darkgame-teamC end
平治と修平は、あちこちを見て回る。しかし、どこにも出入り口らしいところは無く、この墓場が、延々と続いているような気さえした。
「・・・なあ平治。」
「なに?」
修平の声に気がついたのか、平治はまっすぐ前を見ながら返事をしてきた。
「さっきから、ずっとまっすぐ歩いてんだけど・・・。出入り口だけじゃなくて、この墓場の終わりが見えてこないんだけど・・・。・・・・・・なんか気味悪りぃ。」
平治はそれには何も答えなかった。平時の顔は少し緊張気味だった。
この墓場は、こんなに広くなかったはずだ。確か端から端まで歩いて5分ぐらいだった。それでも結構時間がかかるぐらい広いが例え夜でも迷うほどではなかった。それが、未だに同じお墓がずらりと並んでいるばかりだ。
・・・。修平はだんだん不安になってくる。
「いったいどんだけ広いんだよ・・・。平治走ろうぜ?」
「ん?あぁ。わかった。」
そして、二人は走り出す。しかし、平治にある異変が起こり始めていた。
「平治、お前ってそんなに足遅かったか?」
平治は汗を拭った。
「へ?そんなわけないよ。」
「そうか?じゃあもう少しペースあげようぜ?」
「な、なに言ってんだお前。これがもう限界だよ・・・。」
「・・・なんかおかしい。」
「おかしくないって!・・・はぁはぁ・・・。」
いつの間にか平治の荒い息が聞こえてくるようになって来た。それでも一向に、墓場の外へはいけない。修平は危険を察知した。
後ろに、何かが追いかけてくる。それは人間のようにも思えたが違うような気がする。平時の為にも少し休ませるべきか、それとも後ろの何か危ない存在から逃げるべきか・・・。
修平の判断はこうだった。
「平治!逃げるぞ!!」
「はぁはぁ・・・。な、なにいってんだおまえ・・・。はぁはぁ。」
もうピークに到達しかかっているであろう平治は後ろを振り向いた。その途端、平治は目を大きく見開いて、余計息を荒げる。そのときの平治の目は恐怖一色だった。何か恐ろしいものを見たような目でもあった。
その様子を修平は見て、修平自身もそれを察して、足を速めた。
「ま、まって!!!!!!ゲッホゲホ・・・。」
平治はパニック状態に陥った。
修平は立ち止まって勢いよく後ろを振り向く。心臓はバクバクだ。
「タスケテーーーーー!!!!」
修平は、ゴクリと息を呑んだ。
修平が見たものは、平治が地面から生えている普通の手によって、引きちぎられる地獄のような光景だった。引きちぎられた肉の塊は生々しい血を残し、地面の中へと消えていった。
続いて、ゾンビのような老人が現れる。
「だ、誰だ!!」
「フフフ・・・。オマエガシルヒツヨウハナイ。ナゼナラ・・・」
「な、なんだよ!言ってみろよ!」
そのゾンビのような赤く目を光らせている老人は、不気味に笑って、修平の足元を指差す。
そして、こう言ってきた。
「ナゼナラモウスグシヌノダカラナ。」
「い、いやだあああ!!」
「アキラメロ。フフフ・・・。」
修平は狂った。そしてわけの分からないような言葉を発しながら、暴れている。修平の足には、普通の手ががっしりと修平の足をつかんでいた。
それを必死ではずそうとする。しかし、それは無意味な行動だった。
すぐに修平の両足が切断され、鮮血が飛び散った。そのとき、尋常ではない痛みが走った。
・・・もう、修平は抵抗しなかった。
「コノゲームヲツクッテクレタアノオカタハマダコドモナノニスバラシイ。」
意識を失う直前にゾンビのような老人は赤く目を光らせて、謎の言葉を発していた。
その後、プツリと修平の意識が無くなり、冷たくなっていった。