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異世界の魔女の探しモノ ーmemoryー  作者: 夜虎
高校生活の始まり
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係り決め

僕が思った通り自己紹介の後から、天使の周りには男が群がり、容易に近づくことは出来なかった。

当の本人は、ニコニコと笑顔で対応し、次々と繰り出される質問に一つ一つ答えている。

天使の席は教室の入り口近く。

それに比べ、僕の席は窓側の後ろから2番目。

出席暗号順で座っているため、あの目つきの悪い女の子は僕の席の後ろだ。

なるべく関わりたくないけど、前後の席なら関わることになるんだろうな。

まあ僕は、遠くからでも天使の姿を眺めていれば幸せだ。


自己紹介の次は係り決めだ。

天使と同じ係りになることができれば、近づけるかもしれない。


先生が黒板に順番に係りを書いていく。

そして、先生がどんどん係りを言っていき、なりたい係りに手を挙げるという方法だ。

女子は順々に手を挙げていくものの、男子は全然手を挙げない。

一見やる気がないようにも思えるが違う。

みんな天使が手を挙げるのを待っているのだ。


もちろんそれぞれの係りで人数は決められていて、最高で二人だ。

間違いなく天使が手を挙げた係りは、じゃんけん大会が始まるだろう。

それに皆挑んで勝つつもりなんだ。


「次ー、図書委員」


クラスの殆どの男子の視線が集まっている中心で一人、スッと手を挙げた人がいた。

その後、男子がわっと手を挙げる。

僕も少し遅れて手を挙げる。


「多いなー、男子は後ろ、女子は前でじゃんけんしろー」


男子は殆ど参加しているので、盛大なじゃんけん大会が開催された。

僕そんなにじゃんけん強くないんだけど、頑張ろう!

神様! 僕の今年の運全部使っていいから、勝たせてください!


「くそー負けた!!」

「マジかー! ここまで調子よかったのになー」


どんどん敗者が無残に散って行く中、僕はなんとか残っていた。

残り二人。

僕と自己紹介で犬が好きと言っていた松下君だ。

まさか最後まで残るとは思わなかったけどいよいよだ。


「「じゃん、けん! ぽん!」」


僕が出したのはチョキ。

松下君が出したのはパーだった。

ありがとう、神様!

今年全部の運を使ってくれたのだとしても僕は神様を恨まないよ!

僕は内心ガッツポーズをしていた。

男子の視線が皆僕に向いている。

どこか恨めしそうな目だ。


数秒後、その視線が全く別の意味を持っていたことを僕は知った。



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