祝い‼︎初ダンジョン② 暴力ヒロインは嫌われる⁈
みかんはクエスト《地獄の峡谷》の申請中に、係員の女性から質問を投げかけられた。
本当によろしいのでしょうか?……あなたのパートナーの方……クエストに行く前からボロボロですよ。ジャイ◯ンにイジメられた後の、の○太みたいになってますよ!
「いいんです、これで。ナルは生まれつきの◯太ですから!」
顔が沢山のたこ焼きのようなタンコブで腫れ上がっているナルを引きづりながら、クエスト出発所へ向かう。そこにはいくつかの馬車が停留していた。ミカンはカウンターで係員の人からもらった木の札に書かれている番号と同じ、馬車を探す。同じ番号の馬車はすぐ見つかり、ミカンはそれに屍となったナルを乗せ、自分も乗る。それから御者にダンジョンへ出発してもらうことを頼む。
馬車が動き出す。目的地までは10分程かかるというので、ミカンは英単語帳を取り出し暇を潰そうと思ったが、ナルの事が気になった。
いつまでたっても、起きてこない。流石に可哀想だと思ったみかんは、何度も何度もナルを揺さぶる。がしかし反応はない。
どうしようかと焦り、少し不安に駆られていたミカンだが、あることを思い出した。
それは昔ミカンが友達を作る為に買った本のことだ。 その本の中で、男子を目覚めさせたいならば、お色気を見せろ、というアドバイスがあったことをミカンは思い出した。そしてミカンは作戦を立てた。
名付けて、
『ミカンのエチエチお色気、イヤーン大作戦』
ミカンは自分の着ているチャック付きのパーカーのチャックを半分ぐらいまで下ろす。するとその中から赤色のチューブトップその下は肌が見える。
それからミカンはモデルのようにセクシー姿勢をとりはじめる。お尻を突き出したり、無い胸を頑張って強調させてみたり、ミカンなりに頑張った。
ミカンの作戦は功をなしたのだろうか?、ナルの口元ピクピクと動き出す。そして言葉を放った。
「ミカンは《お色気》を使ったが、効果は今ひとつようだ…ついでに、おっぱいも今ひとつのようだ。」
「どういう意味だコラァー!!人が善意でやってるのに。ポケモンセンターでも治せないぐらいの重傷を負わしてやろうか、コラー‼︎」
ミカンはナルの首を絞め始める。ナルは苦しい、苦しいと言いながら締めをほどき、ミカンに文句を言う。
「ミカンお前は暴力振るいすぎ。よって、ここにあなたに、『うざいライトノベルヒロイン賞第3位』を授けます。」
納得いかないわ! ちなみに、一位と二位は誰?
「○○○○○と○○○○だよ!(大人の事情により全モザイクです。) 」
「あーそれなら、そのランキングは納得だわ!」
そうこうしているうちに、目的地に着いたナルとミカン。彼らの前には崖がありました。
まさにそれは地獄の谷であり、2人に恐怖をする感じさせました。
ナルは谷の底を見る為に恐る恐る崖に近づきます。恐怖のあまりナルは余計なことを口走り始めました。
「ミカン! 絶対に押すなよ!絶対にだぞ!」
だけど、ミカンはナルを押しました。ナルは体勢を崩し谷の底にまっ逆さまに落ちそうになりますが、グッと踏ん張り体勢を保ちます。そして、ミカンに向けて抗議をしました。すると
「押すな押すな、はイコール押せ。これは日本人の常識でしょ!」
「そんな常識、通用するのはダ○ョウ倶楽部ぐらい
だわ!ボケ‼︎」
「ボケとは酷いはね!わかったわ。それなら私達のパーティー名は《ダ○ョウ倶楽部》ね。」
「そういう問題じゃねぇー。」
「今度こそ本当にわかったわよ。やっぱり《お○ずクラブ》にするわ。」
「ダチョウがおかずに変わっただけじゃねぇか!」
もーめんどくさい、そういう素振りをミカンはを見せてナルを蹴り飛ばして谷の底へ突き落としました。
ナルを突き落としたその蹴りは、それはとてもとてもいい蹴りで、プロの格闘家顔負けの蹴りでした。