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プロローグ

※プロローグ


2021年6月某日 太平洋上 日本海溝 深度300m


せまっ苦しい潜水艦の中で比較的贅沢に作られた艦長室で金山 勲は憂鬱そうに報告書類に目を通していた。豊かに生えそろったあごひげに手を伸ばしながら今後の事について考えていた。金山は今回の航海をもって現役を退き士官学校の指導員になる事が決まっていた。

もうこの場所に帰ってこれない寂しさとようやく陸に上がれる開放感とが入り混じって複雑な気持ちだった。

そこへドアをノックする音が聞こえた。

「伊吹です。」

「入れ」

ゆっくりとドアを開く。副艦長の伊吹 良は今年で40歳とは見えない若々しい顔立ちだ。背も180cmと高く、体つきもがっしりしている。もし潜水艦乗りでなく女性のいる職場だったらかなりもてただろう。

「報告します。連続戦闘訓練は敵艦発見より攻撃まで45秒の短縮をみて終了しました。」

「ご苦労。なかなか錬度も上がってきたな。君の操艦もたいしたものだ」

「いえ、まだまだ課題だらけです」伊吹は照れながらも真面目な顔で謙遜した。

「まあ、そこへ座れ」金山に促されようやく直立不動の姿勢を解き椅子に座った。

「艦長、いつから江田島の学校へ」

「上陸して3ヶ月程、休暇をもらっとる。しばらくはゆっくり釣りでもして過ごすよ。今まで出来なかったからな。」

「たしか、艦長の実家は広島の尾道でしたよね?」

「ああ、いい街だぞ。魚も旨いしな。今度よかったら来るといい。釣りたてをご馳走してやる」

「是非、お邪魔させてもらいます」

金山は満足そうな笑みを浮かべた。先程までの憂鬱な気分は消え、実家の側の堤防で釣りをしている自分を想像し自然と笑みがこぼれた。

「さて、最後まで気を抜かず仕事を無事終えよう。機器の最終チェック後、1630にエンジン始動。基地に帰るぞ」既に笑みは消え、艦長としての顔に戻った。

「1630エンジン始動、了解。」

伊吹はすばやく立ち上がり敬礼をした。

「失礼します」機敏な動作できびすを返すと静かに出て行った。

金山は机の上にある書類を片付けるとハンガーに掛けてある上着を取り司令室にいく準備を整えた。さあ、あと少しだ。今一度、自分に気合いをいれ艦長室から出て行った。









初投稿です。少し興味があり仕事の間を縫って書いております。何分はじめてなのでおかしな点、矛盾点などあるかと思いますがご容赦下さい。よければご指摘頂ければ幸いです。

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