第55話「12月24日②福岡2」
福岡市中央区、警固公園。
Ця сучка тримає ODA в заручниках!
あら、ごめんなさい。つい母国語が出ちゃった。
ワタシはこの国への恩義からこの戦いの助太刀を買ってでたの。
まずは公園でビーストに囲まれている子達を火炎吐息で救出する。
「『Огненное дыхание』!」
ビーストを3体程炎上させて倒す。
「私は謎の魔法少女、『M』!」
(62歳にJKの制服はキツイわ!)
ポカンとした顔の魔法少女達に優しく言ってあげる。
「まだ戦闘中よ。よそ見はダメ」
そして、上空へ。相手は3人か。
「こっちは私が引き受けるわ。下のビーストをお願い」
(下手に巻き込んで、ODAを減額されても困るし)
さすが若い子は素直ね。さて、速攻で片付けて呑むとしますか!
そう思った私の真正面で爆発が起こる。
哀れね。ゆりあの術中にハマっている事も知らないなんて。
「『Блок Марії Тимошенко』!」
前に使った時とは違い、瞬間だけ酸素を奪う。相手の魔女は3人ともバタリと倒れる。脳に酸素が行かなくなり失神したのだ。殺さないわよ。コピーされたテンペストを外して、手足を折る。これで気がついても抵抗できないはずだ。
下の方も2チームで戦っているのでビーストも減ってきた。
(ゆりあ、東京での交渉、楽しみね。夏樹ちゃんもまた遊んで欲しいな)
駅の屋上で戦う少女を見下ろしながらそんな事を考えた。
♦︎♦︎♦︎
同じ頃、東京都新宿区市ヶ谷、
防衛庁統合幕僚監部室。
「福岡、マリア=ティモシェンコ氏の参戦で戦況は好転。優勢です」
西部方面部長が告げる。
「やはりAMFGが効いてますね。他都市の展開状況は?」
中島浩二首相が聞く。
「大阪・仙台は福岡同様、アドトラック擬態型AMFGを投入、広島、横浜は海自が護衛艦で呉と横須賀から出動中。名古屋は広井夏樹嬢が『手持ちを使う』とのことです」
情報分析班の1人が報告する。
「札幌は?」
「それが札幌ではなく、ニセコでスタンピートが発生しています。空自のアパッチが15分後に到着予定です」
報告を聞いて中島首相は頷いた。傍らの朝倉防衛大臣が口を開く。
「それにしても佐藤文科大臣は恐ろしいですね。これを見越してAMFGを『同盟国』の兵器に見せかけ、防衛省に開発を持ちかけるとは・・・」
「しかも、こちらの『新型テンペスト』にはその『AMFG無効モード』が搭載されている」
中島と朝倉の会話に割り込むように
「ニセコに現着した魔法少女より入電。『シークレット・ヘブン』の元・魔法少女は『田代ナナ』なる人物に倒された模様。これよりスタンピート鎮圧に移る。とのことです」
日本の主要都市。いや、魔法少女の拠点のある都市での戦乱の始まりだった。




