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お客様

 朝早くから出向いたため、クラーク家の屋敷を出た頃にはお昼前になっていた。


 自分の屋敷に着くまで、私は婚約破棄について考えていた。


 こんなに急に婚約破棄をするつもりはなく、手順を踏んで婚約破棄をしたかったのに。


 タイミング良く事が進まないものね…

 

 今まで私はエドワードが浮気しようと気付かないフリをしていた。

 

 噂なら聞こえないフリをすればいい、エドワードが女性と親しげにしている所を見ても気付かないフリをすれば良かった。

 

 でも、ゴシップ誌に載ってしまえば周知の事実になってしまう以上、気付かないフリをする事は出来ない。


 婚約は私の好きな様にすればいいと言ってくださったお父様も、流石に黙ってはいないだろう。



 はぁ……



 今後どうしたらいいかと考えていたら自然と溜息が出る。


 そんな事を考えていると馬車が止まり、屋敷に着いたようだ。


 屋敷に入ると執事とメイドが出迎える。  


「シャーロットお嬢様。おかえりなさいませ」


 執事に荷物を預け、浮き足立つメイドを不思議そうに見る。


 よく見たら耳が赤くなっている。


 

「どうしたの?耳が赤いわよ?」



 風邪でもひいたのかしら?

 この季節は日中は暑くても夜に冷え込むから、薄着をしていると風邪をひいてしまうのよね。

 

 そんな事を考えていると、メイドが興奮した様に話し出した。



「お嬢様!お客様がお見えです!」


「お客様?」


 久しぶりに帰国した私に会いに来る人なんていたかしら?

 エドワードとの事もあって、この国での友人は少ないのだけど。



 そんな悲しい事を考えながら、数少ない友人の中から誰が会いに来ているのか考えていると、メイドが話を続ける。



「男性がお見えです!しかも、凄い素敵な男性です!!」



 会いに来る男性の友人なんていたかしら?

 メイドが知らない、興奮するような素敵な男性なんていないのだけど。


 考えても思い浮かばなかった私はメイドに急かされる様に、応接室に連れて行かれる。


 男性が待っている応接室にやって来た私は、部屋の前で身を整え、一息つく。


 メイドはドアをノックして、微笑みながら口を開いた。


「お客様は約束を果たしにもらいに来たと仰られていました」


「約束?」


 男性と約束をした覚えがない私は困惑していると、部屋の中から声が聞こえる。



「どうぞ」



 聞こえてきた声で誰がいるのか分かった私は、部屋の中に足を踏み入れた。


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