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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第3章「シークレット・ヘブン」

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第54話「12月24日①福岡」

警固界隈──それはネットスラングでありながら、もはや行政資料にも登場する固有名詞となっていた。

「トー横」「グリ下」「ドン横」と同列に語られる、「居場所のない少年少女たちの『避難所』」である。


家庭は機能せず、学校は拒絶し、SNSだけが彼らの生存証明だった。

12月24日、クリスマス・イブ。

繁華街は恋人たちで溢れ、家族連れで賑わう一方で──警固公園には、暖を取るために段ボールを敷いた若者たちが群がっていた。


「スーイカ、スイカ、高・収・入ーー」


アドトラックが流す、その甘い毒のような音楽が、聖夜の雰囲気を切り裂く。

ここにはサンタも教会もいない。ただ、行き場のない魂たちが、スマホの画面だけを信じていた。


そんな彼らに、「市販薬を装った何か」を配ったらどうなるか?


答えは、思っていたよりも早くやってきた。


『福岡市中央区警固公園にて、魔力中毒者の群発事案発生。現在までに確認された魔力中毒者、推定8名。このまま増加すればスタンピート条件を満たす可能性あり。』


テンペストの警告音が、冬の空気を割いた。


そして、第一声を上げたのは、クリスマスソングでもなく、子どもたちの笑い声でもなかった。


悲鳴だった。


少年の1人がビースト化して傍らにいた少女が叫ぶ。だがその少女も数分後にはビーストとなっていた。


「チーム筑紫、現場到着。現状ビースト5体、スタンピートと認定。応援求む!」


リーダーの斉藤玲奈はテンペストにそう叫んだ。今日が戦争になるのはあらかじめ聞かされていたので、すぐに応援は来るだろう。


できる事からと付近の魔力中毒者に『浄化』をかける。1人浄化する間に2人がビースト化した。チームメイトの精神感応系の2人が野次馬や無関係の人を魔法で追い払い、もう1人が自分を含めてビーストからガードしてくれている。


その時だった。

上空で突然、爆発が起こった。


「おかしい。地上に着いたら爆発するはずなのに・・・」


池田美穂はそう呟いた。彼女は警固公園のすぐ横、西鉄天神駅の屋上にいた。他にも2人の女性が立っている。


上空からの攻撃に備えて、玲奈は浄化作業を止め、警戒を強める。ビーストは10体を超えた。


「マズイね。このままだとジリ貧だよ」


幸い、周囲に無関係な人間はいなくなった。


応援のチーム愛宕が上空で戦闘になっている。こちらも人手は欲しいがわかっているからこそ妨害しているのだろう。仕方なくビースト退治に移るが数が多い。攻撃しようにもビーストに囲まれ、ガードで手一杯になる。本来なら玲奈が攻撃役だがガードに回されている。


次の瞬間、戦場を火炎が明るく照らす。


「『Огненное(オグネノエ) дыхание(ドゥハーニエ)』!」


警固神社側から火炎が走り、3体のビーストが巻き添えになる。


「私は謎の魔法少女、『M』!」


玲奈と同じ明王義塾学園の制服に金髪を三つ編みにして、頭に巻きつけている。夜なのにサングラスをつけた魔法少女が立っていた。

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