると腰が抜けるほど感動した。

なんと活気溢れる街だろうか!街並みは友達が言った以上にすごかった。


 自動された信号、見たこともないファッション、巨大商店街。

山と勘違いするほど大きな城。

  彼の言った電車はあったものの、それより、驚いたのは空飛ぶ巨大な物体。


「店長、あれ何ですか?」

「あれは飛行船って言って空飛ぶ乗り物だ」


 あの飛行船の迫力は今でも夢に出てくるほど感動した。

人間2人ほどの大きなプロペラが回る音は凄まじかった。

いつか俺の国でもこんなものを飛ばしたいと心に決めた、それまでに商人として成功しなければならない。絶対に成功してやる。



 そんなこんなで街を観光した後、目的の商会に本社向かった。

 



案内され社員と交渉が始まった。


「はるばるここまで来てくださってありがとうございます。例の魔石は見つかりましたでしょうか。」

「かなり苦労しました、国内でもなかなか出回らない品なので。」


  そう言ってスーツケースから取り出したのは頭2つ分もある巨大魔石だ。

  数が出回らないのもそのはず、僕の母国であるルラン魔法王国でも国の管理に置かれるほどの貴重な品だからだ。

  なんで店長が持っているか気になって聞いてみた。

「どこで手に入れたんですか?店長」

「鉱山で働く友達さ、こっそり交渉したんだよ」


「ついにだ!この魔法石でやっと研究が進む。これがなければ実験を中止するかどうか迷っていたほどなんですよ」


こんな工業技術が進んだレナシータ共和国がなぜ魔石を欲しがるのか、疑問に思い聞いた。

機密事項だから詳細には答えられない、だが新型の動力装置を作るためらしい。

聞けば大体の原動力は魔法石らしい。

エネルギーを取り出すのはやり方さえ分かっていれば一般人でも可能だ。



 あの飛行船を作ったのもこの会社らしいから空飛ぶ物を作るのかな?やはりスケールが違う。

 ここで僕は少し不安に思った、こんな工業大国が攻めてきたらあっけなく滅ばされるのではないかと。そんなことを考えていたら店長が話を終えた。


「では、報酬の金貨100をこちらに」

「おーすごい!こんなに金貨をみるの初めて」

「フェルナンドもいつかこんなに稼げたらいいね」

「また、魔法石が必要になったら連絡します」

「研究の成功を祈ります」

「ありがとうございます」


そのまま馬車へ戻り家へ向かった。

国に帰る際に店長に聞いた。

「レナシータが攻めて来たら僕らの国は対抗できるかな?」

「フェルナンド、いい質問するね。確かにレナシータは世界最大級の工業国家である。

 でもな僕らのルラン魔法王国も負けないものがある。それは魔法の技術だ。

結界魔法なんか隕石が来ても跳ね返すほど頑丈なんだ。

攻めてきても結界を破壊できる技術がないから意味がない。

攻めれるもんならせめて見ろって話さ笑」


店長は大げさだなと思ったが言われてみればそうだな。

一度だけ見たことあるが巨大な隕石が隣街の結界に落ちたがびくともしなかったのだ。

僕は母国に誇りを取り戻し、この1日を終えた。

俺はその後も商人になるための知識を積み重ね続けた。

月日が経ち俺は16歳になった、ついに計画を実行する。




商人になるには、まずは行商人になり情報集めが必須だ。

貯めたお金で馬車を買い、商業ギルドへ登録。

需要などの情報はそこで集めれる。


そこで輸送クエストを一つを受けた。

内容は、「馬車が足りずに困っています。護衛も足りていないので、2人組以上が条件。」だそうだ。

護衛はまだいないが冒険者ギルドで雇えばいい話。


続いて冒険者ギルドにいった。。

冒険者ギルドへ行くのは始めてで緊張する。

商人ギルドと違って、建物は大理石で作られ迫力のある石像もたっている。

恐る恐る入った。

しかし予想とは裏腹に中は明るく木材使用した外装であった。


「いらっしゃいませ、どう言った用件ですか?」

なかはあまり人がいなかった。

「登録をしたいのですが…」

「登録でしたらこちらの紙に契約する必要があります。」


ギルドのお姉さんは登録の紙を出して説明を始めた。

契約書は一部を除いて商人ギルドと変わらない物だった。

その一部というのは命の扱いだ。

クエストの際に人権が一部ないとかなんとか。

まー僕に関係ないからいいや。

手続きはおわってついでにと思い、自分の能力を測れる水晶玉で測ることにした。

一般数値が100である僕の結果は。


魔素量100

戦闘能力123

防御力96

体力93

幸運ー30


普通だね。

幸運ー30…表記バグかな?

まーそこら辺はくじのよなもんだからどういいや。表示バグであってくれ。


剣士は戦闘力が1200以上とか行く。

魔法使いは魔素が3000以上だとか。

それは置いておいてここにきた理由は別にある。


それは護衛だ。

商人の基本、道は一人で行かないものだ。

行かないというより行けないが正しいか。大体この国の山に一つの山賊がいるのだ。


治安はそこまで田舎はひどい。

隣町にたどり着く際にまでに山を10は通る。つまりそれまでに10もの盗賊の縄張りにはいるのだ。

護衛を着けない商人は彼らにとって机の上に出されたチキンのようなものだ。


護衛をつけなければ移動さえできない。

だからおれはその護衛を雇うためにきた。


「護衛の募集を頼みたいのですが、できますか?」


ギルドのお姉さんに聞くも頭を横に降られた。


「今は、冒険者の皆様はA級モンスター討伐に駆り出されているのです」


実行初日で計画は摘んだ。

冒険者がいない!

そしたら町を出ることすらできないじゃないか。

落ち着けいフェルナンド、1日遅れたとこで問題はない。


「店員さん、冒険者たちはいつぐらいに帰りますか?」

「一週間はかかるでしょうね」



わーなんてついてないんだ。

幸運は表示バグではなかったのか。

えっどうしよう輸送依頼ができず罰金貸される。

マイナスだけは避けたい。




ドン。


ドアを激しく開ける冒険者。

振り向くとそこには赤の装備を纏う美しい女性剣士が登場した。

装備を見ればただ物ではない感が半端ではなかった。

ぜひ仲間に入れたいほどだったのだが。

私はつい店員さんに「あの人を雇えないでしょうか?」といった。


「構いませんが、本当に良いですか?」と心配される。



「あれほどオーラが溢れている方を放っておく子とはあり得ない、ぜひ彼女を...」


私は夢を見ているのだろうか?

堂々と強者感あふれる登場した彼女が、はなじを出しながら地面で気絶しているではないか…。


「彼女はドジすぎてどのパーティーにも入れてもらえず、困っているらしいですよ。」


「もう5日もろくな物食べてない」


さっきの俺が恥ずかしくなった。隠れ穴があればそこに入りたいくらいだ。


店員さんが良い提案してきた。

「ドジとはいえ装備もいいし、一応剣士なので山賊を寄せ付けない程度には活躍すると思いますよ」


取り敢えず剣士を店で奢ることにした。


「美味しい」と豪華に食べている彼女はルナ・リベラ・グルナー。


なんで5日間、なんも食べてないか聞くと、これまでの経緯を話し出した。


最初は順調でどこのパーティーでも欲しがる最強剣士だったのだが、酒癖がついちゃってクエストどころでは無くなっていたらしい。


見捨てられた後パーティーを転々としたものの、同じミスを繰り返し、ついにどこも入れてくれなくなったらしい。かわいそうに


話を聞いて正直雇うのをやめようか迷った。


役に立たなくとも装備だけは一流だから、魔除けぐらいにはなるだろう。


今まで貰った報酬はどうしたのかと聞くと、ワインに全て使ったとか。

金なさすぎていま大屋に取り押さえられてるとか。

どのくらいのワインを抑えられてるかというと300本らしい…。


酒場より多いじゃないか。


80年ものなどもあるからから、少なくとも金貨10枚はくだらないだろう。(馬車を二つ買えるお金)


「それを売ればすぐ取り返せるのになぜ売らなかった?」

「売ったらもう手に入らないじゃん」


こいつ救えないや。



まーいろいろ話して衣食住の代わりに護衛についてもらうことになった。


節約できてよかった。とその時は思った....。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ