darkgame-teamB end
「そうじゃ。ムカシ、この墓場はアルギシキがオコナワれていたんじゃ。」
今太郎の声に変な声が混じってくる。
「だからなんだよ。おれはそれが知りてー。」
今太郎は語るように話し出した。
「ソノギシきで行われたのはなぁ、生きたままのある男の手を切断して、ツちのナカニウメて、その男も一緒にウメラれた、というものなんじゃ。」
「なんのために?」
「その男の人が悪いことをシタから、キット死刑にされタンジャロ。」
「それで?」
「・・・その男の霊が今でもヨミガエロうと手と一緒にこの墓場でうろついているラシインジャ。」
浩司は笑ってしまった。
「そんなわけねーだろ!プッハハハ!!!!」
「ソレガナあ・・・。」
今太郎はかまわず話を続ける。その顔は笑っていた。浩司よりも。
「ソノオトコトイウノハナア・・・。」
浩司が笑うのをやめた。
「なんだよ、いってみろよ。」
「フフフ・・・。」
今太郎は笑う。浩司は少し怖くなってきた。ありえない。幽霊なんて、幽霊なんて!!
浩司は今太郎の方を向いた。すぐ隣にいた今太郎は、いつの間にか姿を消していた。その代わりに、老人がいる。手が無く、内臓が見え隠れしていたり、所々、血が吹き出ている。その姿に、浩司は吐きそうになった。
「ワシナンジャヨ・・・。」
「だ、誰だお前!!」
もう今太郎は、ここにはいない。この化け物は今太郎ではない。
「こ、今太郎をどこにやった!!」
「フフフフ・・・。」
化け物は真顔になった。その顔は、笑っていたときと同じくグロテスクだった。
「や、・・・やめ・・・やめろ!!!!!」
浩司は後ずさりをした。足が震えだしてきている。そして、手も指先から、ひじまですべてがこわばっていた。
「コンタロウハコレカラスコシアトノジョウタイトオナジスガタニナッテネムッテイルジャロウナァ・・・エイエンニ。」
今太郎は近づいてこなかった。今のうちに逃げようと思った。そして、足を、震えている足を、反転させ走り出そうとする。
しかし、何かにつまずき、転んでしまった。
化け物はフフフとまた笑った。
「オマエモモウジキネムルノジャ。」
浩司は足に目をやる。そこには、普通の手が・・・・・・自分の足を掴んでいた。
「い、いやだ。いやだ。いやだああーーーーー!!!!」
「オヤスミ。」
地面から生えている普通の手は浩司の足をまるで、握りつぶすかのように、力を強めていった。浩司の足に激痛が走る。その痛みは尋常ではなかった。足がゴリゴリと音を鳴らす。
「わああああ!!!!!」
浩司の足は切断され、そこから、血がドクドクと流れてくる。次に普通の手は浩司の手を掴んだ。浩司の脳裏にいやな予感が過ぎる。その予感は、見事に的中した。手は、足より短い時間で、切断され、そこからも血が出てくる。
今度は、普通の悪魔のような手は浩司の首を掴んだ。浩司はもがく。しかし、力の差は歴然としていた。普通の手に力が入り始めている。
浩司は、薄れ行く意識の中で、こう思った。このヤミノゲームをした罰だと。
遂に、浩司の首は切断され、浩司は逝ってしまった。
老人は前回よりも、幾分よみがえった。目が完璧に元に戻った。これで、目が使えるようになり、獲物を見つけやすくなった。
老人は前までは、音で獲物を探していた。だが今度からは目が使える。それは、それだけ早くよみがえることが出来るということでもあったのだった・・・。
そして、この時、墓場のどこかで今太郎はぐちゃぐちゃになっていた。