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雨水を呼ぶブローチ

作者: 鷲宮 深月

日常に不思議なことを感じられるなら

現実はこんなにもファンタジー。


ピチャン



私の顔に、水滴が一粒落ちてきた。


電車の中にいたにもかかわらず、

私は雨だと錯覚してしまう。


天井を見上げるが水気はない。


クーラーはかなり離れているし、

結露した水滴が私のいる所まで届くはずがないのだ。


「きっと気のせいだ。」と

私は自分自身に言い聞かせて下車し、帰宅した。




ピチャン




部屋着に着替えて階段を下っていると、

足首に水滴が一粒当たった。


私は風呂上がりでもなければ

濡れたものなど手に持っていない。


もちろん雨漏りもない。


不可解な出来事に私はしかめっ面になる。


そんな私に、家にいた母は嬉しそうに言う。


「ねぇ、見て?オンラインショップで買った

 ブローチが今日届いたの。素敵でしょう?」


シンプルなシャツを着た母の胸元に

雨雲をモチーフにしたブローチが煌めいていた。


私は思わずそのブローチを凝視する。




ピチャン




凝視していた私の瞼の上に水滴が一粒当たった。


嗚呼 母よ、たぶん、そのブローチは本物の雨雲だ。


小さな雨雲は静かに母の胸元で光っている。


「私、雨が大好きよ。」


母は笑顔でそう言った…。


未だに水滴の原因がわかりません

(´;ω;`)

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