表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

悪夢

ショートショートは初めてです。よろしくお願いします。


「ふぅ、疲れた」


 夜中の12時、俺は会社から帰宅した。妻はもう寝ている。郵便受けを開け、中身を確認する。ソファに座り、郵便物の整理をしていると、広告の他に茶色い封筒が入っていた。


「なんだろう」


 単純に疑問を覚え、封筒を開けた。中身を見て俺は震え上がった。身体中に寒気が走る。飲もうとしていたビールをやめ、急いで布団に潜り込んだ。


 残業で疲れた体にこれ以上ストレスはかけたくない。こんな時は寝て忘れるに限る。そう思い、俺は眠りについた……


 体が飛び跳ねた。


 やつが追ってくる! 大変だ!


 逃げなければ。あの訳のわからない言葉と数字ばっかり言う、恐ろしい怪物から。


 俺は慌てて扉を開けるとサドルに跨った。ペダルに足をかけ、勢いよく漕ぎ始める。


「どうしたの?」


 ほら来た。


 後ろから声をかけられた。俺は顔を引きつらせて震えながら、全身全霊でペダルを漕いだ。捕まるわけにはいかない!


 戦う? 冗談じゃない。俺は何も持ってないんだぞ。


「こんな急にどうしたの?」


 近いぞ! いそげいそげ。


 だが、漕げども漕げども前に進まない。風景が全く変わらないのだ。


 なんでこんなことになったんだ! 俺が何かしたか? 確かに言うことを聞かなかったのは悪いけどさ。仕方ないじゃないか、やめられないんだ。


「夢でも見てるの?」


 夢だったらどれだけ嬉しいことか! だが、こんなにリアルな夢なんてあるわけないだろう!


 俺は恐怖で叫びながら、狂ったように漕ぎ続ける。回転数は相当な数に達しているが、一向に逃げ切れる気配はない。


「ねぇ、落ち着いてってば」


 落ち着いてなんていられるか!


 足が悲鳴をあげるのも構わずにペダルを踏む。もはや、足が勝手に動いているような感覚だ。







「あなた! 良い加減にしなさい! いくら健康診断の結果が届いて、肥満だって言われたからって、そんなに必死にやらなくても良いでしょう。こんな時間に」


 へ?


 そう言われて自分が乗っているものに目をやる。俺が必死に漕いでいたのはエアロバイクだった。


オチ、わかっていただけましたか?


良ければ感想、アドバイス、ブックマークお願いします。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ