表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第3章「シークレット・ヘブン」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/104

第46話「怪物」

「それじゃあ、模擬戦を始めるよ。ルールは簡単。『チーム・スプリング』から1名、『うさぎ組』は3名で対決してもらう。勝利条件は『スプリングは相手の全員の死亡判定』。『うさぎ組は10分間生き残る』こと。だ」


ムツミ教官がルール説明する。場所は大阪校のグランド。と言えば聞こえはいいが要は幼稚園の園庭だった場所だ。


「ちっとも『フェア』じゃないじゃない!」


あげはちゃんがムツミ教官に吠える。私は魔法を昨日覚えた身だから実践訓練はまだ早いとさえ思っている。伊都子さんは何も言わない。いやひょっとしたら実力差がすでに『見えて』いるのかもしれない。


「まー、まー。まずはやってみようよ。こっちは1番手はワタシが出る。1番『まとも』な戦いになるはずだ」


そう言ったのは桃園若葉さんだ。


「絶対!その条件を変えさせてやるんだから!」


と、あげはちゃんが意気込む。ムツミ教官が手を挙げて


「それでは1回戦、はじめ!」


傍らのスマホを押す。おそらくストップウォッチ機能だろう。


「『イージスの盾』!」

「『カシコミ、カシコミ、モウス』!」


昨日の訓練でわかった事、私の魔法『イージスの盾』は敵の攻撃も心理操作もブロックするが、味方の攻撃は素通りする。つまり、安全圏から一方的な攻撃が可能だった。


白狐に変身したあげはちゃんが口から火炎を吐き、若葉さんを襲う。


だが、水のカーテンがそれを防ぐ。

次の瞬間、私達は水の中に落とされる。


違う。水を箱状にした魔法だ。それが3つ現れて、私達をそれぞれ水の中に入れたのだ。


1分程もがき苦しみ、意識が暗転した。


ハッと気づいたら、3人ともびしょ濡れで園庭に転がっていた。おそらく全員が意識を失ったタイミングで魔法を解除したのだろう。この魔法の恐ろしいところは新たに魔法を唱えられない点だ。水の中では呪文が詠唱できない。


「能登さん、だっけ?恐れいったわ!」


若葉さんが意識を取り戻した伊都子さんに駆け寄って言った。


「『レベル:E』の私から声を奪うとは!おかげで使い慣れた『カーテン』と『キューブ』しか使えなかった!」


伊都子さんを褒める。目立たないがそんな事をやっていたんだ。味方なのに気づけなかった。


「とりあえず、3人は着替えね。それから2回戦にします」


ムツミ教官が告げた。



2回戦。次の相手は辻あやめさんだった。


「開始前にルールの追加だ。あやめちゃんは精神干渉系だ。攻撃手段を持たないから、この81式ペイント弾の使用を許可する。なんなら伊都子ちゃんも使っていいよ」


ムツミ教官が言った。つまりはあの銃を無効化すれば良いのか。ちなみに伊都子さんは銃の申し出を断っている。


「それじゃ、2回戦。はじめ!」


開始の号令と共に、


「『イージスの盾』!」


私が盾を展開する。対して、あやめさんは銃を真横に向ける。誰もいない方へ。そしてゆっくりと引き金を引いた。


パンッ!と乾いた音が響く。


「伊都子ちゃん、死亡判定!」


ムツミ教官が告げる。その証拠に伊都子さんのこめかみ部分の髪に赤い血糊が付いていた。


「そんな、『イージスの盾』が!」


乗っ取られた。『ハ』の字に配置されたイージスの盾が弾丸を弾き、弾道は『コ』の字に曲がった。


「ふふ、レベル差があると、『魔法少女』は乗っ取れるの。ハッキングに近いかな?こんなふうにね!」


次の瞬間、イージスの盾が残った私とあげはちゃんを挟み込んだ。徐々にその力が強くなる。すでに身動きが取れない。


「これは決まりだな。2回戦終了!」


ムツミ教官が言った瞬間、盾が消えてなくなった。


「ハア、ハア・・・」


浅くなった呼吸はさっきまでイージスの盾を押し付けられていて息ができなかっただけじゃない。明確な恐怖がそこにはあった。


「いい魔法ね。ウチの『スプリング』に入らない?」


私の方を向いて、あやめさんがそんな事を言った。私は首を横に振る。とてもじゃないけれどこんな人達についていけると思えない。


「それじゃ、3回戦、準備」


勝てる気がしないまま、次の回へ。

10分どころか5分もかかっていない気がする。


「3回戦、はじめ!」


パチン!


さくらさんが指を弾いて音が鳴る。

それだけ。


1秒後には制服がバラバラに切り刻まれてハラリと落ちる。おむつもドサっと落ちた。


つまり、私達3人は全裸にされた。


「さて、『まだ負けてない』よね?『イージスの盾』」


あやめさんがイージスの盾を使ったのは私をコントロールして、対してさくらさんは自分で生み出した。先程と同様に前後で挟まれる。先程と違うのは挟まっているだけ。身動きは取れないけれど、狭くなっていかない。ただし、盾が少しだけ宙に浮く。


「あはは、UFOキャッチャーだね」


笑ってそんな事を言うさくらさん。そのまま敷地の外の方へ動かされる。


「さて、残り7分。どこまでいけるかな?」


ゾクリと恐怖が全身を駆ける。他の2人もそうだろう。その証明に全員がおもらしした。


「ごめんなさい!ギブアップです!」


あげはちゃんがそう言った瞬間、あげはちゃんを挟んでいた盾が消える。


私もギブアップしようとした、その時だった。テンペストが赤く点滅し、アラートが鳴る。


『引退魔法少女より入電。大阪府吹田市万博記念公園にて、魔力中毒者事案発生とのこと』


「ーー聞いたな。『チーム・スプリング』及び『訓練チーム・うさぎ組』出動!ただし、あげは。お前さんは居残りだ」


ムツミ教官の指示が飛んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ