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異世界の魔女の探しモノ ーmemoryー  作者: 夜虎
1週間が経ちました
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1週間の努力

僕が高校生になって1週間が経った。

この1週間の間に運が悪いと思った出来事はなかった。

それが一番嬉しい事だろうか……。

え、天使? 僕と天使の仲が進展したとでも思うの?

話しかけるどころか近づくことさえ躊躇ってしまう僕が、天使と仲良くだなんてできるわけ、はははっ。

自分の席から天使を見守るか、よくて天使とすれ違うぐらいしかできない。


クラスメイトと仲良くなるためのポイントその1

まずは情報収集。

どんなことでも新たに挑戦する場合は情報収集すべきである。

ネット、雑誌、テレビ等を活用。


クラスメイトと仲良くなるためのポイントその2

情報を基に挨拶を。

天使が教室に入って来たら、一番に話しかけるぞ!

そう意気込んだものの。

朝に一番に天使に話しかける権利争奪戦では、彼らと並ぶことすらできなかった。


クラスメイト仲良くなるためのポイントその3

積極的に話しかける。

いつも天使の周りは男子が囲っており、僕の入る隙間はない。


クラスメイトと仲良くなるためのポイントその4

共通の趣味を持つ、あるいはその話をする。

天使の趣味って? 知ろうにも天使の周りには男子が。


クラスメイトと仲良くなる為のポイントその5

最近話題のテレビやグッズの話をする。

最近の話題って何? 天使が持っているものなんて、訊こうにも周りには男子が。

かろうじて見えるのは顔ぐらい。


……。


仲良くなるポイントその10

待ち伏せ、は無理だった。

天使の周りは誰かしらがいるのだ。

目を付けられかねない。


これまでいろんな作戦を立てて実行したけど、どれもうまくいかない。

これってもしかして運が悪いから?


今更ながらその可能性に気が付く。

もしそうなら、本当に神様を僕は恨む。


「うー、天使とお話ししてみたい……」


ポツリと独り言を呟く。

どうせ僕の席の前と隣の男子は天使の取り巻きでいないし、後ろの席はずっと空席だし。

ここで独り言を呟いた所で、誰も僕の言葉なんて聞いちゃいない。


僕は自己紹介で必死にアピールしたものの、男子の興味は天使にいってしまい、女子は既にいくつかのグループで固まり、話に花を咲かせている。

そう、僕のことなんて誰も興味を持たないのだ。

確かに自分でも地味だなと思うような容姿をしていると思う。


いろんな方向に跳ねるくせ毛のある髪に、なるべく自分のブス顔を見せたくなくて、長く伸ばした前髪。

極めつけに黒縁の眼鏡。

顔一つ見ただけで、地味なのが分かるだろう。

そして、僕は結構アニメ好きだったりする。

人はそれをオタクと呼ぶらしい。


天使の方に視線を向ける。

いつものように天使は周りの男子に囲まれ、お話ししている。

毎日のように男子に囲まれて困っているだろうに、嫌な顔一つせず、寧ろ笑顔で対応している。

まさしく天使だ。


「おーい、今日の放課後委員会があるから、ちゃんと所定の教室に行けよ」


急に現れた担任の鈴木先生は一言放ちそそくさと、教室を出て行った。




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