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【VR】ブレイブファンタジー【神ゲー確実】  作者: hikoyuki
番外編

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コントラクターズ

 20XX年に一斉を風靡した伝説のVRMMO『コントラクターズ』

 他者との契約を結ぶ事によって魔法にも等しい事象を引き起こす『コントラクター』として戦いを繰り広げるアクションゲームだ。


「やれやれ、ここで相見える事になるとはね……」


 白銀色の髪を地に付く程に伸ばした少年——『シュリ』が、眼前の敵を見据えて呟く。


「こっちの台詞だ。貴様とやり合いたくは無かったが……」


 相対するは夜よりも深い闇を纏った青年、『アンク』。自身の身体を覆うように黒色のオーラを纏っており、歴戦の猛者を思わせる。


「戦う前に説明をしてもいいかい?僕のアビリティは『暗黒操作』。ありとあらゆる闇に対する優先権を得る事が出来る。キミのオーラは引っ込めたほうが賢明だよ」


「ほう、『情報開示』か。開示せずに攻めたほうがよかったのでは無いかね?」


「キミの弱点を突くアビリティである事を識った上で『開示』した。つまり、『契約』の天秤はこちらに傾く、という事さ」


452 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

つまりどういう事??


453 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

自身にとって不利になる情報を開示する事で

その対価として世界から多大な魔力を受け取る技法だよ


454 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

『暗黒操作』は見せ札か


455 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

シュリの方が経験が浅いから一方的になるかと思ったが

メタアビリティを持っていたのか


456 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

とはいえシュリが戦闘力的に不利な事に変わりは無い筈だが……



「ふむ、『暗黒操作』など、私にとっては痛くも無いが……。せっかくの助言だ、引っ込めるとしよう」


 そう言うとアンクの周囲に纏われていた黒色のオーラが消滅する。


 このマッチには『暗黒操作』の有無など話にならない程の絶望的な魔力差が存在している。多少の小技で魔力を増やされようが負けようが無い。アンクは勝利を確信していた。


 ——そんなアンクの余裕は一瞬にして覆る事になる。



「僕は……『24歳になるまでおねしょをしていた』ッ!」


「何ィ!?」


641 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx


642 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

そんなのアリかよ


643 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

魔力爆憎で草


644 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

戦いと関係が無いカミングアウトで草


645 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

コントラクターズ終わったな


646 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

滅茶苦茶で草


 その言葉と共にシュリの身体に膨大な魔力が天界の神々から送り込まれる。


「まさかッ!そんな馬鹿げた『情報』を『開示』して優位に立つ気か!?」


 魔力の総量差はたった一言によって逆転した。勝利を確信していたアンクの余裕は一瞬にして消え去り、冷や汗を流す。


「どうしたんだい?まだ僕とやり合う気かな?」


 シュリはこの瞬間、勝利を確信した。


「わ、わたしは……私はッ!『中学生の頃、かっこいいと思って片目に眼帯をしていた』ッ!」


 シュリの『開示』には及ばないが、その『宣言』は確かに魔力を生み出した。


「――だから、どうしたと言うんだい?」


742 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

シュリの開示に比べると微妙だな


743 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

人間性に差が有りすぎたな


744 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

うーん


745 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

>>743

それはフェアミダス的な意味で?


746 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

もっとマシな開示をしろよ


747 名前:名無しさん[sage] 投稿日:20xx/xx/xx

これは勝負あったな



 アンクの『開示』は確かに魔力を生み出したが——シュリとの絶対的な魔力の差を埋め切る事は叶わなかった。


 もちろんこのゲームは魔力の絶対量だけが勝敗を決める要因(ファクター)になるわけでは無い。『暗黒操作』のように相性で優位なアビリティが分水嶺になる事もあれば、『モーションアシスト』の操作能力が勝敗を決定付ける事もある。


 けれど——アンクは確信していた。



 絶大なる開示(カミングアウト)。『24歳になるまでおねしょをしていた』という事実が、



 シュリにとってはジャブに過ぎないという事実に。



「それじゃあ次の『開示』をさせてもらうよ。僕は——」


「や、やめろ。やめてくれ——ッ!!」


 その言葉を最後に、アンクはログアウトしてしまった。


 なぜ『開示』の内容を聞く前にログアウトしてしまったのか?その理由は大きく分けて二つ存在している。


 一つはこの戦いに勝ち目が無い事を悟ってしまった事。



 そして——。



「アイツは24歳でおねしょを卒業できたのか……」

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― 新着の感想 ―
[良い点] フェアミダスでもうダメだったわ 定期的に過去のやべータイトル擦るスタイル大好き
[一言] 人間性の差が出たな。 まだしてると言えなかった辺りに。
[良い点] 更新乙い [一言] まだしてる って言えれば、逆転勝利間違いなし!! むなしいしょうりだ
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