5-迫真!不動の0pt表示!ネットの塵と化した処女作!
初投稿から一晩明けた朝。読者からはどのようなリアクションがあったでしょうか。確認してみましょう。
【マイページ】ポチーーーーー
えっと、ポイントはどれくらい入ったかな?
【小説情報】ポチーーーー
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwえっ?wwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwww0ptwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
wwwwwwwwwwwwウッソだろ?wwwww
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
これは草を生やさざる得ない、ひきつった顔で。そして大きなため息が漏れる。
そのままふて寝、いや二度寝を決め込む。
いや、どう考えたってそうなる展開しか考えられなかったでしょ君。
失敗へと繋がる種を撒くにしても、撒きすぎです。なるべくしてなった結果だと、当時の自分に説教の一つや二つしてやりたい。
さて、なぜ渾身の処女作は誰からも評価されなかったのか。分析してみましょう。
・意味の分からないタイトル
・興味をそそられないあらすじ
・怪文書といっても過言ではない本編
・足の踏み場も無いような誤字脱字のオンパレード
・予約投稿によって読者の目に付く機会を失った
これだけのミスをしていれば、当然の結果ですね。でも、当時はどうして誰も評価してくれないのか素で分からず激しく凹んだものです。おじさんメンタル弱いから……
◇
それから投稿しても投稿しても、一向に評価されることはありませんでした。
いつ見ても不動の0pt表示。
今朝も0pt
寝る前も0pt
翌朝も0pt
これはメンタルを削られます。
だって自分の作品が誰からも必要とされてないって事ですよ、これ?
まるで自分の人生と同じ…… おっと、卑屈になりすぎた、これだからメンタルが弱い奴は。
さぁ、いよいよ書き溜めたストックも尽きようかという頃。累積文字数は二万文字くらいだったでしょうか。残された最後の書き溜めに全てをかけ投稿。
そしてついに!
wwwwwwwwwwwww
wwwww0ptwwwww
wwwwwwwwwwwww
ねぇ、もう辞めていい?
お願いだからおじさんを楽にして。脳内の神様に近状報告をすることに。
俺「神様……」
神「どうした、そんな覇気のない顔をして」
俺「近状報告です。えっと、その――」
神「0ptなんじゃろ?」
俺「どうしてそれを?」
神「ワシは神だぞ。いや、神じゃなくても容易に想像できただろうに。で、書き溜めの残量は?」
俺「ゼロです。ストックも尽きました」
神「詰んだな」
俺「詰みですね……」
神「一つアドバイスを与えよう。第一話を読み直してみなさい。それで何も感じないんだったら作品を消して、界隈から姿を消す事じゃな」
実際に作者の脳内でこんな話し合いがあったか否かは別として、恐る恐る第一話を読み返す機会がやってきました。
あれほど渾身の作品だった筈なのに、読み終えた作者は顔面蒼白です。
酷い、酷すぎる。何を伝えたいのかわからない、怪文書だ。
怪文書といっても想像しにくいので、言い方を変えましょう。
単語だけを拾って、なんとか話の流れを把握することが出来るレベルの文章。
当時は、丁寧に書いたつもりの文章がこれほど酷いものだったという事実にショックを受けました。それと同時に、そんな代物を晒していたという恥ずかしさで押し潰されそうになったものです。結局、第一話は直ぐに推敲する事になりました。
◇
ここまで心の折れるような最悪の流れに陥ってしまった作者の執筆ライフ。
ネガティブなトピックしかないように見えますが、ポジティブな面はあったのでしょうか?
当時は問題ないと思っていた渾身の文章が、後になって見返したら目も当てられなかった。
これは成長と言えるのではないでしょうか。文章の違和感に気付くことができるようになっただけでも一歩前進。それだけ執筆のスキルが向上したという事の裏返しだと思います。
執筆のスキル向上に終わりは無いと個人的には考えていますが、執筆を始めた初期の成長は著しく直ぐに実感することができるのではないでしょうか。