ブレイブファンタジー3 第5.5話
「今回の件はさすがに見過ごせないな」
様々な電子機器に囲まれた空間で、頭髪の薄い壮年の男がモニターに話しかける。
「はい……申し訳ありません」
モニターに映し出された少女、ユーキは今にも泣きそうな顔で頭を下げた。
「"やらかし"の規模にしてはユーザーの減少も抑えられたようだが、それでも現状のままならプロジェクトを失敗と判断し、撤退の命令を下すことになるだろう」
「そんな!次こそはもう失敗しません!だから……ゲームを!続けさせてください!」
「……一ヶ月だ」
「一ヶ月?」
「一ヶ月以内にユーザー数の減少を上昇に転換させろ。できるな?」
「はい!」
「とは言っても……一ヶ月以内なんて難しすぎるよぉ」
壮年の男が立ち去った部屋で1人つぶやくユーキ。
「なにか、新たな、誰もが求めている機能を追加して……でも、プレイヤーは何を求めているんだろう……いや、」
苦悩するように頭を抱えるユーキだが、プレイヤーが求めている物、それを彼女は既に明確に理解していた。
― ■■■■■マダー? ―
― 当然■■■■■も実装済みだよな? ―
― 終わる前に■■■■■にしてくれねえかな ―
― 俺は■■■■■で死ねるなら本望だ ―
「"デスゲーム"」