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プロローグ 冒険の始まり

2032年、高等教育は衰退の一途を辿っていた。それに変わる教育として誕生したのが「学びの楽園」。


それは勉学とVR MMO RPG ゲームが融合した電脳世界。そこで学生達は、鉛筆の代わりに剣を持ち、文章を読む代わりに、ダンジョンに出かける。


そこを舞台に大きく無謀な夢を持つ4人の馬鹿達[ドン・キホーテズ]が周りに揶揄されバカにされながらも、自分たちの道を突き進む。



太陽光の眩しさにより 目を覚ますと、そこは森林でした。 人気は無く広範囲にわたって高木低木が広がっていた。それに加えて、いくつかの岩石が土壌の中から浮き出て、そして張り巡らされた樹木の根が地面を覆い、複雑な地形を形成していた。


そこにいたのは、10歳の坊主頭の少年、高月なる。彼の頭の中は疑問と不安であふれかえり、今にも涙と共にすべてが吹き出してしまいそうでした。が、しかし、不安と涙を精一杯抑えて、疑問を一つ一つ考えていくことにしました。


ここはどこ?日本でしょうか、それとも海外?

どのような方法でそしてどうして森林にいるのか?どこへ向かえばいいのか?

答えはなかった。何も分からなかった。


近くの樹木にもたれ掛かり、なんだか妙に嫌な気分となり、寂しさが込み上げてきた。お母さんに会いたい。兄ちゃんに妹に会いたい。友達とまた遊びたい。目を閉じ、コレが夢であることを祈る。次に目を開ける時はそこはいつものあったかい家であることを祈る。


だけど、現実は優しくなかった。大きな物音、樹木や草花が揺れる音を耳にする。大地が揺れる。

ドシン、ドシン、

目を開けると、そこには 魔物が立っていた。


魔物の姿は爬虫類によく似ていた。特に恐竜のティラノサウルスに。体長約17mほど、口は人を丸呑みできるほどの大きさ、ノコギリのように鋭い歯、巨体を支える巨大で頑丈な二本の足、そしてそこから伸びる鋭利な爪。それらに加え、頭部からL型の角が生え、獲物を狙っている。魔物は少年と目が合うやいなや

咆哮した。


少年は恐怖した。少年は魔物に背を向け、森の中を走り出す。恐怖が少年を駆り立て、支配する。土から出ている岩石、張り巡らされている樹木の根、少年の障害となるものが無数に存在した。それらを避けながら、少年は道無き道を死にものぐるいで突き進む。

魔物にも障害物となるものが多数あった。が、しかし、それらを全て物ともせず力ずくで進む。 大木も小木もすべてなぎ倒し、少年を追う。


少年に転機がおとずれた。といっても、悪るい転機である。彼の前に断崖絶壁が。他に逃げ道は無く、来た道を戻ることもできない。すぐそこまで魔物が迫っている。登るしかない。そう少年は決意した。


身体を壁に密着させ登り始めた。溝や凸凹な所に手をそして足をかけていく。少しずつ上がっていく。足元がぐらつく。壁の3/1を登り終えた頃、突進により壁が揺らぐ。落ちそうになる、落石がある。少年は必死にしがみつく。

痛い。怖い。寂しい。嫌だ。頭の中をそんな言葉たちが暴れまわる。それでも、生きたい、という気持ちが大きく、少年は上に向かう。


手を溝にかけ、足を押し上げ突き進む。魔物も身体の全部を総活用し、絶壁を登り始める。魔物が上がるたびに、仰々しい物音を立てている。崖が揺れ、足元が揺れ、心が揺れる、何度も、何度も。


少年が崖を上がりきった時、魔物もすぐそこまで距離を縮めていた。魔物の大きな剛手が少年を襲う、ぎりぎりのところで回避し、また走り出す。魔物も絶壁を登り終え、そして森全体に轟くほどの咆哮あげた。魔物は少年を追わなかった。その場で立ち止まり大きな口を大きく開いた。そしてその口の中から小さな球体が出現した。その球は青い光を放ちながら少しずつ大きくなっていく。


異変に気付き、少年は後ろを振り返った時、球体は口から放たれ、少年目掛けて飛んできた。横に飛び回避するが、衝撃波に吹き飛ばされる。球は地面に着弾し、爆破した。地面はえぐれ、周りのものは吹き飛び、荒々しい光景が広がっていた。


少年は目の前の光景に目を奪われて、魔物の突進に気付かず、激突する。少年は数10メートル吹っ飛ばされ、大木に叩きつけられ、地面に倒れる。少年が立ち上がろうとするが、追撃が少年に降りかかり、逃走を許さない。どうしようもなく、うずくまる少年を魔物が蹴り飛ばす。何度も何度も地面に倒れ、体も心もぼろぼろになり、生きたい、という希望が薄れていく。つらい、苦しい、怖い、誰か助けて。


助けは来ない。そもそも、ここが人間のいる地球なのかどうか、すらわからない。


また、魔物の口が大きく開き、青い光を放つ球体が出現し、拡張しはじめる。球体が口いっぱいになり、少年目掛けて放たれる。大地が揺れる草木が揺れる。


少年は無力だった。戦う力も、逃げる気力も、考える力もなかった。ただただ迫り来る球体を恐怖しながら待つしかなかった。彼は自分の無力さを恨むかしかできなかった。強くなりたい。死にたくない。だけど現実では、どんなに思いが強くても力が無ければ無意味だった。


少年は目を閉じ全てを諦めた。夢も希望も母も兄も妹も、そして生きることも。



そんな時、大きな音を立て光を放つ球体は少年に当たる前に一刀両断された。大きな大きな大剣で。両断されふたつになった球体は少年には当たらず、軌道を変え爆散した。


少年が異変を感じていると、鮮烈で力強さを感じさせる女の声が聞こえてきた。


「 大丈夫か少年? もう安心だ!目を開けな! 」


恐る恐る目を開けると、少年の前には黒き大剣を両手で構えた女が少年に背を向け、魔物を見つめていた。そして魔物が少年と女の方向へ突進を始める。それに合わせて女も地面を蹴りながら前進し、大剣を振り回す。魔物の牙と鉄の大剣が交じり合う。どちらも譲らない。女が魔物の隙をつき懐に回転しながら飛び込み、一撃を喰らわす。


それでも魔物は倒れない。女は左右横そして後ろ、あらゆる方向あらゆる角度から大剣を振り追撃を繰り返す。ついに魔物の体勢が崩れ始める。だが魔物もそれだけでは終わらなかった。尻尾を大きく360度振り、女を吹っ飛ばす。が、足、膝、手を使い体勢を保つ。魔物の反撃は続き、魔物の口の中から球体が、そして魔物の周りからも複数の球体が現れ、瞬く間に肥大し、女に襲いかかる。女は魔物を軸として円を描くように回避し、避けきれない球は大剣で防ぐ。


魔物の後ろに回り込み斬撃をくらわすが、魔物はそれを尻尾で防ぎ自らの攻撃につなげる。そして、女が体勢を崩した好きを狙い、魔物の尾が女の体に巻きつく。女の体をあらゆる物に叩きつける。大木、岩石そして地面、そして森の奥深くまで樹木の間を通って投げ飛ばされる。


魔物は雄叫びをあげる。ただの雄叫びではなかった。魔物の雄叫びに呼応して、魔物の体全体に稲妻がほとばしり、その稲妻が周りにまで、影響を及ぼし、木々に火が燃えうつり、広範囲に火事が発生する。その光景はまさに地獄のようであった。少年にはそう見えた。誰もが地獄だと思うだろう…一人を除いて。


森林の奥から現れた女は、余裕のある笑みを浮かべていた。体の所々はぼろぼろになり、傷が目立ったが、平然な顔して、魔物を見ていた。女の視線は魔物から少年へ移り、そして言った。


「これから私がやる事をよく見ときなっ !少年 、君もいつかやらなければならない時がくる。」


言い終えると、視線を魔物に戻し、大剣を両手でしっかり握り、上段に構え前進した。魔物も体を震わせ稲妻を放ちながら女目掛けて突進する。


勝負は一瞬で決まった。女が魔物の攻撃を避け、懐に入り腹をたたき切る。その瞬間衝撃波が起こり燃え盛っていた炎か全てかき消される。女は残心を取り動かない。魔物も動かなかった。しかし、その数秒後魔物の体に異変が起こり始める。


体のあちこちの皮膚や鱗が、ぽろりぽろりととれはじめそこから白い光が漏れ始める。そして身体全てが光となって爆散した。


その光景に少年は呆気にとられていた。そこへ、女が歩み寄り手を差し伸べ、少年を立たせる。 少年は女に何かを聞きたそうな不安な顔を示していた。だから女は優しい口調で


「安心しな、少年。すぐに元の世界に戻してあげるから。」



だか、少年は首を振った。そうではないと


「ぼくが…聞きたかったのは……どうやったら…どう…やった…」


少年の口はごもごもした。


「はっきり言いなさい少年!しっかり言わないと人に気持ちは伝わらないよ!」


少年は決心して言った。


「どうやったらあなたのように強くなれますか?」


女は微笑んだ。そして少年と同じ目線になるようにしゃがみ、言った。


「私みたいに強くなりたきゃ東大に行きな!」


その時その場所では、少年は女が言ったことの意味がよくわからなかった。


しかしこの出来事、この言葉がその後、少年を大冒険に誘うきっかけとなったのである。











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