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へ~んしん!! ……・したくはなかったが。

そんなこんなでタグ追加。

 こないだの日記:困っていた人を助けたら冷凍された。いや、何を(ry。




 私が見ているのは鏡です。

 鏡には銀色の長い髪で、リリアさん程ではないけれど、結構スタイルの良い体で、少なくとも10人中9人が可愛いと思うかもしれない顔立ちの女性がいます。

 眼は真っ赤なのでヴァンパイアであることは変わらないみたいです。

 ……どうしてこうなっちゃったんでしょう? まあ、理由は分かっているんですが……

 あ、信じてもらえないかもしれませんが、私、粟生永和です。

 え、話し方まで違うって?

 そ、そんな事言われたって仕方ないじゃないですか~!!

 何故か分からないんですけど自然とこんな風に考えちゃうんですから仕方ないんですよぉ~!!



 

 ―――ふむ、何やら面白……もとい、大変なことになっているな。よし、今回だけだが、本来の考えを()内に記されるようにしておこう。まあ、頑張ってくれ。私はお前達の言動を楽しく見守っておいてやろう―――




 ありがとうございます。これで何とか信じてもらえそうです!!

 (おい、本音が混じってるぞ、本音が!! ……だが、お陰で信じてもらえそうだな。ところで、()って何だ?)


 えっと……まずはどうしてこうなったか説明しないといけませんね。

 (とりあえず、何でこうなったか説明するとしよう)





 

 あれは2時間前、シリアさんに呼ばれて彼女の研究室に行ったんです。

 (あれは2時間前、シリアに強制連行を言い渡されて引きずられながらあいつの研究室に行ったんだ)


 それで、そこで片づけを手伝うことになったんです。

 (でもって、あいつが研究してる中、1人で混沌とした研究室を掃除させられたんだよな)


 掃除が終わると、シリアさんが、「お疲れ様、これでも飲んで元気だして♪」と言って、水の入ったペットボトルを渡してくれたんです。

 (掃除が終わるとシリアは、「アンタ、この間これ忘れてるわよ。ちゃんと持っていきなさい」って言って、ペットボトルを俺に投げた)


 で、この離れに戻ってから少し喉が渇いたので、この水を飲んだんです。

 (で、この離れに戻ってから少し喉が渇いたんで、この水を飲んだ訳だ)


 すると、何だかモヤ~ッとなった後、パァーッとなったんです。それで、気が付いたらこんな身体に……

 (すると、突然視界が霞んで、体が弾けるような感覚を覚えた。で、気が付いたらこの身体)





 何かがおかしな気がしますけど……大丈夫ですね? 少し脚色しましたけど。

 (だぁぁ~!! 俺はアホの子か!? 全然違うじゃねぇか!! 脚色しすぎだ!!)


 そう言うわけで、今とっても困っています。皆さんお出かけ中ですし……

 (……何はともあれ、今これ以上なく困っている。全員買い物に行ってるしな……)


 とりあえず、分かったことは私は本来よりポジティブな性格みたいです。

 (とりあえず、今の俺はいつもより世界が明るく見えているようだ)


 っとと。そんなことよりお掃除しないと。もしサボったとか思われちゃいますととってもキツイお仕置きが待ってますからね。

 (はあ……まずは掃除すっかね。サボったとか思われるとまたミイラにされる)


 あ、CDを見つけました!! え~と、「G線上のアリア」ですね。

 (お、CD? 「G線上のアリア」とはまた珍しいな)


 これを聴きながら掃除をすればきっと気分も良いですよね。えっと、プレーヤーにセットしてと♪

 (ふむ、久々に聴いてみるのも悪くない。プレーヤーが確かこっちにあったよな)


 ♪~♪~♪~


 う~ん、やっぱり音楽はいいです。心が和みます♪

 (うむ、やはり音楽は良い。心が癒される……しかし、考えることは微妙に違うが、することは同じなのか)


 さあ、和んだところでお掃除に戻りましょう。これは後でも聞けますしね。

 (っと、こいつは後でゆっくり聞くとしよう。その前に掃除だ)


 花瓶の周りのホコリをはたきで取り……あっ!!

 (さて、花瓶の周りのホコリははたきで……な!!)


 ガッシャーン!! と音を立てて花瓶が割れました。箒を持ってきて破片を集めます。……あぅ~、これ幾らするんでしょうか……

 (盛大に音を立てて花瓶が割れた。仕方がない、箒を持って来るか。はぁ……コイツ幾らするんだか……)


 気を取り直して反対側の花瓶の台をはたきます。パタパタ……ああっ!! お願い、間に合って!!

 (まあ、割ってしまったものは仕方がない。次に行くか。……うぉっ!! ちっ、間に合え!!)


 また花瓶が落ちそうになったので、スライディングキャッチしました。キャッチ成功、花瓶は無事です♪

 (危ねえ、危ねえ。また落とすところだった。スライディングが間に合ってよかった……)


 花瓶を戻して……ふう、これでよし♪

 (やれやれ……今日は調子が悪いな)


 次は、額縁のホコリを落とします。今度は落とさないように……きゃあ!?

 (次は額縁か。幾らなんでもコイツを落とすことはないと思うが……おわっ!?)


 ……うぅ~、濡れ雑巾で滑ってお飾りの甲冑に突っ込んじゃいました……とっても痛いです……血も結構出ちゃいましたし、手当てをして着替えないと……

 (……なんで濡れ雑巾が落ちてんだ? お陰で倒れてきた甲冑の剣が俺の腹に深々と刺さってんだが? ……とりあえず、手当てと着替えだな……)


 自分の部屋に戻って着替えます。身長はそんなに変わってないのでいつもの執事服で大丈夫そうです。

 (部屋に戻って着替える。多少縮みはしたが、それほど身長は変わってないのでいつもの執事服でOKだ。身長? うるせー、どうせ俺の身長は170cmねえよ)


 あ、あれ? 執事服がありませんよ? ……あっ、良く考えたら今全部修繕中なのでした……

 (ん? いつもの服が無いな。 ああ、そうか。全部修繕中なんだった。……何かあると破けるんだよな、心臓打ち抜かれたり、ペロの爪が引っかかったり)


 何か代わりの服は……ありました!! ……えっと、今なら大丈夫ですよね、メイド服。

 (代わりの服は……メイド服? ……うぐぐ、血まみれの服で客に応対するわけにはいかん。今なら問題もないし止むを得んか)


 何かいつもと違うのでちょっぴり複雑な気分で着替えます。胸の辺りが少しきついですけど、見た目は大丈夫ですね。

 (めっさ複雑な気分で着替える。具体的には色々な喪失感とか、喪失感やら。あと、胸の辺りの圧迫感やら。因みにブラは無かった)


 それにしても、何だか使う包帯の量がいつもより少ないですね。少し得した気分です♪

 (それにしても、随分とウエストが細いな。……自分の身体に見惚れるとかどうなのよ、俺……)


 はぁ~、何だか今日は失敗だらけです。少し休んで落ち着きましょう。

 (ったく、今日はどうしたってんだ俺は? ……少し休むか)


 さっきのCDプレーヤーの所に行ってまた「G線上のアリア」を聴くことにします。

 (さっきのプレーヤーで「G線上のアリア」を聴くとしよう)


 ♪~♪~♪~


 心地の良いオーケストラの音が響き渡ります。

 (心地の良いオーケストラの音が心に沁みいる)


 ……よし、元気だして、お掃除再開です♪

 (……さて、もういいだろう。しかし、我ながら随分と早い立ち直り方だな)


 散らかった甲冑を片付けて、飛び散った血を拭きます。メイド服って、意外と動きやすいんですね。

 (散らかった甲冑を片付け、広がった血を拭く。しかし、作業服だけあって動きやすいな、この服)


 何だか今日は割れ物や危険なものを扱うと大変なことになりそうなので、広間の掃除は中止して書斎のそうじにしましょう。

 (……今日は割れ物とかは駄目そうだな。書斎の掃除にするか)


 書斎に行くと、机に上には本の塔が出来ていました。……ミリアさん、読んだらちゃんと後片付けをしてください。

 (書斎の机には本の塔が出来ていた。……ミリアだな。しかし、天井近くまでどうやって本を積むんだ?)


 脚立を持ってきて上のほうから少しずつ本を下ろします。崩さないように……ひゃあ!?

 (脚立を持ってきて上のほうから本を下ろす。流石にこれなら……のわっ!?)


 ……ふぇ~ん、本が崩れてきました~痛いです~。

 (……はぁ、やっちまったか。怪我は……無い様だな)


 「何事ですか!? ん? 失礼ですがどちら様ですか?」


 今の物音で書庫から慌ててサバスさんが出てきました。はうはう、どうしましょう?

 (今の騒音でサバスがすっ飛んできた。さて、どう説明したものか……?)


 「あ、あの……」


 「む、この気配は……永和様!? 一体どうしてそのようなお姿に!?」


 サバスさんはとても驚いた様子で私のことを見ています。

 (サバスは驚いたようで、カッと眼を見開いて俺のことを見る)


 な、何で分かったんでしょうか、サバスさんは? でも、これで説明の必要がなくなりましたからよしとしましょう♪

 (此処まで変わり果てた俺を気配で当てるとはアンタ何者だ? まあいい、これで説明の手間が1つ省けた)


 「じ、実はですね……」


 とりあえず、今までの経緯を話す事にしました。するとサバスさんは、遠くを見て言いました。

 (とりあえず、今までの経緯を話す。するとサバスは深い悲哀に満ちた表情でこう言った)


 「おいたわしや……貴方様もシリア様の実験台になってしまわれたのですね……」


 ……やっぱり、原因はシリアさんみたいです……ぐすっ、あんまりですよぉ、シリアさぁん……

 (分かっちゃいたがやっぱそうか。くそ、どうしてくれる、この身体?)


 「それにしても、何故かは知りませんが、貴女様から永和様には無かった、何というか……オーラを感じます。そう、世間で言う「ドジッ子」と言われるものでしょうか……それから、やはり永和様同様に「弄られ属性」と言うべきものも感じ取れます」


 悲しそうな眼で私に語るサバスさん。ドジッ子……弄られ属性……そんなの要らないです……orz

 (哀れみに満ちた眼を俺に向けるサバス。……いや、薄々感づいちゃいたけどな……orz)


 「と、とりあえず、今は片付けるのを後にして、元に戻る方法を探しましょう!!」


 サバスさんは近くにある本を取ろうとしました。でも……

 (サバスは本を取ろうとするが、)





 すかっ。





 「……」


 「……そうでした。私めは幽霊ですから何も触れないのでした……」


 そう言うと、サバスさんは書庫の隅に引きこもってしまいました。可哀想に……

 (そういうと、サバスは書庫の隅に引きこもってさめざめと泣き始めた。哀れな……)


 でも、私にはどうしようもないので、元に戻る方法を探すことにしました。

 (だが、それに関しちゃどうしようもないので元に戻る方法を探すことにした)


 まずは、本で調べてみましょう。あの薬が何の薬なのか分かれば、それを解除することが出来るかもしれませんしね。

 (とりあえずは本で調べるか。薬の正体が分かれば、解除の方法が分かるやも知れん)




 ピンポーン……ピンポーン……




 あうあう、こんな時に誰ですか~? で、出るしかありませんよね?

 (はぁ~、こんな時にこんな辺境の館に客とは何処の物好きだ? ……出るしかねえか) 


 「あ、あの、どちら様でしょうか……」


 「あれ? この館にこんなに可愛いメイドさん居たっけか? あ、すみません、ヒサトの奴居ますか?」


 ドアを開けるとそこには金髪碧眼の男の人が首をかしげて立っていました。

 (ドアを開けるとそこには金髪碧眼の男が首をかしげて立っていた)


 あ、ファイスさん!? な、何でこんな時に来るんですか!?

 (げぇ、関羽!? じゃ無かった、ファイス!? 何たってこんな時に……)


 私がそのヒサトだとばれたら絶対にフォリーナさんにばれちゃいます。それだけは避けないと……

 (俺がヒサトだとばれたらコイツは間違いなくフォリーナに吐かされる。知られたら一巻の終わりであろう)


 「あ、あの、ヒサトさんは今ご主人様達と御一緒にお買い物に行っております。ですから今は……」


 「あ、そうですか。……ところで、貴女のお名前は?」


 な、名前ですか!? え、えっと……

 (何でそんな余計なことを聞く、貴様は!? 何か名前は……)


 ♪~♪~♪~


 さっきのCDプレーヤーから音楽が聞こえてきました。あ、そうだ!!

 (先程のプレーヤーの音楽がリピート再生されているようだ。ああ、そうだ、)


 「も、申し送れました。わ、私はアリアと申します」


 「へぇ~、いい名前だね。何時から此処にいるの?」


 ファイスさんは特に変わったところも無くて、普通に喋ってます。

 (ファイスは特に何の変化もなくいつも通りの喋り方をする)


 ……良かったぁ……特に疑われてはないみたいですね。

 (ふう……特に疑われてはないようだな)


 「えっと、最近来たばかりなんです」


 「そっか。それじゃ、仕事の邪魔しちゃ悪いし、俺はこれで帰るよ。ああ、そうだ。アイツに伝言頼まれてくれるか? 明後日にガストさんと釣りに行くんだが、お前もどうかってな。返事は電話で頼む。それじゃあ、俺はこれで」


 「は、はい。確かに引き受けました!!」


 そう言うと、ファイスさんは何やら満足げに帰っていきました。

 (それだけ言うと、ファイスは何やら満足げに帰っていった)


 ふう、釣りですか……良いですね~。私も行きたいです♪ そのためにも早くもとに戻る方法を探さないと……

 (釣り、か。そういえば最近行ってないな。久々に行くか。その前に、元に戻る方法を探さないとな)



 *  *  *  *  *



 ……う~ん、本で調べてもなかなか見つかりません。何か別の方法で調べないと駄目なんでしょうか?

 (……見つからねえな。となると、別の媒体で調べる必要が有るのかもな)


 時計を見ると、今は13時。私がこうなってから2時間が経過しました。

 (今は13時か。身体がこうなってから大体2時間って所だな)


 「ヒサトく~ん? 帰ったわよ~?」


 「Relax Spotのケーキもあります。冷蔵庫に仕舞っておきますね~」


 「何してんのよー? 早く出てきなさい!!」


 玄関からお出かけしてた皆さんの声が聞こえてきました。

 (玄関から買い物に出ていた3人の声が聞こえてきた)


 あわわ、皆帰ってきました!! ど、どうしましょう?

 (ちっ、予定より帰ってくるのが早いな。どうしたものか……)


 しばらく考えていると、突然なんだかモヤ~ッとなって、パァーッとなりました。

 (しばらく考えていると、突然視界が霞んで、身体が弾ける様な感覚を覚えた)




 ……これは……元に戻れたのか? 

 (……これは……元に戻れたんでしょうか?)


 な、何はともあれまずは着替えよう。外に俺の私服が干してあるはずだ。流石に男のメイド服は拙い。

 (と、とにかく着替えなきゃ!! 男の人がメイド服を着ていたら変態さんみたいです!!)


 人目につかないルートで外に出て、急いで私服に着替える。

 (皆にいられないように外に出て、急いで私服に着替えます)


 ……ちょっと待て。何で未だに()があるんだ、リニア?

 (あ、あの、リニアさん? 何でまだ()があるんでしょうか?)




 ―――……知らん。必要だからある。それだけだ。尤も、それが有るのは今回だけだがな―――




 ……今回だけは?

 (……今回だけは?)


 「あ、ヒサト!! 何やってんのよ!! ほら、さっさと来る!! お昼ごはんまだ食べてないんだから早く来る!!」


 リニアの言葉に首をかしげているとシリアが俺に声をかけた。

 (リニアさんの言葉の意味を考えているとシリアさんが私に声をかけてきました)


 シリアは俺を見つけると、俺の腕を引っ掴んで引っ張り始めた。結構痛い。

 (シリアさんは私を見つけると、私の腕を掴んで引っ張って行きました。痛いですよ~!!)


 「わ、わかった!! 今行くから引っ張るなって!!」


 それから、昼食を取って残りの掃除をした。今度は、ドジをすることも無く掃除を終えた。

 (それから、お昼御飯を食べて残りの掃除をしました。今度は失敗せずに終わらせる事が出来ました。しくしく……)


 15時を過ぎて皆で集まってティータイムとなった。

 (15時を過ぎて皆でティータイムの時間です)


 ♪~♪~♪~


 「あら、この音楽は何?」


 突然流れてきた曲に、シリアが顔を上げる。どうやら、この曲に興味があるらしい。

 (いきなり流れてきた音楽にシリアさんが顔をあげました。どうもこの音楽に興味が出てきたみたいです)


 「ああ、これはね~、J.S.バッハの「G線上のアリア」って言う曲なのよ~。確かヒサト君の世界の曲じゃなかったかしら~?」


 リリアは自分の情報を確認するように俺に話しかけた。

 (リリアさんはリリアさんが持ってる知識を確認したいみたいで、私に質問してきました)


 「そうだな。しかし何処で見つけたんだ、これ?」


 オレンジペコのダージリンの茶葉に湯を足し蒸らす。うん、今日のケーキには良く合いそうだ。

 (オレンジペコのダージリンの茶葉に湯を足し蒸らします。うん、今日のケーキには良く合いそうです♪)


 「それはガストさんが茶葉を仕入れた時に買ってきたものなんですって。聴いてみたら同じもののレコードが有ったそうなんでCDを貰ってきたんです」


 むう、流石は放浪ダンディー。レコードとはまた渋いな。

 (ふわ~ぁ、凄いですね。レコードを持ってるんですか、ガストさん)


 「ああいうクラシック音楽は確かに好きそうだな、あの人は。他に何かあったか?」


 「後はよく分からないものも多かったわよ~。確か、ゴスペルって言うのもあったわ~」


 ゴスペル……俺の世界じゃキリスト教の福音歌だ……ヴァンパイアが聴いて平気なものか?

 (ゴスペル……私の世界じゃキリスト教の福音歌ですよね……ヴァンパイアが聴いて平気なのでしょうか?)


 ♪~♪~♪~


 「……良い曲だ……」


 「あら? ヒサトってこういう曲好きなの?」


 俺の呟きにシリアが気づき、俺にそんな質問をした。

 (シリアさんが私の一言に気がついて、そんな事を訊いてきました。


 「少なくとも嫌いではないな。こういう曲を聴くと心が落ち着く」


 「ふ~ん。アタシはこの曲で眠れそうだけどね」


 そういうと、シリアは興味を無くしたらしく、紅茶を飲み始めた。

 (シリアさんは興味を無くしちゃったみたいで、そう言うと紅茶を飲み始めました)


 それは音楽に対する冒涜じゃないか? いや、子守唄とかは確かにあるがこれは違うだろう。

 (あ、あの、それは音楽に対して失礼じゃないですか? 子守唄じゃないんですよ?)


 っと、そろそろ紅茶が淹れられるな。さてと、うっ!?

 (っとと、そろそろ紅茶が出来ますね。さてさて、ふえっ!?)


 視界が霞んで身体が弾ける……!!

 (モヤ~ッとなってパァーッとなります……!!)


 「ヒ、ヒサト君?」


 「あ、あらら!?」


 「あ、アンタ……!!」




 私の突然の変化に思わず驚くミリアさん達。

 (突然の俺の変化に驚愕するお三方)


 ……何で……何でまたこうなるんですかぁ~!?!?

 (何でこうなるんだぁ~!?!? 説明求む、説明!!)


 「シリアさぁん!!」

 

 「な、何よ!!」


 「貴女がくれた水を飲んだらこうなっちゃったんですけど、どうなってるんですか~!?」


 「え……あ。もしかしてアタシ、間違えてあの薬渡しちゃったのかしら!?」


 私がそう言うと、シリアさんはハッと何かに気がついたような感じで答えました。

 (俺がそう言うと、何やら心当たりがあるらしかった)


 「あれって何ですか!?」


 「……えっと……アンタの想像通り、性転換薬。洒落のつもりで作ったんだけど、その格好じゃ少し肉体改変もされてるみたいね、髪の色が違うし。……待って、ひょっとして貴女、性転換した自分に名前を付けた?」


 「え、え~っと……あ、はい。お客さんに名前を尋ねられて咄嗟に「アリア」と……」


 「あっちゃ~、名前付けちゃったか~。つけなかったら1回きりで済んだのよ。恐らく、これから先、「アリア」って呼ばれるか自分で呼べばヒサトはアリアに代わることになるわよ」


 頭をガシガシ掻きながら困った感じでシリアさんはそう言いました。

 (頭を激しく掻きながらシリアはそう言った)


 そ……そんな……えーん、ファイスさん、何であの時名前を聞いたんですか~!?

 (おお、ゴッド!! 今からお前を殺してやりたい!! それからファイス、テメェは俺がブッ殺す!!!)


 「それから、一度変化したら確か……2時間は代われないはず。それから名前を呼ばれてから変化するまで3分だったはず。だから、アリアになって2時間後に「ヒサト」と呼ばれるか自分で呼ぶかすれば元に戻れるわ。それは覚えておいて」


 うう……こんな身体になったのは悲しいですけど、仕方が無いですよね……

 (ぐぐぐ……仕方が無い、腹を括るか。こうなってしまったものは仕方が無い)


 「それにしても……随分可愛くなっちゃいましたね、ヒサトさん。あ、今はアリアさんですね」


 そう言いながらじーっと私の方を見ているミリアさん。

 (ミリアはじっと俺の方を見ている)


 ううっ、目線に何か危険なものを感じます……

 (その視線は舐めるような視線だった。)


 「本当にね~。スタイルも良いし、性格も元がヒサト君ならきっと可愛いわよね~?」


 ニコニコしながらそんな事を言ってるのはリリアさん。

 (満面の笑みでそんな事を言うリリア)


 あ、あう~、私は男の子なんですからそんな事言わないで下さいよぅ。

 (頼む、そう言う事は言わんでくれ。凹む)


 「……よく見れば本当に可愛くなったわよね……っていうか……その胸は私へのあてつけか~!?」


 手をワキワキとさせながらシリアさんが迫ってきます。

 (手を動かしながらシリアは迫ってくる)


 そ、その手は何をするつもりですか? え、えと、やめて下さいね?

 (ええい、何を考えてるか想像はつく、やめんか!!)


 な、何ですか? 何だか肉食動物に狙われた草食動物の気分ですよ?

 (こ、これは拙い。とっとと逃げねばって、行動が遅い!!)


 「それっ、確保~♪」


 「了解っ♪ それっ!!」


 「え、ええ~!? ひゃあ!?」


 ミリアさんが飛びついてきたのを何とか避けます。

 (ミリアのタックルをギリギリで避ける)


 「あ、シリア、そっち!!」


 「逃がすかぁ!! たりゃあ!!」


 「ムギュ!! シ、シリアさん!?」


 避けたところにシリアさんが突っ込んできました。

 (飛びのいた先の着地地点に居たシリアにタックルを喰らう)


 あわわわわわ、シリアさんに捕まってしまいました……今私のお腹の上に馬乗りになってます。

 (ち、シリアにマウントポジションを取られたか!! これは拙い)


 「フッフッフ、さあ、まずはどうしてくれようか……よし、まずは……こうしてくれる!!」


 「えっ、き、きゃあああ!?」


 そう言うと、シリアさんは私の胸をグニグニと揉み始めました。

 (そう言うなり、シリアは俺の胸を弄び始めた)


 や、止めてくださいシリアさん!! 胸が大変なことに~!!

 (止めろ馬鹿!! 人様の胸を揉みしだくんじゃない!!)


 「このこの、この~!!」


 「ひゃあああああああ!?」


 あうあう、さっきより激しくなってますよぉ~!!

 (更にシリアの攻撃は苛烈さを増していく。誰か止めろ!!)




 この後、かなり酷い目に遭いました。

 (この後、徹底的に遊ばれた)


 ……ぐすん、酷いです。だれか私に幸運を下さい。

 (……ちっ、酷いもんだ。俺に幸運を分けてくれ、誰でも良いから)


 永和君、TSの憂き目にあう。


 正直この話を書くのはめっちゃ疲れた。

 同じことを2回書かなきゃいけないんだもの。

 

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