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兄妹契約  作者: 花屋
1/2

妹の言いわけ

「ずっと、

「俺の妹にならない?」


 そう言ったのはあたしが10歳のとき。母さんが死んで独りきりになって。差し伸べられた手の持ち主は、そのとき21歳。親子になるには微妙な年。

 11歳差の恋なんて、今どきありふれてるのかな?


「夕食何?」

「何だと思う?お兄ちゃん、何が食べたい?」

「そうだな……雪が作ったものなら何でもいいよ」


 なんて。

 職場では鬼って呼ばれてるのに、あたしにだけは優しくって。

 学校ではドSって罵られてるのに、お兄ちゃんにだけは懐いてて。

 これって、あたしのこと大好きだから?あたしがブラコンだから?普通の兄弟ってこんなもの?それとも――あたしたちってどうせ、本当の兄弟には成り切れない?

 あたしのこと、妹としてすら見て無いのかな。


「愛してる」


 とか。

 絶対に言えるわけないよ。あの手をとったときから、あたしは妹でお兄ちゃんは兄。そういう約束。この契約を破るわけにはいかないの。この契約はあたしを縛ると同時に、守ってもくれるんだから。

 お兄ちゃんがホテルに消えるところを、何度か見たことがある。その度ごとに違う女の人で。でもみんな美人で。あたしもお願いしたら抱いてくれるだろうか、なんて馬鹿なこと考えたときもある。

 それでもお兄ちゃんは、ちゃんとあたしの夕食を食べて寝る。


 たくさんの女の人と付き合って、別れて、それをあたしは側で見ていくんだろう。お兄ちゃんが結婚しても。

 あたしのこの体が穢れることはあるのかな?


 せめてこれだけは言わせてください。


「お兄ちゃん、ずっと一緒にいてね」


 契約内容を更新しますか?


「ああ」


 Yes.



読んでくださりありがとうございます。

もう1話、明日の21時に投稿されます。

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