7-なぜ人々は0ptの沼から抜け出せないのか?
累計二万文字分を投稿してきたというのに、ブックマークの一つすらつかない作者の処女作。
脆弱なメンタルの持ち主である作者。PCと向かい合うだけで無意識に貧乏揺すりをし始めるようになり、心なしか抜け毛も増えて頭頂部が涼しくなった気が……
頭髪の話は冗談ですが、やはり精神的なダメージは小さくありませんでした。
小説を書く事自体に楽しさを見出している人なら、数字なんて気にせず書き続けることもできるでしょう。
しかし作者の場合は重度の活字嫌いです。目に見える形で成果が出ないのに書き続けることは相当な苦行です。
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どういうトリックを使ったのか、初投稿作にもかかわらず初日から1000件以上のブックマークを得る作品。
順当に評価され、投稿する度にブックマークが増える作品。
一方で十万文字を超えても一向にブックマークが得られない作品も存在します。本当に稀ですが、存在します。
絶え間なくポイントが増え続ける作品にとっての2ptと、全く見向きもされない作品にとっての2ptも数字上は同じです。
しかし、全く評価されていない0pt作品にとって、2ptの壁というのは恐ろしく高い壁です。
多くの書き手の心を折り、引退へと追いやってきた2ptの壁。
なぜ最初の2ptが入らないのか。
語彙の足りない作者では適切な表現が見つけられないので、たとえ話をしましょう。
ネット通販のアマゾンで商品を探しているとします。楽天でもヤフーでもいいです。
で、検索結果に出てきた商品で星が一つもついていない商品があったら、手を出しますか?
おそらく多くの人は購入を躊躇するのではないでしょうか。
だってその商品、得体が知れないじゃないですか。
代替となる選択肢が無いのであれば誰もレビューしていない商品でも購入に至るかもしれません。しかし、代替となり得る競合商品があった場合、わざわざ人柱になる人は多くないはずです。
ウェブ小説も同じです。読者の趣向に合致した代替となる作品はいくらでも転がっています。
ネット通販と違ってお金は費やしませんが、読むのに時間は費やすのがウェブ小説。空き時間に読める文量の作品が市民権を得ているこのご時世です。時間を投資してまで得体の知れない作品に付き合ってくれる読者は相当な物好きに限られるのではないでしょうか。
さらに質が悪いことに、同じ0pt作品でも累計文字数が増えれば増えるほど、さらに不利な状況に陥るのでは無いか。と作者は個人的に推察しています。
・投稿から2日経過 2000文字 0pt
・投稿から1か月経過 100000文字 0pt
投稿開始から日が浅い、もしくは累計文字数が少ない作品の0pt。これは単に読まれていないから、まだ誰も評価していないと受け取れます。
一方で投稿開始からそれなりの日数が経過し、累計文字数も多い作品の場合。さすがにこれだけの文量を投稿しておきながら、評価がまったくついていないとなると意味合いが変わってくるのではないでしょうか。
読まれていないわけでは無いが、評価されていない。作品を探している読者から見ると、恐ろしく出来が悪い作品ゆえに評価されていないように受け取られてしまいます。
つまり、こじらせれば拗らせるほど抜け出せなくなり、悪循環に陥る。それが2ptの壁の正体ではないでしょうか。恐ろしいですね。
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結局、作者の処女作は累計三万文字あたりで、ようやくブックマーク一件を得て2ptの壁を超えることが出来ました。この壁を超えると嘘の様にブックマークが増加していきます。
えっ、勢い余って日間ランキング入りしたかって?
まぁ、次話投稿すると二回に一回はブックマークが増える程度の作品にはなりました。
えっ、今笑ったな? 笑ったよな? 効率が悪すぎるって?
いいんですよ、笑ってください。しっかりウェブ小説の特性を理解して、執筆活動に取り組んでいる方はこんな惨事とは無縁でしょう。それでいいんです。
二話投稿して一件しかブックマークを得られないのは作者の力不足ゆえ。軽はずみで執筆に手を出した作者が味わうべき、当然の結果なのですから。