rightgame start
あ、言うの忘れていましたが、ヒカリノゲームでは智紀の一人称で話を進めていきます。
じゃんけんの結果、智紀と剛志、今太郎と浩司、健太と陰、修平と裕也、平治と洋平に別れた。あの時とは、そこだけは違っていた。・・・この後のことを知ればそこだけではなくて、ここから違うと智紀は気づけたのかもしれない。
剛志は智紀を細い目で見た。
「よろしく」
そう述べたあと、握手を求めてきた。とりあえず、智紀はぎこちなく握手をする。剛志の手は大きかった。
「おまえかよ!たよりねーー」
そう文句を告げているのは、浩司である。今太郎に向って人差し指で指さしながら、大きな声で言ったのちに、ひざまずいた。かなり、落胆しているようだ。まあ、どうでもいいが。
今太郎はなんだと!などと言い返すのかと思いきや、無言で下を向いている。なんだか、今太郎がかわいそうに見えてきた。これまた、どうでもいいが。
「まあまあ、いいじゃないか」
浩司は、平治に言われ、ちっと舌打ちをしたと思いきや、わかったよなどと言った。
「ふふふ・・・」
修平の笑い声が聞こえてくる。彼の笑いのつぼは見たと少し違い、今のような場面で笑う。そんな、修平のチームの人物である裕也は、地面になにやら絵を描いていた。隣で洋平が不思議そうに見ている。
「なにかいてんの?」
「白骨化した老人」
「うえ・・・」
白骨化した老人・・・。いやな予感がする・・・。
洋平は聞かなければよかったと思っているだろう。この後のヤミノゲームがより怖くなるとも思っているはずだ。
「違うよ。ハッコツカシタロウジンはこう書くんだ」
その発言を聞いて、智紀はドクンと自分の心臓が聞こえたぐらいな状態になった。息をのむ。
それは、陰の声だった。
陰は、地面に白骨化した老人の絵を描く。それは、恐ろしい速さで出来上がった。
「・・・」
地面に描かれた絵は、あの時の老人という名の化物がまるで、白骨化したような代物だった。
皆も気味悪がっている。・・・わけではなく、目を輝かせていた。
「すげーーな!!おまえこんなにリアルに描けるのか!!」
健太はそう言った。思わず、智紀は自分の耳を疑った。なんだって?すげーなだって?おかしい・・・。
智紀自身の記憶と照合しない。ここは、確か、皆がひく所だ。なのに、皆、目を輝かせている。いったいどうなっているんだ。やはり、陰の仕業か、あるいはあの老人の仕業なのか。どちらにしても、確実に智紀は殺されるという負の思念を捨てずにはいられなかった。まず、タイムスリップした時点でおかしい。そして、皆の言動が微妙に違ったりしているのだ。そして、陰がいる。陰は無表情で突っ立ているが、時々にやりと笑っているように見える。・・・タスケテクレ。
裕也は、目を輝かせた後に、こう言った。
「じゃあ、はやいとこ、ヒカリノゲームをはじめよう」
・・・?ちょっとまて、ヒカリノゲームだって?ヤミノゲームだったんじゃないのか。ヤミとヒカリでは正反対だ。
智紀は、夢でも見ているのかと思ったが、それはない。全てが、・・・何もかもが、リアルだったからだ。いったいどうしてもうなったのだろうか。しかも、自分だけ・・・。
智紀は陰をちらりと見た。陰はこちらを見て、笑っていた。