8-いろいろと悪あがきしてみた。無駄でした
0pt問題を乗り越え、執筆に対するモチベーションをなんとか維持していた作者。当初キーボードを前に、あれほど動かなかった手先もこの頃になるとテンポ良く物語を綴っていきます。
毎日執筆に取り組むという習慣も自然と身につきました。継続は力なりという言葉はともかく、毎日執筆しているとあっという間に書き溜めが増えていきます。まるで貯金額が増えているようで気分がいいものです。
さて、ブックマークが増えていき、毎日執筆する習慣が身に付いた作者。
ある日、ネット上にて『なろうネタ』で盛り上がっていると同士からこんな助言が。
「コンテストに応募すれば?」
「なにそれ?」
「受賞したらワンチャン書籍化のチャンスあるで?」
「でも面倒なんでしょ?」
「タグつけるだけやで」
「あ^~いいっすねぇ」
しかし、ウェブ小説のコンテストは一筋縄ではいきません。
推測の域を出ない考えをベラベラと書くと問題になるので、以下の箇条書きから察してください。
・コンテスト≒新人賞 既にプロになった作家も当然参戦してくる
・コンテストの審査対象は本編だけではない(応募要項にそれとなく、明記されている)
・某巨大掲示板では2万ptが云々と言われている。はて、何のことでしょうね(痴呆)
・応募数が多い。コンテストによってはあの電撃小説大賞を超える。まさか、下読みさんは全作品に目を通している!?
過去にはお世辞にもポイント数の高いと言えない作品も受賞実績がありますが、基本的には数字がものを言うという傾向なのではないでしょうか。具体的に何の数字がどう作用するのかまで書いたら怒られるので、察してください。
さて、コンテストへの応募を決めた時点での作者のブックマーク数はようやく二桁に入った程度でした。まぁ、奇跡でも起きればね……
しかし、当時の作者は考えが浅はかだったので、一次審査ぐらいは通れるのでは無いかと期待をよせていました。そうと決まれば募集条件の一つである文字数十万文字を超えなければいけません。コンテストによって、募集条件の最低文字数は異なりますが十万文字が一つの目安です。おおよそ単行本一冊の文字数に相当する文量です。
ということで、作者に次なる目標が設定されました。十万文字突破です。
◇
コンテストという目標を設定し、作品を書き進めついに十万文字を超えた作者の処女作。ちなみに、コンテストの結果はお察しの通りなので書きません。
それはさておき、コンテストとは別に読者を増やす方法は無いものかと検討することに。
軽く調べてみると、宣伝用にツイッターのアカウントを用意すると良いとかなんとか。
この方法なら金も手間もかからないので直ぐにできますね。
はい。ということでアカウントを作りました。
では、どうやってフォロワーを獲得すればいいのでしょうか?
大丈夫、フォロワーの増やし方は極めて簡単。ユーザー名の後ろに『@小説家になろう』とか『@カクヨム連載中』とか『@●●大賞応募中』などと、執筆活動していることを匂わせるキーワードを入れるだけです。
このキーワードを入れるだけでフォロワー数が増える増える……
同族の人たちが凄まじい勢いで食いついてきます。
樹液に群がる昆虫の如く…… すみません、例えが不適切でした。
ツイッターを始めた効果は如何ほどだったか。
次話投稿時にツイッターで報告ツイートをしたりしていましたが、PVが増えた痕跡も無し。ツイッターを始める前と比べて大きな差異は見受けられませんでした。
効果が無いどころか、次第に面倒な人が寄ってくるようになりました。
突然DMで「自作を読め」だの「評価してほしい」だの。中には相互クラスタのお誘いをしてくる人もいました。あの物議を醸す相互クラスタって身近に存在するんですね。
もう嫌だ、こいつら面倒くさい……
結局SNSという利器を活用しきれずに、ツイッターからは手を引くことになりました。
作者は嫌気が差してツイッターから距離を置きましたが、本気でプロを目指している人は目を背けず利用してやるくらいの気の持ちようの方が良いかもしれません。
ダーティーな部分も含めて、人付き合いが上手くないと仕事としてやっていくには難しいでしょう。もっとも小説家に限った話ではありませんが。