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原初の罪  作者: EVE
第2部 神々の庭
15/32

2-1

さぁ、今から第2章はじまります!

説明多いです。すいませんm(__)m

「お待たせ致しました。こちらがギルドカードになります。これでみなさんは冒険者として登録されました。」


 肩まで伸びたセミロングの髪の女性がそう話しかけてくる。この女性が言っている通り、俺たち3人は無事に冒険者ギルドに登録することができ、こうしてパーティを組むことが出来た。


 ギルドで説明された事はそうない。予め知識として知っているし、学園でもしっかりと冒険者とギルドに関しては学習院しているからな。


 大まかにいうとこうだ、



 1.冒険者ギルドに登録する事でギルドカードは発行される


 2.ギルドカードは初回は無料で発行されるが、紛失した際は1銀貨の手数料が掛かる


 3.ギルドはF〜Sのランクに分けられ、そのランクによって受けられる依頼が振り分けられる。また依頼は自分のランクの一つ上のランクの依頼まで受けることが出来る(パーティで依頼を受ける場合は、リーダーのランクを数える)


 4.依頼を受けた場合は、成功、失敗に関わらずギルドに報告する義務がある。また、依頼は原則依頼時に知らされる期間として、その期間を越えた場合は依頼不達成となる


 5.依頼不達成となる場合は反則金が生じる(依頼達成報酬の1〜2割を基本とする)


 6.冒険者間の問題は自己責任とし、ギルドは一切関与しないものとする



 簡潔だが、こんなものだろう。





「よっしゃー!これで俺たちも冒険者ってわけだな!」


「そうね。まだ実感はないけど」


 カイルが興奮したようにギルドカードを何回も見ながら言う。

 それにアシュリーがさらりと返す。

 何時も見る、見慣れた風景だ。


「はしゃぐ気持ちはよく分かるが、今日はゆっくり休んでくれ。明日から依頼を受けよう」


 そう伝えると、俺たちは解散した。



 俺は帰路に帰る道すがら、塔での出来事を思い返した。あの影(あいつ)を見つけるためにはこれからどうするべきか。




 ーーーーーーーーーー


「私の名は〝リリス〟。一の対なる存在。第一都市ルシフの主で、この塔の主でもあります」


「っ!」


 リリス?何を言っているんだ。第1都市の主は…


「はい。驚かれるのも無理はありません。第1都市の主はルシファーでした。しかし、故あって今は私が管理しています」


 リリスはそう告げるとゆっくりと俺に近づいた。


「先ずはお礼を述べさせて下さい。私はこの力の殆どを封印されていました。貴方がその要を破壊してくれた事で、私はこうして姿を見せることが出来るまでの力を、取り戻す事が出来たのです」



 封印の要……。あの牛頭種(ミノタウルス)の事か。

 彼奴がこのリリスの力を封印していた鍵となっていた、という事か。


 しかし、何故封印されていた?いったい誰に?


「封印という事だが、どういう事だ?そもそもなぜ封印されていた」


 俺は用心深くリリスを見据え、疑問を説いた。リリスは深く目を伏せ、両手を胸に重ねて悲しげな表情をした。


 美しい。この様な場でも不意にそう思ってしまうほどの魅力がリリスからは溢れ出ている。俺はそう思ってしまう意識を無理やり無視して、リリスの言葉を待った。


「私は、という言葉は訂正させて頂きます。より正確にいうと〝私達〟はその力の殆どを封印させられてしまいました」



 〝私達〟?どういう事だ。

 ……まさか。


「7都市の……という意味か」


 俺は思わず呟き、その呟やきにリリスは肯定したように頷く。


「はい。貴方のいうように〝私達〟。つまり7都市の主達は何者かに封印され、その力の殆どを失ってしまいました。そして、誰が何の目的で其れを行ったのかは分かりません。今までは……」



 まさか本当に7都市の主達が封印されているとは……。

 しかし、主と崇められているモノ達は基本的には、何をするべきもなく存在し、崇められている。


 俺たちに、降魔の儀式という魔力の核を齎す(もたら)事によって恩恵は与えてはいるが、カイルやアシュリー達を考えてみるに、封印によってその力自体が弱くなっているとは考えにくい。つまり身も蓋も無い言い方をすれば、人族にとってこの地上(グラウンド)で生きていくにあたりまるで支障はない。


 そもそも、魔力の世界に準じている主達もこの世界の調和が取れている限り、封印されていようが問題はないとされている。だからこその封印に対する意味が、今までは分からなかったということか。


 だか、今までは……。


「この言葉を聞く限り、その封印に対する明確な意味が分かった。という事か」


「はい。そしてその存在は、貴方とも大きな関係があります」



 リリスは頷き、俺の言葉を肯定した。


「それは〝影〟です」


 そして更に続く言葉に、俺は驚愕し、息を呑む。



 影……だと!


「お前は、アレが何か知っているのか!」


 俺は形振り構わずリリスに詰め寄り、掴みかかろうとした。

 しかしその指は何に触れるでもなく空を掴む。


「ごめんなさい。まだ私の力では貴方と触れ合う事は出来ません。せめてこの姿を映す事しか叶いませんでした」


 哀しそうに顔を歪めるリリスに俺は苛立ちを覚えたが、触れる事も出来ない以上どうする事も出来ないと思い直し、ただ睨みつけた。


(アレ)はなんだ!彼奴を知っているのか?」


 俺は出来るだけ冷静に努めるようにリリスに問いかけた。



「はい。あの影は……魂なき存在です。神を冒涜したとされるモノの成れの果ての姿です」


 顔を深い悲しみの色に染めてリリスは言った。神の冒涜者…確かにアレからはそんな感じがする。何か良くないものを連想させる。


「彼はその身を7つに分かち、この世に存在しています。また、その身は決して朽ちる事はないでしょう」


 その言葉に俺は眉を顰めた。


「それは、彼奴を殺す方法がないということか?」


「残念ながら、彼をこの世から滅ぼす方法はありません」


 その問いへの答えに俺は拳を強く握り、歯を食い縛る。

 くそっ、奴を殺す方法はないのか。いや、でも。


「そこのアレはどうなっている?」


 俺は牛頭種(ミノタウルス)の方を視線で差してリリスに問いかける。もし殺すことが出来ないとしたら、彼奴も蘇るってことか?


「確かに彼はこの世から滅ぼす方法はありません。しかし、特別な力で無力化してしまうことは可能です」


 特別な力。


「〝奪う〟力……」


 俺の口から零れた言葉にリリスは頷く。


「その通りです。その力は彼の存在そのモノを使用した器に封印する事で無力化することが出来ます。しかし其れは余程大きな器にしか収めることが出来ません。つまり、この世界ではエルロイド……貴方しかいないでしょう」



 エルロイド……か。

 随分懐かしいで呼ばれた方だ。


 母さんと父さんを失くして以来、親しみを込めてそう呼んでくれる人はいなくなった。


 しかし、そうなるとあの影は、力そのものの存在という解釈でいいのだろうか。魂なき身体に、俺は総てを奪われたのか。俺は過去を思い返し、込み上げてくる苛立ちを飲み込んだ。


「……あの影はまだ後6つ存在している、ということでいいか?そしてその内の一つは、俺の総てを奪った存在ということか」


「はい、その解釈で間違いありません。ですが、その〝奪う〟力は私が貴方に与えたモノですが、貴方に与えたモノではありません」


 リリスの問いかけに疑問を浮かべて俺は応える。


「どういうことだ?分かりやすく言ってくれ。俺は禅問答は得意じゃない」


「その力は貴方に元々潜在していた力という事です。その力を私が貴方に使えるように導き、引き出しました」


 これで漸くリリスが言っていた言葉が理解出来た。


「俺に関係がある、と言っていたのはそういう事か」


 リリスが言っていたのは、俺と奴との因縁だけでなく、俺が奴を無力化する事が出来る力を潜在していた、という事を含めて言っていたということか。


「俺にその事を、タダで教えてくれたって訳じゃないよな」


 そう、そもそも俺に教えるメリットはリリスにはない。つまり、何かしらの思惑があると捉えたほうが自然だ。


「ええ。総ての影を、その力で封印してほしいの」


 そして一呼吸おいて言葉を続ける。


「貴方の目的と殆ど変わらないでしょう?」


 少し悪戯をしたかの方に微笑み掛けてくる。その姿に俺は一気に肩の力が抜けた。


「そうだな、確かに変わりはしない」


 その言葉に今度は純粋な笑みを浮かべる。


 リリスは急に佇まいを正した。


「エルロイド、貴方に伝えておく事があります。影は大きな力を持っています。その力は貴方の力で封印し、奪う事が出来ます。」


 力を奪う。確かに俺は奴から何かを奪った。その力の一端は牛頭種(ミノタウルス)にも負けないパワーだったな。


「確かに俺は彼奴から〝(パワー)〟を奪い去った」


 俺が頷き肯定したが、リリスは首を振った。



「確かに力やスピードは奪い去る事が出来ますが、それは一時的なモノです」


 俺は目で続きを促す。


牛頭種(ミノタウルス)が纏っていた影。あれこそが力の源であり、その存在自体が力そのものなのです。そしてそれらには特殊な力が備わっています」


「特殊な力だと?」


 リリスの言葉に驚きを隠せないまま疑問を言葉にする。しかし続く言葉に俺は更に驚かされた。


「今回の特殊技能(ちから)は〝鑑定の力(ステータスオープン)〟みたいですね」



「なっ!」


 〝鑑定の力(ステータスオープン)〟はギルド等の特別なアイテムを持つ場で初めて使えるものだ。それを個人が使えるというのは、大問題どころの騒ぎじゃない。


「それでは本題に入りましょう……」


 リリスは静かにそう告げた。ーー


本日から第2章はじまります。

日曜日更新を基本としたいので、よろしくお願いします!


さて、この世界での通貨の説明をします。


この世界での通貨は


石銭貨

鉄貨

銅貨

銀貨

金貨

大金貨

白金貨

と分けられています。


1石銭=1円となります。


100石銭貨で1鉄貨

100鉄貨で1銅貨

10銅貨で1銀貨

10銀貨で1金貨

10金貨で1大金貨

10大金貨で1白金貨となります。


大体2〜3銀貨で一月分の生活費が賄えると考えてください。


1白金貨一枚で一億円。

夢がありますね!

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