表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/18

darkgame-teamA

 ここは、墓場だ。この遊びをヤミノゲームと名づけているが、実際はただの肝試しだ。

 ルールは簡単だ。このどこかに隠されているろうそくを探し出して、それに火をともして、それが消えないうちに、墓場から外に出ればクリア。もし、その時にほかにクリアしたものがいれば、引き分け(ドロー)となる。

 洋平自身、別に勝ち負けはどうでもいい。このスリルさえ、味わえさえできればいいのだ。

 もともと、この遊びはスリルを味わうために作った遊びだ。

 洋平はライトの光をあたりに当てまわした。ろうそくを探すためだ。裕也も探している。

「見つかんねえな〜・・・。」

「う、うん・・・・・・。」

 裕也の口調がなぜだか少し緊張気味だ。まあ、それも仕方がないことだろう。

 ここは、墓場だからだ。洋平は平気で、逆にわくわくしている。今にも幽霊が出そうな雰囲気が漂っているからだ。

「ここにも、ないよ・・・。」

「よし!次行こうぜ!!」

 洋平が大声でそう言うと裕也はこう言った。

「し、静かにしようよ・・・。」

「なんで?」

 裕也がそういう理由はもうわかっている。きっと、幽霊が本当に出るとでも思っているのだろう。ばかだな・・・。

「そ、それは・・・。」

「それは?」

「・・・。」

「黙り込んでじゃわかんないな〜〜。」

「なんでもないよ・・・。」

「本当かな〜?」

「ほ、本当だよ!あ・・・。」

「お前も大声出してんじゃんか。」

「・・・もういいよ。おおごえだしても・・・。」

 ふふふ・・・、洋平はそっと裕也が分からない程度に小さな声で笑うと、再びろうそく探しを開始した。それにしても、裕也はこういう人なんだなと思った。裕也は友達などが大勢いるところでは、怖がっていないが、友達が少なくなると怖がる。本当に面白い性格だ。本人は気づいていないだろうが、こういう性格なのだ。

「ね、ねえ・・・。」

「なに?」

「さっきから・・・うしろに何かいるような気がするんだけど・・・。」

「ふ〜〜ん・・・そんなわけな」

 そう言いかけて、言うのを止めた。自然と足の動きが早まる。

 洋平はそっと小さな声で、それでもって焦りを合わせた声で裕也に言った。

「走るぞ・・・。」

 洋平は自分がこんなことを言ったのに驚いた。そして走り出す。

「ま、まって・・・。う、うあああああああああ!!!」

 裕也の悲鳴が聞こえてきた。脳裏にいやな、想像してはいけないような妄想がよぎる。

 洋平は振り向くことなく走り続けた。さっきの、幽霊の件は訂正だ。

 幽霊をまだ見てはいないが信じる・・・。

・・・?さっきのをいまなぜ自分は幽霊だと思ったんだ?今自分が思ったことにも疑問を持った。必死に何か得体の知れないものから逃げながら。少なくとも他の人が見ればそう見えている筈である。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ