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始まり

カチンと軽い金属音が狭い部屋に響き、ジュっと暗闇の中で小さな火が灯った。

火を中心に周りが少し明るくなる、紙を丸めて筒状になった物が、人差し指と中指に器用に挟んで男が咥えていた。


筒の中の空洞部分には乾燥した葉っぱがぎっしり詰まっているが、後端部分には木材と石油を半合成繊維したアセテートが詰められいる。


紙の先端に火を近づけ息を少し吸う、葉っぱがジリジリと燃え始め指で挟んでいた紙を口元から離し男がふぅーと煙を口から吹き出していく。


葉っぱが燃え尽きた所は灰になって先端に留まり、後端に近づくようにジリジリと葉っぱが燃えつづけている。


「やっぱ不味いな」


吹き出した煙には独特な苦味の風味が付いていて、つい男は口から言葉を漏らしていた。


右手に持っていた火を灯す角が丸まっている長方形の金属を机に起き、2度3度と紙を咥えて吸って吐く。

時計の長針が5周ほどした頃には、紙の後端付近まで葉っぱが燃え尽きていた。


机の上にあるガラスで出来た丸い皿の中に、紙の先端を擦りつけ火が消えていく。

残った後端部分はガラス皿の中に捨て、男は時計を見る。

[23時56分]大きな息を吸い肺に空気を送り込み肩を下ろしゆっくり息を吐く。「必ず助け出す」


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【一章その1 起床 】


桁まましい音が鳴り響く、目覚まし時計の不可能の速攻により、夢の世界から現実世界に叩き起こされたのだ。


怠い体を起こして、鳴り響く目覚まし時計を解除する。

ふぁ〜と欠伸が出る、十分な睡眠が取れておりず身体が睡眠を要求しているのであろう。


ベッドから体を出し時計の時刻の確認をする、7時30分この時間に起きるのがベストである。

つーかこれが限界これ以上寝ると学校に遅刻する可能性が高い。

8時半に学校の教室に入る事が出来れば、遅刻は免れる朝起きて着替えや準備に30分、学校に着くのに25分、起きるのがベストとは言ったが正直ギリギリだ、

などと考えてる内に2階から1階に階段を降りてリビングに到着していた。


包装された袋に付いてる留め具を外し食パンを一枚取り出し、オーブントースターで食パンを温める。

温めてる間に食器棚から皿、冷蔵庫からジャムを取り出し、ソファーに座りリモコンでテレビを付ける。


ニュース番組のお姉さんがテレビ画面に映った。


[[2016年日本列島の大半が急激な海上上昇から、はや10年の月日が経過が致しました。

人口は400万人まで減少し日本の面積は東京都の3分の2までしか存在していません。

政府は陸上面積拡大の為【陸上総拡大復帰計画】を実行すると発表されました・・・]]


チーンと音が鳴る、食パンが焼き上がったのだろう。

オーブントーストからパンを取り出し、準備していたお皿の上に食パンを乗せジャムを表面に塗りたくる、スプラなトューンのように、わかばシューター並に塗る。


ふとニュースの内容を思い出し呟く。

「陸上総拡大復帰計画か」

急激な海上上昇から10年も経っていて政府が今まで何もしてなかったわけではない、過去5年前や3年前にも同じ様な計画をして、失敗している。


陸上面積を拡大していっても3日目には原因不明の海上上昇が発生し海に沈んでいく、専門家もお手上げの様だ。

当時俺だって1度目は喜び、2度目は期待していた。

しかし結果は失敗の2文字、3度目となると無理だろと思ってしまうのは仕方のない事だと思う。


などと考えてる内に食パンは食べ終わり、歯磨きや制服の着替えその他諸々の準備をし玄関に向かう。

時刻は丁度8時いつも通りだ、ドアを開け外に出るしっかり鍵を閉めて学校に向かうのであった。


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