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僕のための女の子(エドワード視点)

 「さようなら」と言って、シャーロットが僕を置いて部屋を出ていく。



 こんな筈じゃない。     


 シャーロットが僕のことを捨てるなんて、ある筈がない。そんな事があってはいけない。



 何がいけなかったんだ、何が………。



 机に置かれた雑誌と婚約破棄の書類を見る。



 まだだ、まだ僕達の関係は終わってない。



 シャーロットにきちんと話せば、今までみたいに許してくれる筈だ。



 「仕方ないわね」と言って、困った様に笑って許してくれるシャーロットを思い出す。



「エドワード様。失礼いたします。昼食の準備が整いましたが、どうされますか?」 



 メイソンが呼びに来て、時間が経ったのを知る。


 もう昼になったのか……。


 考え込んでいたら時間が経っていたらしい。



 一人で考え事がしたいから放っておいてくれと自分の部屋に戻る。



 夜になると父上が帰って来たらしく、廊下から「旦那様!お待ち下さい!!」と言う声が聞こえてくる。



 話し声が近づいてくると、バンッと勢いよくドアが開く。



「エドワード。自分が何をしたのか分かっているのか」


「……父上。メイソンに一人にして欲しいと伝えた筈ですが……」



 ソファから気怠そうに起き上がると、父上がテーブルに紙を叩きつける。

 


「シャーロットからの手紙を読んだ」


「シャーロットから手紙がきたんですか!?」



 「何が書いてありましたか?」と父上を見ると、「婚約破棄をしたいと書いていた」と言う。


 期待していた内容ではなくて肩を落とす。



「雑誌の記事も見たが、これ程まで分別がないとは思わなかった。父としても、経済省としても、処分する事になるだろう。処分が決まるまで、部屋で大人しくしているように」

 


 そう言って父上が部屋を出ていくと、メイドが部屋に入ってくる。



「エドワード様。お手紙が届いております」



 手紙を受け取って宛名を見ると、笑みを深める。



 まだ僕達は終わりじゃない。諦められる筈がないだろう……。



「だって……君は僕のための女の子なんだから」



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