rightgame 1
背筋が凍りつくようにぞっとした。智紀は裕也に待ったをかけた。
「おい裕也!おかしいよ。俺らがやるのはヤミノゲームなんじゃないの?」
その時、裕也の目が大きく見開いてこっちをギロリと睨みつけてきた。相手は蛇で、自分はウサギかなにかのように思わず硬直した。
「ヤミノゲーム?俺らがやるのはヒカリノゲームだぜ。何言ってんだよ」
剛志は疑問の眼差しでこちらを見てくる。
「なんなんだよ・・・それ・・・」
そう言うと、剛志は智紀にあるものを渡した。
「・・・何?これ」
「レーザー銃に決まってんだろ・・・。本当に頭大丈夫か?まあいいか、一応ルールだけもう一度言ってやるよ。そのレーザー銃でできるだけ他チームの目を打ち抜くんだ。それだけ」
背筋が凍ってカチカチになるようにぞっとした。心拍数が上昇する。
「ちょっとまて・・・それじゃあ、殺人ごっこみたいなもんじゃないか!」
「はあ?殺人ごっこだよ。当たり前だ」
・・・。・・・。・・・・・・。
しばらく、沈黙が続いた。おかしいおかしいオカシイ。人を殺す人を殺す人を殺す。殺人殺人殺人。メヲウチヌクメヲウチヌクメヲウチヌク。だんだん頭がおかしくなっていくような錯覚がした。
皆、智紀に構うことなく勝手に散らばっていった。凶器を持って。
「俺たちも移動するぞ。10分後にバトル開始だ!いやあ、楽しみだ」
「・・・おかしいだろ」
「はあ?何が」
智紀は剛志を睨みつけた。
「人を平気で殺すって!?そんな勝手に殺人ゲームをしていい世界なの!?ここは!!」
次の瞬間、剛志はこんなことを言った。
「何言ってんだ?人を殺していい世界じゃないのか?それに楽しいじゃん。コロスのって」
「な・・・なわけないだろ!!俺はやらないよ!そんな遊び」
「馬鹿か、おまえは?やらなければ、陰に殺されるぜ」
陰。そいつは一年前、俺の仲間を殺した。そして、俺を殺そうとした。消そうとした。
「陰にそんなことができるわけ」
「ある。あいつはなんたって殺し屋だぜ?殺せるに決まってんだろ」
「でも・・・でも・・・!!」
「もういい。早くしないと時間がなくなる行こうぜ」
智紀は無理やり剛志に引っ張られて連れ去られていった。剛志と智紀とでは体格の差が一目瞭然なので、どう抵抗しても無駄だった。
智紀はヒカリノゲームを拒絶することをやめた。・・・陰さえ殺せさえすれば、きっとこの世界から脱出できるはずさ。きっと。きっとね。
レーザー銃を力強く握りしめた。