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darkgame-teamA end

 さっき振り向いたときに確かに何かいた。赤い光のようなものがこっちをにらんでいるように見えた。そして裕也がやられて、これはもう絶体絶命だ。

「ぜえぜえ・・・。」

 洋平は息を切らしても尚、走り続けていた。ここで立ち止まったら終わり、というような気がしてならない。もうろうそく探しのことなど頭の外に追い出してしまっていた。その代わりに、さっきの赤い光のようなものが頭の中に入ってきた。

 何度も立ち止まろうと思った。しかし、立ち止まれない。

 誰か助けてくれよ・・・、と叫ぼうとしても息を切らしていて声が出ない。

「うあ!!」

 不意に洋平は転んだ。何かにつまずいたようだ。しかしその何か(・・)を見た瞬間、体が硬直してしまった。洋平の目に映ったのは、手だった。普通の手だった。しかし、その普通の手が地面から生えていて、洋平の左足首をつかんでいる。

「や、ヤメテクレーー!!!!」

 声が出た。息が切れて何もしゃべれないはずなのに大声が出せた。その理由は簡単である。洋平は必死だったのだ。

 洋平は地面に吸い込まれるようにして引きずり込まれていく。手で負けずまいと必死に抵抗するが力の差が歴然としていた。

「ア、、・・・ァァ・・・。。。」

 涙すら出せない。どうやら、もう泣く力さえ残っていないようだ。

 そしてその数秒後、ついに、洋平はこの世からどこかへと逝ってしまった・・・。


 裕也は洋平が引きずり込まれている光景を見ていた。いや、見てしまったというほうが適当だろう。

 さっき、悲鳴を上げたがあの時は墓石に足があたって悲鳴をあげたのである。それなのにもかかわらず、洋平は走っていってしまった。それを必死にして追いかけていたらこんな現場に出くわしてしまったのである。

「洋平・・・。」

 裕也はそうつぶやき、後ろにくるりと回転し、一目散に逃げようとした。が。

 振り向いた瞬間、目の前に何かいることがわかった。目の前に、老人のような人が一名いる。しかし、それはおそらく人間であって人間でないだろう。

「あわわわ・・・。」

 その老人の大半は白骨化しているのだから。だから、人間ではない。その人間ではないものが1体いる。そして何よりも、手が無かった。

 今度は、後ずさりをした。しかし、何かに躓いて転んだ。

 裕也はその何かは見なくてもわかっていた。

「ヒサシブリノオキャクジャナァ・・・。」

 白骨化したものはそういった。その声はこの世のものではありえないような不気味で、低かった。

 裕也は引きずり込まれていく。抵抗はしなかった。抵抗をしても無駄だと思ってしまったからであろう。さっきの洋平が引きずり込まれていくのを見てしまったのだからもう半ば諦め状態だ。それに、抵抗していなければ助かるかもしれない。

 しかし、裕也も・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・逝ってしまった。

 これで、二人目である。

 白骨化したものは、いつの間にかよみがえるかのように肉づいてきていた。

「モウスグヨミガエルゾ・・・。」

 そう呟いて。

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