スピリットコネクト - 5
「いやーまさか異世界でもVRMMOが稼働しているとは。本当にびっくりしましたよ!」
日本から仕入れたゲーム用のモニターに映り込む蒼い髪の少女、ユーキはお菓子を食べがらくつろいでいる(お菓子は演出である)。
「君が魔導の研究をしていたのは聞き及んでいたが、君自身には魔力がなかったのでは?どうやってこの世界に来たのだ?」
ユーキが魔法、もとい魔導の研究を行っているという話は現在では有名な話だ。しかし、その発端となった現代魔法スレッドの彼女と推定される人物の書き込みにはそのような事が書かれていた筈だが……。
「簡単な話ですよー。私のゲームのプレイヤーからネットワークを通じてちょこっとずつ魔力を頂いたんです。思考加速の魔法も似たような仕組みなんですよ!」
そう言いつつ胸を張るようにして自慢するユーキ。理屈としては簡単、私がミナサンダーを参考にして開発した魔導と同じようなものだ。
しかしその回収規模が違う。私が300人の魔力を集めた魔導の出力で満足していたのに対して、ユーキは数千人、数万人の魔力を搾取する権限を持つのだ。それだけの魔力を扱えるのならば、彼女がその気になれば日本なんぞ木っ端微塵。おまけにライトニングボルトというきっかけがあったとはいえ独力でこの世界を見つけてこちらの世界との通信を行う方法を開発する程の技術力すら持ち合わせている。
私は異世界の未来に不安を抱きながらも、とりあえずは目先の問題だ、と思い直した。
「アンタ、この町だけならともかく地球にまで迷惑かけてるのね」
呆れるように言うハルカを無視して本題に入る。
「つまり、かくかくしかじかで――」
「なるほど、話はわかりました。では、デスゲームにしましょう」
「いやいや、町人殺してどうすんの?」
「なるほどな」
ハルカは最近の日本情勢に詳しくなく真意を掴めなかったようだが、私はその意味を察した。デスゲームという案自体は先程も考えていたが、彼女の存在と関連付けて考えると……。
「つまり、死んだらログインできなくすればいいわけだな。ブレファン3と同じように」
「そうです!聞くところによると現状のプレイヤーは誰ひとりとして一度も死んでおらず、端からデスゲームの心構えで挑んでいる様子。それならば仕様をこっそりステルス変更しても文句は言われないでしょう」
「ふむ、最初から『この世界は死んだらもう来れない世界だった』ってことにするのね」
「そうそう。それなら魔導師さんに批判の目は向けられないでしょう」
「では、早速準備にとりかかるとするか。仕様はすぐに変更するとして、彼らを殲滅するためのイベントを用意するとしよう」
スピリットコネクト part8
411 名前:アレン[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
大変です!魔王軍が各地で一斉に暴れているようです!
412 名前:ロウ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
ついに来たんですね……
413 名前:ロイ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
シーティアの街が現在襲撃を受けている
付近にだれかいないか!?
414 名前:アリス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
わたくしはロンディゴにいるのですけれど、
こちらもおなじように襲撃されてますわ!
しかも指揮官の魔族が恐ろしく強いんですの!
こちらより遥かに強大な魔導を連発してきますわ
415 名前:メリー[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
私もアリス様と同じ街にいます、援護しに行きますね!
416 名前:アレックス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
魔族だけじゃなくて率いられてるモンスターもすごく強いよ!
こっちの魔導が効かない!変な見えない壁に当たったみたいに消えちゃうんだ!
417 名前:ヒューゴ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
魔導の無効化!?それじゃ倒しようがないじゃないですか!
418 名前:ロイ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
大丈夫だ、そういう奴は前にも見たことがあるが物理に弱い
前線は現地住民に任せて他のやつを狙え!
419 名前:アンドルフ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
>>414
その魔族だが俺が対応する!テレポートで現地に向かうから
生き残ってくれ!
420 名前:エドガー[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
>>419
なにか策があるのか!?
421 名前:アンドルフ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
あぁ、細い糸一本にも満たない狭い道だがな……!
521 名前:メリー[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
アンドルフさんの魔導すごかったです!
522 名前:アリス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
まさか魔力をコントロールして新たな魔導を作り出すなんて……
おかげでロンディゴは防衛に成功しましたわ
523 名前:アレックス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
こっちもなんとか防衛成功!前線が押し込まれて危なかったけど
なんとか対抗できたよ
524 名前:アンドルフ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
あぁ、おまえらの話を聞いて思いついたんだ
俺たちの魔導は同じ威力なのに敵は個体によって違う威力の魔導を使う
もしやカスタマイズできるんじゃないかってな
いつまた魔王軍が攻めてくるともわからない
使い方を説明するからみんなロンディゴに集まってくれ
525 名前:エドガー[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
それならついでにそこで俺のちょっとしたテクニックも教えるわ
どこまで役に立つかはわからんけどな
526 名前:アレン[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
>>525
あの一瞬で魔導矢を大量に生成するやつですか?
たった1人で雨のように魔導を連射しててすごかったですね!
527 名前:ロウ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
あの……今目の前にとてつもない威圧感を放つ魔族が来て、
一ヶ月後に王都を襲撃するから待ってろ、と……
魔王らしいです……
528 名前:ロイ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
なんだよそりゃ……ブラフじゃないのか?
529 名前:ロウ[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
わかりません
けど……備えておいたほうが良さそうですね
530 名前:アリス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
よーし、これからみんなで特訓ですわ!
魔王なんて軽く蹴散らせるくらいに強くなりますわよ!
530 名前:アレックス[sage] 投稿日:魔導歴xx年xx月xx日
新しい魔導の研究も必要ですね!




