darkgame-teamDandE
かなり遅れました。すみません
智紀と陰は暗い墓場をとぼとぼと歩いていた。その後ろにはチームEの剛志と健太が歩いていた。そう、チームDとチームEは協力してろうそく探しをすることになったのである。その理由は実の簡単なもので、チームDの智紀と陰が別に勝っても何もないから負けてもいいとのことで、することがないらしく、チームEに協力してやっているのである。
剛志はヤミノゲームの主催者である。彼の身長は中学1年生にしては高く、体重も50キロはある。つまり、彼は皆よりも大人的存在なのである。
「そういえば、ろうそくって誰が隠したの?」
健太が隣で聞いてくる。剛志がそれに答えた。
「おれだよ。」
「えっ!?じゃあ探す必要性皆無じゃん!教えてよ!」
「あぁ・・・そっか。わかった。」
「これで俺たち優勝まちがいなしだぜ!」
「そうだな・・・。」
剛志の元気の無さに流石に健太は気がついたのか、聞いてくる。
「どうした?さっきまでの元気はどこ行った。」
「ごめん・・・。すこし、腹がさっきから痛くて・・・。」
そう言って、剛志は腹を抱え込んだ。前で智紀と陰が振り向いてくる。
智紀が剛志の顔を覗き込む。
「・・・うーむ。顔色が暗くて見えん!」
そう当り前なことを智紀は言ったが皆スルーした。
智紀はスルーされたことには全く反応を示さず、再び歩き出した。月がやけに眩しく感じる。
陰はただ無言でずっと歩き進んでいた。彼は絵が描けなくてとても退屈そうにしていた。彼の1日の半分は絵を描いているといっても過言ではない。恐ろしいぐらいに集中力を発揮し、教師に注意されてもしばらく書き続けているほどだ。
剛志が立ち止まった。
「うぅう・・・。はらいてぇ・・・。ごめん。ちょっとトイレ行ってくる!」
そういって、剛志は目指す方向とは真逆の方向へ走って行った。
健太は苦笑した。
「墓場に普通トイレってあんのかよ。」
そこへ智紀が返事をする。
「さあ。」
陰は無言のままだった。
とにかく、3人にその場で残された。