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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第4章「魔法少女ワールドカップ編」

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第69話「トラブル・トラベル」

千葉県、成田空港。


「えー、報告です。佐藤ゆりあ大臣はインフルエンザ罹患のため、引率者が私、水田マリに代わりました。2時間前の決定でした」


マリ理事長の言葉に私は言った。


「それでもう、おつかれ気味なんですね」

「今までの無茶振りでベスト3に入るわね……。

あ、西田真琴さんも、よろしくね」

「あ、はい。よろしくお願いします!」


真琴ちゃんは新品のスーツケースと新品の制服。新品の『テンペスト』もキラキラしていて、なんだか『新人感』が眩しい。


何はともあれ、空港内で集合して出国申請だが……、前に家族とハワイ旅行に行った時と違いすぎて経験が役に立たない。


「早くないですか?」

「今回は『日本代表』よ。だから国益にもなる事だし、色々と甘いの。さて、ファーストクラス用のラウンジでアナウンスまで待ちましょうか」

「え?ファーストクラス?」


ずっと後ろをついてきた真琴ちゃんが、そこでは反応した。


「『ビギナー部門』とはいえ、あなたも『日本代表』よ胸を張りなさい」

「はい……!」


パシャ!

スマホのカメラで自撮りする。真琴ちゃんも入るように。


「『ファーストクラスラウンジなう』っと、真琴ちゃんも『うさぎ組』に送る?」

「あ、はい!その写真もらっていいですか?」


♦︎♦︎♦︎


ファーストクラスでも時間は変わらない。

離陸から13時間ほど、夕方のヒースワロー空港に到着した。


諸般の事情により、機内の描写はカットします。CAさんはおむつ交換まで手伝ってくれるなんて恥ずかしくて言えません。


到着ロビーには、出迎えの事務局の人が待っていた。


「ようこそジャパンチームの皆さん。『ジャパンチーム』専属アテンドの『魔法少女ワールドカップ事務局』のかえでと申します」


今のスーツ姿より和服が似合いそうな妙齢の女性だった。


「今日はこれからドンロン市内のホテルへ向かいます。明日は11時にホテルを出発、12時にバーミンガム宮殿で昼食の後、組み合わせ抽選とオリエンテーション。夜は選手交流のパーティーとなっております」

「かえでさん、ありがとう。ホテルにチェックインしたら、買い物に付き合ってくださる?電話で話した通り、佐藤ゆりあがインフルエンザで急遽、私が来たから女王の前に立てる服装がないの」


かえでさんの説明にマリ理事長が状況を説明して、予定が決まっていく。時差ボケもあるし、ホテルで大人しくしている事にする。


私達を乗せた黒塗りの車は、1時間ほどで古い石造りのホテルへと滑り込む。とても歴史を感じるホテルだった。


フロントで受付をする事もなく、カードキーを私達に差し出し、部屋に案内される。


「3名ですのでスイートルームを1室ご用意しました。リビングもございますので作戦会議や打ち合わせも問題ないかと思います。引率の水田マリ様がこちらのマスターベッドルームを。選手の藤原さくら様、西田真琴様はこちらのツインベッドをお使いください」


そう言って、かえでさんは私達のキャリーケース2つを部屋に置く。


「夕食はいかがします?」

「さくらちゃん、ルームサービスで済ませておいて、さっきも言ったけど、服がないから準備のために出かけるわ。かえでさん、お願いします」


そう言って、真琴ちゃんと2人で部屋に残る。


「さくら先輩、なんだか荷物少なくないですか?」

「え?制服が2着と肌着が数着、これで大丈夫じゃない?」

「大事なもの、忘れてません?」

「おむつは『ナイル』で注文できるよ?ホテルにも発送可能だし、日本で使ってるプリンス製紙の『アプリコット』も在庫あるし」

「旅慣れてますね。私、バレたらとか考えちゃって」

「いい?『魔法少女ワールドカップ』だよ?って事は『おむつ少女ワールドカップ』じゃない?」

「あ!そうか!」


真琴ちゃんの顔が明るくなった。

夜が明けると、いよいよ世界の魔法少女と対面するのだ。

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