darkgame-teamDandE 2
智紀たち3人はその場でしばらく待っていた。剛志が戻ってくるのを待っていたつもりなのだが、25分たった現在、いまだに帰ってこない。
健太が大きなため息をついた。
「剛志おっそいなー。これじゃ優勝できないじゃん!」
智紀が苦笑する。
「仕方がねーだろー。もう少し待とうぜ。」
「もしかして、迷子になったのかも!」
「うーん・・・。ありえるねー。」
陰はさっきからまた地面になにかを描いている。絶対に気味の悪い絵に決まっているのであえて見ないことにした。
さらに10分が経ち、健太が立ち上がった。
「俺、ちょっと探しに行ってくるわ。」
「え?あ、あぁいいよ。見つけたら1発殴っとけ。」
「おっけー!最高にスカッとするだろうな。」
「・・・できた。」
陰がここではじめて声を出した。智紀が首をかしげる。
「え?」
陰をみると・・・・・・・・やはり、気味の悪いものが視界にうっすらと入った。暗いのが不幸中の幸いである。陰が描いたのは生首。・・・吐き気がしてくるぐらい気味が悪いものだ。そこで、陰に何を言っても完全に自分の世界に陰は入り込んでしまっているので、反応すら示さない。ある意味、おかしな人間だ。
「じゃあ、探してくるよ。」
智紀は、はっとなり返事をした。
「お、おう。」
健太は走り去って、闇に溶け込んでしまった。懐中電灯の光さえ見ることができない。それに、少しの違和感を感じたのだが気にしないことにした。
さらに15分たち、流石に智紀はおかしいことに気がついた。さっきから、ほかに誰とも会っていない。ここの墓場はそれほど広いのか。昼間見ている分にはそこまで広くはないはずだ。それに、今度は健太までもが帰ってこなくなった。なにかあったのか。あってしまったのか。すこし、恐怖というものを感じた。
隣にいる陰はただボーっと虚空を見つめていた。
「まだかな・・・。」
そのころ、健太は墓場をさまよっていた。おかしい。何度移動しても同じところへ戻ってしまう。戻されてしまうのか、方向感覚が鈍いのか。できれば、方向感覚が鈍いという選択のほうがよい。しかし、実際は逆だった。
健太は何かにぶつかり勢いよくばたりと倒れた。その何かは今度は健太の足首をつかんできた。健太はその何かを見た。
「っ!!」
声にもならない悲鳴を上げたあと、健太は必死にもがいた。
「ぁ・・・ぁあ・・ぁああああああああ!!!!!」
恐怖は頂点に達し、ついにものすごい健太の悲鳴が周りに鳴り響いた。しかし、その悲鳴は突然ぷつりと途絶えた。そこには血の匂いがいやなほどに漂っている。
老人が悲鳴があった場所に現れた。
「フフフ・・・モウスグジャ。アト2人・・・フフフ・・・。」
老人はほぼ普通の老人の姿と同じになっていた。そう、アトスコシデコノロウジンハヨミガエルノダ。