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魔法少女はおむつが必要だなんて聞いてません!  作者: 062
第3章「シークレット・ヘブン」

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第39話「私の秘密と国の秘密」

『うさぎ組』に戻る。部屋の隅に置いてあるおむつからMサイズを選んで1枚取って、カーテンを閉める。サイドのギャザーを破って、お尻拭きで綺麗にする。汚れたおむつは丸めてテープで留める。


「ふーん、そうやるんだ」

「わ!え?覗き?」


あげはさんも伊都子さんもいつの間にか私のおむつ交換を覗いていた。


「慣れているのね。あなた」

「マコトでいいですよ。木津根さん」

「私もあげはでいいわ。『木津根さん』って呼ばれると、小学校の時散々イジってきた男の子を思い出すからやめて。それから言葉も普通でいいわ。同僚でしょ?少しぐらい年齢が違っても社会だと誤差よ」


「じゃあ、あげはちゃんで。私は『ドン横キッズ』・・・有名な『トー横キッズ』の名古屋版みたいなのをやっていて、オーバードーズで幻覚を見るようになったんです」


仲良くしてた男の子が突然、オオカミ男みたいな姿に変わって襲いかかって来る幻覚を見た。私以外はみんなその姿に変わっていた。おそらくオーバードーズの副作用だろうと言われて、京都の精神病院に入院させられた。そこでも私は幻覚を見て、病院を追い出された。さらに私は名古屋のオーバードーズの時からおむつが手放せなくなった。


その話を神妙な顔で2人が聞いていた。


「遅いと思ったら、そんな話をしてたんだ」


ムツミ教官だった。いつの間にか教室の入り口に立っていた。


「本当は座学は実技を終えてからと思っていたけどね。固定観念があると魔法にオリジナリティーがなくなるから」


そういってタブレットで映像を見せてくれる。おそらく防犯カメラの映像。自動車の展示会みたいな会場に1人の男性が立っている。ふらふらと1歩、また1歩と歩いている。周囲の人間が男性の異変に気づき、遠巻きに見ている。少し早送りすると周囲の野次馬は何か合図があったように散っていく。


男性の手から何か出た。画面の端ギリギリに水の壁が現れてそれが消える。


男性が黒いモヤで覆われて、ゆっくりと詳細は画像が粗くてわからないが形を変える。

そして、全身が毛で覆われたオオカミ男に変化した。


(これって、私が名古屋や病院で見たのと同じ!)


そこでムツミ教官が画像を止めた。


「今、画像で見てもらった通り、これが私達の敵、『ビースト』だ。その前段階を『魔力中毒』と呼んでる。さっき見てもらった攻撃、アレに一般人が当たるとその人間も魔力中毒になる。これを繰り返して5体以上『ビースト』のいる状態を我々は『スタンピート』と呼んでいる。日本では戦後、3回起こっていて、最初は1971年の長野県。残り2回は名古屋市栄と京都府舞鶴市で起こった」


目を見開いて、あげはちゃんが驚く。


「それって・・・!」


ムツミ教官が少し笑って言った。


「そう、マコトはこの2回のスタンピートを経験し、生き残ったツワモノだ!」


「青森、恐山の『本物のイタコ』伊都子さんと祐徳稲荷神社の『隠し巫女』の私、そして2回のスタンピートで生き残った『ツワモノ』真琴ちゃん。それを集めて日本を救うのが目的なのですね。俄然やる気になって来ましたわ!」


あげはちゃんが力強くそう言った。


それでも私は見逃さなかった。ムツミ教官がさっきと同じく明後日の方を向いたのを。


(つまりはあげはちゃんの誤解!)


それでもやる気のある状態だから勘違いさせておくって算段だろう。


そのまま作ったカレーを食べる。普通に美味しい。幼児用の低い椅子とテーブルで食べた。


(この扱いだから、やっぱり『期待されてる』って事はないか)


そんな事を考えながら片付けを行い、昼の講義に入る。


「それでは実践してみようか?まずは飛行から」


そういって、ムツミ教官は1m程浮いてみせた。


「基本的に魔法はイメージだよ。ネコ型ロボットが1番出してそうな道具をイメージしてみて」


(ん?あれ?飛べるかも・・・!)


フワリと宙に浮かぶ。

(なるほど、行きたい方に念じるのか・・・)


「・・・・少し怖い」


伊都子さんがつぶやいた。ギリギリで聞こえる程度のボリュームで。

一方であげはちゃんは上下左右とスピードを出して飛び回る。まるでジェットコースターみたいだ。


「・・・・蝿みたい」

「ぷっくっくく、ハエって・・・」


思わず吹き出しそうになった。伊都子さんはしれっと毒舌系なのだろうか。


そんな私を見て、伊都子さんもにこりと笑った。

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