異世界デビュー
ベタい、異世界漫才
二人「どうも! ○○でぇーーーす!」
ボケ「僕らも、メジャーになるために頑張っていかないとね」
ツッコミ「でも、この世界だと漫才師が多すぎる。そこで異世界で漫才師デビューすることにした」
ボケ「隙間商法ってやつだね。いいアイデアだ、早速行こう!」
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ボケ「ここが異世界かぁ。きっと大勢のお客さんが待ってるぞ」
ツッコミ役「へへへっ、お前ら、有り金全部置いていけ!」
ボケ「うわぁ! 山賊が出たよ! こうなったら、僕たちのお笑いの力で山賊たちに盗みを諦めさせるんだ!」
二人「どうも! ○○でぇーーーす!」
ツッコミ役「ザクッ! あなたたちは山賊に殺されました」
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ボケ「随分と短い異世界デビューだったね。異世界の人たちは気が短いのかな?」
ツッコミ「そういう問題じゃないだろう」
ボケ「君は自己紹介だけして死んじゃったね。あと、山賊のリーダーに声が似てた」
ツッコミ「そういうメタい発言をするな! お前がなにかボケないと、俺は突っ込めないんだよ!」
ボケ「そうなのか……。もう一回挑戦してみようよ」
ツッコミ「いいけど、今度は慎重にな」
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ボケ「今度は慎重に行動して……あっ! 顔色が暗い人たちを発見! 僕のお笑いの力で彼らを明るくさせてみせるよ! 新ギャグ行きます! 『令和も明るく、お笑い発電ピカーーー』」
ツッコミ役「ガブッ! あなたたちは、ゾンビに食われて死にました」
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ボケ「あれ? おかしいな? 異世界の人たちだから、令和の元号ネタは通じなかったのかな?」
ツッコミ「だからそういう問題じゃなくて、ゾンビにネタ聞かせてどうするよ? あと、あの新ギャク、面白いと思っているのか?」
ボケ「あれ、ゾンビだったのか。異世界にいる、ああいう顔色の人たちなんだと思ってた。えーーーっ! 僕の新ギャグ駄目だった? 異世界には電気がないから?」
ツッコミ「そういう問題じゃないって……。お前は本当にボケ役に相応しいな。次も挑戦するだろう?」
ボケ「当然。だって、このままこの世界でやっても僕らジリ貧だし……」
ツッコミ「そういうところは妙に現実的なんだよなぁ……今度は俺に任せておけ」
ボケ「わかったよ」
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ボケ「慎重に異世界を移動して危険を回避し、お城がある町でネタを披露していたら、王様に呼び出されたよ。緊張するなぁ……」
ツッコミ「異世界において、芸事にはパトロンの存在が必要不可欠だ。ここで王様に気に入られれば、俺たちはこの異世界でメジャーになれる」
ボケ「夢が膨らむね」
ツッコミ「気合入れていけよ」
二人「どうも! ○○でぇーーーす!」
ボケ「王政打倒! 民主主義万歳!」
ツッコミ役「あなたたちは、王様に処刑されました」
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ツッコミ「理由、先に聞いておこうか?」
ボケ「あのね、最近僕のボケには毒がないかなって思ってさ」
ツッコミ「異世界の支配者を打倒しますなんて、ボケでも言うな! ボケ!」
ボケ「えーーーっ! でも、お笑いには政治ネタも必要だって、〇―マン〇ッシュアワーの〇木さんが……」
ツッコミ「だからあいつは、テレビにほとんど出られなくなっただろうが!」
ボケ「うーーーん、色々と異世界で活動して思ったんだけど、確かに競争は激しいけど、やっぱりこの世界の方がいいよね。自由だし」
ツッコミ「まあ、それがわかっただけ、異世界に行ったことも無駄ではなかったのかな」
ボケ「きっとそうだよ」
ツッコミ「じゃあ、明日から頑張らないとな」
ボケ「そうだね。あっ! 一つ大切なことが」
ツッコミ「まだなにかあるのか?」
ボケ「この世界で漫才を続けるなら、ツッコミは変えないと進展がなさそうだから、うちのコンビは解散ってことで」
ツッコミ「いい加減にせいよ!」
二人「どうも、ありがとうございました!」