Ganta and in
少し短いですが、ヒカリノゲームとヤミノゲームの中間なので気にしないでください。
亮はヤミノゲームをひとまず見終えて、頑太が気になった。なぜなら、頑太が陰に似ているからだ。いや、陰は頑太なのかもしれない。信じたくはなく、確証は持てないが。
頑太は、ヤミノゲームのビデオを取り出し、そして、ヒカリノゲームのビデオを入れた。
「頑太。おまえ、ヤミノゲームに出ていなかったか?」
頑太はこちらを振り向いた。しかし、表情はなぜか氷のように冷たかった。それに、亮はぞくりとした。
「・・・。ユルセナイ。」
「え?」
ものすごく小さな声だったがヤミノゲームの陰の声に似ていた。
頑太はすぐにいつもの表情に戻った。亮は何となく少し安心した。そして、今のことは聞かないことにした。聞くといやなことがおこる気がしてならないのだ。さっきの頑太の冷たい氷のような表情を思い出す。あの表情をした頑太を亮は初めてみた。自分の身が危ないと少しだけ感じた。
「よし、みよーぜ。次はヒカリノゲームだ。」
「え?あ、おう、み、見ようか。」
なぜか、亮は緊張していた。頑太はにんまりと笑った。・・・。寒気がはしった。体中を一瞬のうちにして駆け回った。心臓の鼓動が少しずつ早くなる。
「ん、どうした?」
「な、何も。そ、それより早く見ようか。」
「あぁ。」
いつもと様子がおかしい。いつもなら、見る前に怖いだのなんとかかんとかいうのだが、いや、仮に言わなくとも強がったりはするのだが、今回は早く見たがっている。オカシイ。
亮は思い切って聞くことにした。
「なあ、頑太。」
「始まるぞ。ヒヒヒ・・・楽しみだ。」
どうやら、頑太は亮の声が聞こえていないようだ。それに不気味に笑った。今度ははっきりと不気味に笑った。いつもと笑い方も完全に違っていた。
頑太は勝手にリモコンの再生ボタンを押した。
・・・・・・・。
ヒカリノゲームが始まった。
その時、亮は気づいていなかった。外が暗闇に満ちていることを・・・。