姉の食べ物召喚の能力をずるいずるいといつも文句を言うくせに、その能力を利用する妹と、無理やりそのスキル目当てに婚約した食べ物を僕のためだけに生涯召喚するんだ!と命令した白豚王太子に復讐をした姉のお話。
「ずるいずるいずるいですわ、その能力私も欲しいですわ」
「スキルは人それぞれなんで無理ですわよ」
私が召喚したケーキを平らげながらいつもずるいずるいという妹がいました。
私のスキルは食べ物召喚です。
おおよそ指定すれば、希望した食べ物が召喚されます。
はて? こんなのどこの国の食べ物? というものも召喚され、ケーキなどはどこのパティシエが作ったのか!と皆が知りたがるほどの味わいでした。
パンも中にチョコレートが入っていたり様々です。麺も出てきたことがありますが、熱々で美味しかったです。
しかしこれは何? という食べ物や料理がでてくることが多く難儀もしていましたわ。
スイーツはほぼ妹が食べ尽くします。食べすぎてかなり体型が……。
妹のスキルは自分が愛したものには愛されるというもので、両親も妹にメロメロでした。姉なのだから妹の願いを聞いてやれと言われました。
妹にメロメロでない私は妹に愛されていないということですよね。
そして、いつも妹につかわれるのが嫌になったとき、王太子の婚約者に選ばれ、嫌だ!と言ったのですが、無理やり王宮に連れていかれましたわ。
「お前は今日から僕のためだけに食べ物を召喚するんだ!」
大食漢の白豚王太子に命令され、私は絶望しました。だってこの人の底無しの食欲に生涯付き合わされるなんて。
「……」
私は毎日毎日、白豚王太子のためだけに料理を召喚させられました。地獄です。
しかしこうしてみるとこの人妹によくにていました。
似た者同士なのですわね。
私はあることを考えまして、実行にうつすことにしましたわ。
しかし食べ物、飲み物、料理を召喚はできますが、こんなもの指定して大丈夫ですかしら?
一抹の不安を抱え、私はあるものを召喚しましたわ。
「ああ、愛しいマイスイートハニー、君は僕の天使だ!」
「愛しい王太子殿下、愛してますわ」
私は目の前で繰り広げられるイチャイチャを見ながら、これで溜飲が下がったと思いました。
「お前と婚約破棄するリオーナ、僕は真実の愛に生きる!」
私は白豚王太子の宣言にはいわかりましたと笑顔で答えました。
いやあ本当にお似合いですわよ。
私は召喚したあるものの効き目が抜群なのに驚きながら、王宮をあとにしましたわ。
「しかし媚薬まで呼び出せるなんて」
指定して出てきた薬の瓶に入った飲み物、私は飼っていた仲の悪いペットで試してみたらイチコロでしたわ。
目の前にいる生き物に恋をする。それがわかったので、ちょうどいいタイミングで王宮に呼んだ妹の飲み物に入れましたの。
目の前にいた王太子とフォーリンラブでしたわ。
これで似た者同士の2人に悩まされることがなくなった。
私は家を出て、ケーキ屋を開くことにしました。元手はただですしねえ。
そこにきた騎士様と恋に落ち、いまは婚約して幸せですわ。
妹は自分が太っているのに、太った人がだいきらいで、白豚王太子を大層嫌ってましたから、うまく復讐をできましたわ。
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